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空の青さは、飛んでいる鳥にはわからない/#ひらめきマンガ 課題①『空と伯爵』

マンガを読もうとする中では、Tくんの感覚に共感する人も少なくないはず。世の中の主流ではないかもしれないけれど……

この作品世界では、生まれ変わりを自動的に肯定しているけれど、それが何も生まない。無常である……ということに注目すべきなら、壮大な感覚というのは、むしろ哲学や宗教に通じる気がします。

もしもそうでないのなら、そもそも伯爵はなぜ空への執着があったのか?に触れないと読み手が置いていかれた感じになる。たとえば、青空への強い憧れが生への情動を支える、その尊さを伝えるのであれば、前世の話は不要かもしれない。Tくんの感情の昂りで十分に描けるはずだから。

この伯爵は、一般的に社会で流布している神話や伝説、慣習が投影されている。時空の歪みの集合体だ(そもそも、伯爵という称号さえでさえも)。この設定にするのならば、Tくんのいる現実も、わたしたちとはちょっとズレた次元の世界に設定した方が、腹落ちしやすいかも……と思いましたが、いかがでしょうか。

Photo by Matthew T Rader on Unsplash

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