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課題③ネーム感想/ひらめき☆マンガ教室

https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/subjects/3/
魅力的なヒロインを、と言うお題だったので、すべてのネームを読んだ上で、「これぞベストイレブン!」と思った作品を「勝手に」選出しました。師走の翁さんの指定する「ヒロイン」は主人公との関係における「相手」の意味だろうなぁとは思ったので、観点がズレた選出になったものも。でも読んでて単に「このヒロインいい…!」と思うものを選んでます。(ただそれって、キャラの関係がキマってるものという確率も高い)というわけで、今回は全員分ではないです。ごめんなさい…!

片橋真名『ズッ友。』

https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/qnuuu2/18564/

「描きたかった」という表情、グッときました。いじらしい。幼なじみが決裂せずにいるの、自分の中ではファンタジーなんですが、やっぱりファンタジーを読みたいときもあるので、いいなぁと。ただ、電車で起こす時にパン!としたのがキャラに合ってない感あり。初読では、回想してるうちにいつの間にか寝てて起こされたのかなと勘違いしました。ぎゅーっとしそうになって相手が起きちゃうとか、無言で揺らすとか…キャラが動いてる感じがするともっとよかったです。


畑こんにゃく『樹海でボーイミーツガール』

https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/pistachio111/18716/

南くんの彼女2021的な! いろんなギャップに萌えました。緊縛されてるのにケロッとしてる、樹海なのに笑うしかない。壮絶人生なのに愛くるしい…。[突然はみがき手伝うなんて、かわいいだろ反則〜]とか思ってたら「歯科衛生士」だったとは!マジのやつじゃん…!エロさも忘れてない。ネタだけじゃなくて、迷える主人公と正反対のテンションでスパン!スパン!と場面を作っていく魅力的なヒロインだなと思います。(超個人的には、冒頭のアレは蔵馬を思い出しました。引用作品が古くてすみません)

木ノ下万理咲『漢らしさってなんですか?』

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Wヒロインと思って読みました。東堂の容姿がもっとイカツい方が(あくまで整ってるのだけどイカツい感じ)、ギャップも出る&「漢らしさって〜」と掛かりそう。無骨な人がキラキラふわふわなもの触ってるのを読みたいという好みかもしれませんが……。6ページ目の心のセリフは、もっと東堂自身の内面に踏み込んだほうが腑に落ちる感じがしました。「世界はこんなにキレイなもので溢れてるのに、味わえないのつらい&恥ずかしい、でもつらい」的な葛藤とか。西高トップの決めゼリフ最高。

コバヤシ『ブルー・メッセージ』


https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/kobayashi1/19039/

ミミさんかわいい。ただ「ツン」の部分がもっと見たかったです。取り乱すのは最後の感情の爆発だけでいいように思いました(確かにミミは既に好きになりかけているとしても、でもやっぱりまだ「ツン」な態度は崩さないと思うので)。気になったのが「カクテル言葉」が花言葉や誕生石などよりも一般的ではないこと。[そもそもカクテル言葉ってものがあり……]そのあたりのうんちくを、わかりやすく開陳すると良いのでは〜。モブのイケおじに語ってほしい(これは個人的な趣味)。


あまこう『本能でぃてくとっ!』

https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/amakou01/18582/

妖崎さんの可愛さは、樫本くんの武骨さあってのものですね。相乗効果でいいと思いました。これは単に好みかもしれませんが、妖崎さんの肉食加減が、もっと艶やかな方向でもいいのかなぁとも思いました。樫本くんが劇的に弱そうなのは「出会ったことのないタイプ」だと思うんですよね。だから、同級生にいそうなギャル系よりもセクシーお姉さん系の方が扱いづらそうな気がしました。

高井焼肉『アタシ、キレイ。』

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ユーチューバーと会ってからの口裂け女のキャラ変がいい。除霊以外だと、口裂け女との対決→改心のエピソードって妙に説教くさくなっちゃうものですが、その無理っぽさがない。全身整形のユーチューバーと対決させることによって、身も蓋もないけど現実的な面白さを開発したところ、すごい。[現代で]と書かれたコメントに「あぁ口裂け女は過去なんだ」としみじみしました。タイトルは「アタシ、キレイ?」→結びで「アタシ、キレイ。」にしたほうが、口裂け女を思い出しながら読めるかもって思いました。

こぐまあや『いぬのようなひび』

https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/kgmaya/18645/

体当たりのツンデレが魅力的。ただ、ちょっと戸惑ったのはケロイド痣について。ケロイド痣を人に見られるのは重いこと。「10年も前のこと」と言われても、現在も残っているのだから……読み手が後輩を単に憎らしくなるのは損だなと思いました(そんなヒドい役柄ではないはず)。あづみは、ただ「呪い」をかけたいだけなんだから「怖い思いをしたから言うことを聞け」でもよかったかも。※もしかしたら、作者の人に同じような経験があったからこそ出てきたセリフなのかもしれませんね。「たいしたことない」と思って生きてきた意識が反映されることもあるので。以前、とある講評で「それって軽い悩みじゃないでしょ」という指摘をされたことがあります。


柴田舞美『屋上の天使』

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天然お嬢様の「天使」素敵ですね。ただ、主人公が「天使」にもっとうっとりしてる感があるとか、「天使」がいかにも怪しげな動きをしているのを見かけてしまうとか、屋上に至るまでの二人の関わり方にドキドキ感があると、もっと盛り上がるのかも。それと、主人公が疎外感を味わっているのがもう少し見たかったです。(飄々としているので、意外とそれなりに馴染んでいる感じがしました)とはいえ、そんなことしていたら、ページが今のままだと少なそうですが…。


シギハラ『ぼっち』


https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/kuzikuzira/18796/

カッコいい、かわいいだけが魅力的なのではなく、もの悲しさで魅力を覚えました。強がってるけど実は……というところに共感が持てます。かわいい絵なだけに、さらに。二人ヒロインの視点で読みたかったですね。あちらはあちらで、勝手に勇気づけられて、主人公を憧れの存在に思っているような気もしました。

のり漫『あの子の痕跡』

https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/noriman/19069/

回想に至るまでは、さらに短いほうが哀しさが引き立つような。それと魅力的な「あの子」の名前が知りたい。名前を呼ばなくてもそばにいたのかもしれないけど、穿った見方をすれば、主人公は「ちく天」と呼ばれているのに、彼女は彼との関係しかなかったのかな…と。実際にあった経験を物語に変えたことで、話の本筋が見えやすかったです。活動のベースはノンフィクション作品なのかもしれませんが、この辺りフィードバックできるといいですね。

かずみ『君との距離』

https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/kajyuu2/18936/

はうわぁ、女の子が身を預けるところイイ……ということで滑り込み。あと、そんなヒロインを好きになった主人公がカッコいい。いいよぉ、少年!そのままでおじさんになってくれ!アッチ側に行かないでくれと切に願うよ!君こそ王子だ!ただ、媒体はTwitterじゃない方が「啓蒙マンガ」って思われなくていいのではと思いました。『ダ・ヴィンチ』とか?(結果的にそうなったとしても、個人のマンガとして載せると「意見」ぽくなるので……)



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