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課題②ネーム感想/ひらめき☆マンガ教室

(タイトル画像は特に何も意味がありません)

すでにネーム講評も行われている(+その内容を知らない)ので、本当に、ただの感想です〜。関係者以外の方は、是非ともリンク先にあるネームを読んでいただければと〜。

こちらの課題は「あなたのど真ん中」を、伝わるように16ページ(以内)で!というものです。「憧れの編集者に【キミがいちばんいいと思うもの、1ヶ月後に掲載できるような話見せてね】と言われたら、あなたはどうする?」的な。土曜日のネーム講評も白熱していたようです。リンク以降は当然のようにネタバレします。順番は、ザッピングのように読んだ順番です。それ以下でもそれ以上でもない、です。

『梨沙と梨奈』片橋真名

作者も双子だそうですが、双子というより「姉妹の葛藤」が描かれているので、共感の幅は広そう。自分のことを思い出して、わかりみが深かった。

「わたしたちは二卵性双生児」という説明があった方がわかりやすいかも(双子が近くにいない人のために)。「身体の一部だと思ってたのに、ね」とか、過去の主人公が目の整形をして近づいたのも、双子ならでは。

『雨のあとは上天気』こぐまあや

タイトルから察することができなかったのですが、同棲カップルの解散話。こういう関係になれたら、いいよなー……という理想型です。

数年前の雨のシーン、導入・終わりで「これは回想です」というのがわかりやすくなっているといいなと思いました。別れても、こういう「好き」な気持ちの関係っていいなぁと思ってしまう。最後の、般若面かぶってる祥一郎がかわいい。

『ラスト・サキュパス』コバヤシ

サキュパスかわいい。めっちゃかわいい。これぐらいのお色気が好きです。ゆる百合なのも個人的にツボ。

意図した「敵役」のわかりやすいワルさ、良い感じですね。ただ、純血だから凄い!というのは、突き詰めると思想的な危うさもあるので、かわいいリアちゃんが「クォーター」でなくてもいいような……とは思いました。

『夢で逢えたら』瀬戸ちひろ

タイトル通り、デジャブの話です。ショート・ショート風。

話はわかりやすい(途中から「ほぉ、これはおそらく……」と感づく)けれど、夢の時系列を整理したほうがわかりやすいと思います。女性の登場回数が減っても、出逢った時のエピソードをもっと印象的にできたほうがいいのかもしれません。映像の絵コンテ風のコマを使いたいのであれば、大ゴマで映像的に見せてしまうのもアリでは(画力が要りそうですが!)。


『洞川スズ』シギハラ

いろいろなタイプのコミュ障が出てくるかわいい女子の話、シギハラさん一貫してていいなぁと思います。

ただ、タイトルと主人公の名前が錯綜してしまうので、(「わたし=あまね」が主人公の話。『洞川スズ』は小説家の名前)シリーズタイトルが別にあって「洞川スズ編」みたいにしたほうがわかりやすそう。


『彼女はトンボの肉の色』ハミ山クリニカ

虫殺しに関する罪悪感が生々しく描かれています。Twitterマンガとしては、ちょっと強烈かも……しれません。見ちゃうけど。

マリコさんは強くなって偉いなぁ、わたしは全然強くない……と敗北宣言。トンボの肉を見たことで強くなったわけではなさそうなので、今からやることではないけど。時々、傷口をいじってしまいたくなることって人間にはあるので、待たれている題材ではあるとは思う(けどトンボをちぎることが正解なのかはわからない……)。


『レイトショー・ストーリー』横たくみ

名画座に『風と共に去りぬ』を夜な夜な観にくる客の秘密……!

https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/yokoes335/18094/

ほわんとする展開、いいですね。ただ、コメントの通り原作に寄りすぎているので、「なんでこんな、時間がないって時に〜裏どりが〜〜」と編集者は不満に思うかもしれないけど。「嵐と共に去りぬ」とか「明日と共に去りぬ」とかでお茶を濁すのダメですかね……?せっかくなのでペン入れの際は、ドレスとスーツをガッツリ描き込んで欲しいです!少年誌で名画座の組み合わせがちょっと難しそうなので、むしろ女性向け媒体も行けるのでは。


『探索者たち』柴田舞美

小人さんたち、わたしの部屋にも来たことあるはずだ。と言うより来て欲しい。

源泉徴収票、言えば再発行してもらえるんですけど、気づくのがギリギリで「今更言えないな…」とかになりがちですよね。辞めた後とか特に。かべにかかっているカレンダーが3月なのとか、芸が細かいので、ペン入れで、このニンゲンの人と為りがもっとわかるようになってたらうれしいです。


『死角い視覚表現』くたくた

急に話さなくなる旧友。なんでだ……何かあるんだよね……ふとした気持ちが切れる瞬間というか。劇的な決別をしたわけでもないのに。

現実では、何か事件が起きてもいきなり仲が戻ることはないし、もう平行線になっていくことの方が多い。そんなところも描かれてて、正直な物語だなと思いました。最後に主人公が「てくてくてくてく」と歩いてくるところ、その変化に黒森が気づくところがよかった。それだけに、最後のフォルダ整理してるところが、ちょっと後付けっぽく感じてしまいました。


『GO STRAIGHT@アキハバラ』畑こんにゃく

リアル銀杏BOYZギャグ!(いや、リアルじゃないな、ファンタジーだ…)この、無駄に明るい感じのノリがいい。

秋葉原のイチョウってどうなんですかね。ちょっと臭うような気がしますが……。それにしても「ギンコの恩は 忘れないから!」かわいい。そして秋葉原から上野あたりへ……実際は末広町ぐらいじゃないと難しいのかなぁ……(取材できたら、植生を調べられるといいですね)


『告白』うめていな

人を好きになることと、盲信することってどこからがどう違うの疑問を抱いたことのある人なら、ツボにハマるテーマ。個人的には、好きな感じです。先生と生徒の恋愛話がベースになっているので、「それが、そもそもありえない」と思いながら読むと、複雑さが増してしまうと思いました。

好意的な読者としての脳内変換は以下の通り。【主人公は告白時に「好きになった」→先生は「ちょっとかわいいかも」とは思うもブレーキかけてる→主人公は数年間慕っている→何かイベントが起こり、男女の関係に→現在、冷めている……】違っている可能性は高いですが、そう読みました。


『雑種のケルベロスを飼っています』高井焼肉

タイトルそのまま、おもしろ動物マンガの体裁で語られる。(ほぼ現世と同様だけどさまざまな「クリーチャー」も動物同様にいてペット化してる)異世界の日常系ギャグ。

テンポが良いのです。この世界がどんなところなのか、ギャグはギャグなりに教えてもらえるとうれしい。作者コメントで「100パーセントのフィクションは細部を想像するのが難しい」とありましたが、雑種のケルベロスを飼うというシチュエーションを考える時点で、そんなに気負わなくてもできているのでは……!


『勇気のかたち』つまようじ

誤解が誤解を生むおかしみ……。一生懸命だからこそすれ違う……。やっぱり笑える。

勘違いの出口がちょっとわかりづらかったりしたのですが、面白いところたくさんありますよ。コメントで「駄作」って言われると「え〜面白いと思ったのに〜この気持ちはどうしてくれよう〜〜!」と思っちゃうので(書きたくなる気持ちはわかるけど)、できれば「どうぞ!」という感じで世に出してください!! 


『車のジギー』清水しの

24ページだけど……いい話……みんな読んで…!涙腺が緩みます。

ページ数はオーバーしてるけど、作者本人の「ど真ん中」が「伝わるように」なっていると思いました。(とはいえ、空きがあるのが16ページだったら編集者は困流ので、8ページどこか削るとダメだろうか……?)『魔女の宅急便』との関連性については、「あの、魔法が使えなくなっちゃうやつ!」と思い出していたのですが、「さなえ=トンボ」がわからなかった……知識がたりませんでした。


『ボクらはそれらを愛とよぶ』kinoshitamarisa

こちら、いわゆる「BL」です(最初わからなかったので、バイの主人公の恋愛ストーリーなのかなぁ…とぼんやり読んでいました)。

https://school.genron.co.jp/works/manga/2020/students/kinositamarisa/17761/

システマチックなもの、構造的なわかりやすさよりも、個人的には心理描写と関係性に重きが置かれているものが好みです。(わたしが求めているものが多くの人と違うのだと思います)そういうわたしからすると「いい!」と思うポイントがけっこうあるのですが、もしかしたらその部分こそ商業的には「足りない」と思われるのかもしれない。


『たのしい週末』藤原白白

かわいい密室劇。一枚絵のタイトルの付け方が気持ちの良いデザイン。

伏線回収がもうちょっと高度だとうれしい。相互フォローの人がバリスタ少年の関係者なのはよきとして「少年と引き合わせようとしてた」ぐらいで。主人公は、クール(仮)な青年に絞るのが良いのでは…と思いました。細部ですが、ハッシュタグで「#つまらん。」と付けるの不自然なので、「#たのしい週末 だと?わからん」というツイートしてるぐらいの方が良さそう。


『ミスティフィカシオン』田山

コメントを読むまで、一番に表現したかった点を取り違えていたようです。すみません。

確かに二重のトリッキーな面白さはわかるのですが、フィクションとはいえ、語彙の選定に危うさを感じました。具体的な事件の明言はされていませんが「狂ったから異性装」とか「その美にふさわしい振る舞い」とか「いつか怒るはずだった」というあたり、作中で否定する人が誰も出てこないのが、引っかかるものがありました。もちろんそれは「BLと同じで、こういうジャンルです」かもしれません。ただ、耽美的なものに浸る前に悩んでしまう人って、作者の想像よりも多いのではないか、そんな気がしています。


『牧場(まきば)のふりぃじあ』pote

小さな牧場で一頭しかいない牛から生まれたのは…人型の女の子だった。

おじいさんと二人きり、というのがよくわからなかったので、先に軽く情報を〜(父かと思ってた)。一般的には「件(くだん)」予言をした2〜3日後に死んでしまうと言われているけれど、この場合はどうなるんだろう…。やっぱり気になるな。おじいさん、もしかして自分の死を予感してるんじゃないかな、とか。


『最強戦士 二才』かずみ

うぉぉぉ、猫かわいい。二歳児もかわいい。

世界観的には、『カードキャプターさくら』へのオマージュかと思うのですが、猫と戦う童顔少女という組み合わせが、彷彿というより連想してしまうので、そこを隠せると、もっと良いのではと思いました。


『キスの練習』桃井桃子

小学生と高校生(中学生?)、小さな百合の物語です。かわいい。

みんな女子校に通っている設定なんでしょうか…?「これから」で予感させる方が想像が膨らんで楽しいと思う派なので、このまとめ方は好き。お姉さんの視点で進行する割に、彼女の気持ちがよくわからなかったのが気になりました(が、こういうものなのかもしれませんね……?)。


『宇宙の果てからこんにちは』西岡京

ラストページで、おそらく、核になるものが現われている気がします。

子どもがもうすぐ産まれること、それに伴う喧嘩のことと、あの場所に行くことのつながりが特に描かれていないけど、きっとそれは、生まれてくる子どものとの関係を暗示させるものなのだろうな…と脳内変換して読みました。スピーカーで呼び掛けられた瞬間、何か不思議な感覚を得るなどあって、妻との気持ちがつなぎとれめられたことは幻想じゃないといいな……。


『青春の亡霊』なないつ

高校教師の生き霊、かわいい。しかしながら、2020年なのに、教師42歳が老けすぎてて哀しい。

作者コメントで【「1コマに1人しかいない時はマスクを外していい」と言う独自ルールをもうけました】【マスクをつけているコマは「ニューノーマルの現実が突きつけられる」セリフを配置】とあるのですが、わからなかったです……単に付けたり外したりしてるのかなって……。それにしても、「修学旅行に行けなかった」より、生き霊の「高校の時友達がいなかった」方が圧倒的に寂しいよな…子どもって残酷〜などと思いましたがいかがでしょう。


『時計塔は関係ない!!』丫戊个堂

確かに『ミステリーズ!』に載るマンガなら、こんな感じもあり。結婚しないで、ずっとラブコメしてもらうのも希望ですが……。

クールな秘書にリードされている(ことに気づかない)、ミステリー好き探偵。なんだかんだ言ってよき相棒になっていく様子が見てとれます。たまには事件を解決させてあげたいですね。「消えたポチのご飯」ぐらいの謎なら……!


『スラムの炎』シバ

画力が要りそうなネームだなと思いました……(スラム街ってわからせるためのモチーフや、炎の感じとか、中国大陸風だけどいろんなものが混じった王国の文化とか)

主人公、カッコいいです。直情的だけど本能的な賢さがあるのって、男女問わず憧れるのでは? キャラの造形がすごく美男子だと、男性はノッてこなさそうですけど…。ただ、別のところで描いたものも読みました。それと比較すると、(読み切り16Pで描くから、エピソードは違うのですが)王が正気に戻るところが、ちょっと呆気ない印象でした。


『嫌と言えなくて』俗人ちん

住職修行の次は女子高生……!あくまでイメージだけど、「ジュンコ」と「サキ」の名前は逆の方がしっくりくると思いました。

主人公に都合主義の様相が強いので「友達じゃないとは気づいていたけど、どうしようもないじゃない!」的な葛藤があると気持ちに乗れやすいと思いました。そもそも「本当の友達なんかいなくてもいいや」とやり過ごすこともできるわけで。それでも「勇気を出して言う」と何がいいのか(例えば「正直に言えた方が気持ちいい!」とか)あると良いなとか思いました。


『となりの隣のおじいさん』のり漫

ケーサツが現われすぎ…!怖い…!怪音の正体というか、通報の正体がわからないまま終わるのですが、これは読者に委ねられているのかしら。

ってドラえもんのように「かしら」って使ってみたけど、そこが結構不思議な感覚で。わたしはおじいさんを疑っていたのですが、でも作者コメントではまったく違うことが書かれてたので「ごめんなさい…心が薄汚れてて…」と土下座したくなりました。


『「かわいそう」とは言わせない。』ahee

とても大切なことを言おうとしている作品だと思う。ただ、わたしが作品で読んだことと、それがイコールなのかが気になっています。

最後のページ、「後日談」で誰が「わからんわ…」と言っているのかわからず。ポニーテールの子に、させている表情は作品を読んでいる人の代弁だと思う。そうまでして見せた先の世界で、何を思うのだろう…と。


『ケルベロスの初めてのお休み』盛平

ケルベロス、お前は流行っているのか! (最後のページ、順番が逆なのでは…と思っております)。

盛平さんの描くケルベロスが、結構かわいい感じ。ケルベロスが雌だったという設定面白いですね。ヘラクレスが力づくで連れて行ったのに、パンに釣られて行っちゃうし……。ここまで書いていて、二次創作っぽいなと思いました。ギリシャ神話そのものじゃなくて、オリジナルのキャラクターがあると「ファンタジーのど真ん中」な感じが出てくるかと思いました。

『危険なマイゴ』motoko

ファンタジーで外来生物の話をする。日常に不思議な生物が「偶然」迷い込むのではなく、「そもそもそういう世界」という設定は、端的にわかってもらうの難しいですよね……!

作品だけ読んだ印象と、描きたかったことに乖離があるように思いました。ファンタジーを描きたいのか、非日常を通して日常にある欺瞞を暗喩させたいのか……によって、わかりやすくするポイントは変わってきますね。それでも「三年前にモドキが子供を襲った理由」が知りたいところ。



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