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まぼろしの異文化交流会を探して

ゲンロンカフェが10周年を迎えたとのこと。10年……10年続くのってすごい。わたしと同い年のライブハウスがあるが、ゲンロンカフェもそれぐらい続いてほしい。どこかの小学生が成長して「え!自分と同い年!」と軽く驚くぐらいのサイクルができれば、いろいろなものが継承されるだろう。

ところで少なくない人が「初めてゲンロンカフェに行ったのは~~」という話をしているのを聞くたびに(なんでわたしは覚えてないんだろう?)と不思議になる。これだけ足を運び続けていて、好きな場所のひとつなのだから、覚えていても良さそうなのに。

peatixの履歴をたどると、驚きの結果。初出は2017年4月25日の「批評はひとりでやるもんじゃない」批評再生塾第3期キックオフイベントだ。

え、なにこれ。インスタント批評オタクみたい……自分でもひく。

実際は、もっと前に何かの折に……駆け込みで数回訪れてたはず。批評再生塾の第3期に聴講生、第4期には正規生だったわけですが、いくらなんでも、初めて行ったのがキックオフイベントなんて……! その場で聴講生に申し込もうなんて……無茶な野郎すぎる。

peatixの履歴で笑ってしまったのが、その3か月ほど前に「渋谷で国際交流パーティ」「六本木アラサー異文化交流会」に2週続けて通っていたこと。そうえいば英会話教室代わりに使おうと思って、この界隈に迂闊に足を踏み入れたことがあった。別にパーティ好きじゃないのに……。

わたしは執念深いところがあって、何十年も前に起きたことを、昨日のことのように思い出せる。自分では記憶力はいい方だと思っているが、ときどき記憶をなくしていることに驚く。

1年ほど前にも、とつぜん記憶を取り戻したことがある。渋谷区の美竹にある分庁舎で美術展で、唐突に自分がジュエリーメイキングの勉強をしていたことを思い出した。自分の来歴を振り返るような作品群に触れたせいか、美竹公園そばの専門学校に通っていた記憶がよみがえったのだった。社会人クラスだったけど、充実していた。ライターになるから忙しくなるって休学して、そのままになってしまったけど、最初のiMacやAdobeは学割で買ったんだった。あの数年の熱は何だったのか。

ところで今わたしは、日本語を教える活動をしている。思えばこれは(主にZoomだけど)、異文化交流会をやっているようだものだ。

生きていくことが日々の伏線を回収するという行為だとしたら、今の日々もどこかで現れるに違いない。ジュエリーメイキングも、きっとどこかで。

もしもサポートいただけたら、作品づくり・研究のために使います。 よろしくお願いいたします。