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ひらめき☆マンガ教室課題5(香野コメント)

なぜ4月になってしまったのだろうか…受講生の皆さんごめんなさい。半年以上前の感想をいまここに載せるの、申し訳ない。時差です、時差…。

というわけで。課題5の作品について感想です。なお、この課題は「キャラクターや世界が膨らむような1枚絵」です。どんな人物が、何をするのかしないのか、世界観を描き切りましょう、という結構実践的なやつだと思います。この課題の前に、講師の大井昌和さんによるワークショップがありまして、それを受けたものでした。というわけで、感想についてもジャンル分けでお送りします。


【ちょっと変わったお仕事マンガ】

◆静脈「毒使いの結婚」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/joumyakun/13311/
1枚絵、2人の表情は素敵ですが、ネクタイにもっと凝ってほしい。現状では普通の会社員っぽいので。物語上は表の世界では生きていけないカップルですが、この絵ならゴリゴリの結婚式シーンで良いのでは。ウエディング記号がもっとほしいです。メジャー感があって、今までとは別の安定感がある。時代性も反映していて、いろんな共感が引き出せるのでは(毒使いなんて会ったことないけど…!)。


◆中山 墾「うまくできない」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/gonynakayama/13544/異世界から転生するお仕事もの。キレッキレの戦士が超絶仕事できないパターンおもしろいかも。こっちの世界では自分がゾンビになってる……。ただ、1枚絵は「本当はゾンビハンター」とわかるものがあったほうが世界観が伝わりそう。


◆吉田屋敷「ゆれろふるえろふるえてろ」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/yoshida444/13479/
業界外の人に向けて、「イケてるカット」がどういうものなのか、ちょっとだけでも教えてほしい。ただ、最後が不自然に思えた。これだけ仕事してる人だったら、もはやエロ資料見てもこんな顔しないんじゃないかなぁ。ん、違うのか、彼女もこの人のこと好きだから恥ずかしいのか。メガネしてる時だけ素の自分になれるとか……?機微がわからないだけだったらごめん。

◆市庭実和「事故物件でグッモーニン」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/tilapia/13177/
(最初はネームだけだったけど)前後と続きを読みたい。ネームアピール文では「毎回浄化される」ってあるけど、読んだだけでは「え、戸田くん帰ってきたら死んでるとかになっちゃうのでは」という雰囲気がして怖い。自然児で浄化していく、そこにイケメン戸田くんがちょっとずつ惚れていって…というラブコメ期待。

【ラブコメから本格BLまで!恋愛マンガ】

◆タケチイチコ「お嬢様の老執事への恋心が一向に実らない件について」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/takechi1ko/13233/
1枚絵でキュンとさせる関係性がわかる。何より老執事がいい。「老け」に加えて「執事」、最高です。できればペン入れでは、もっとイケおじにしてほしい。お嬢様と一緒になってキュンキュンできるし、お嬢様もかわいいので目論見が当たっているのだと思います。ただ、ギャグだから仕方ないけど、最後はライバル認定される」と読者のキュンが減ってしまうような……。
(ペン入れ後)
燃えました。もう少しイケおじでもよかったなぁ、などと。(もう完全な好みでしかない)

◆ねりけし「夢見る歌舞伎町」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/amanndonehu/13478/
1枚絵とネームでトレーラーのような感じでしょうか。冴えない主人公が最後に見せ場作る展開ですが、最終回まで見られないのもモヤるかも。ドレスを着るとトリガーになって、唯我独尊キャラに変わるとかで……。友人のキャラデザは、ゴスロリが「いろんな人を受け入れてくれる街=新宿」なので合ってると思いました。昔はゴスロリで新宿のライヴハウスに通っていたが、バンドマンに振られた明け方、あいつに出会う…(妄想です)。


◆景山五月「俺たちは一緒になれない」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/gogatsu/13616/
BLです。1枚絵では、路上に通い詰めてるのかなぁとか思ってたけど、通りすがりの告白だったのかぁ、若い…赤面。2日間の野宿の割にはアジトができてるけど、2日間だったら(現代日本の設定っぽいので)、マン喫ぐらい泊まるのでは?などと、思ってしまい、リアリティがちょっと薄いのではと。むしろ個室で2人でポカポカするほうが、共感を生みそうですが、それはシュミの問題かもしれません。


◆五月十三日「それでも、つながっている」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/admwtjgmgm/13595/
とても気になるのは「恋愛したい」っていうのはどういう状態か、突きつけられるからだと思う。誰かのことが素敵だと思うからって自分が近づかなくてもいいのに努力してしまう。その源泉は思いやりではなくて自分が気持ち良くなりたいのか、安心したいのかもしれない。そう思った瞬間にラブソングもゲッソリ聴こえてくるものだ。男子学生の主人公の本音が見えづらくて、よくわからないので、セリフなり行動なりで、もう少し描いてもらえるとうれしいなと思う。


◆相野ココ「お兄さん貴方を奪います」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/ainococo2525/13247/
表紙というか1枚絵で関係性がわかりますね。妹かわいい。ただ、マンガの方ではツインテールになってますが、髪型は同じ方がいいと思いました。「仲良きことは、善きことかな」などと読者がひとりごちてしまう世界です。ひとつ気になったのは「転」の部分です。心配症っぷりが発揮されるのですが、ここが都合よく急すぎるなという印象がありました……ページ数も限られているので仕方ないのかもですが。

【いつだってこれが若者の日常系】

◆鴫原一起「どうせまた」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/kuzikuzira/13565/

1枚絵がすごくいい。虚無感しかない毎日って確実にある、というのが伝わる。それだけに、最後の箇所でもっと膨らませられるのではないかな〜とか思った。こんな感じの生活をしていたこともあったので、渦中の人には「あるある」かもだけど、そうではない人に伝えるには、《何をしたって結局死ぬんでしょ〜〜〜あ〜〜〜めんどくさ〜〜〜〜〜ツラっ》というところを、いろんな場合に置き換えるなどして、いろんな人の「あるある」に持っていけるとよいのかも、などと思います。

◆多花森「山手線ぐるぐるサークル」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/takamori/13412/
1枚絵で雰囲気は出ていたけど「美少女日常系にありがち」から抜き出る何かがあればもっとよかったのでは。それと、山手線の起点はサキちゃん(大崎)かイケっち(池袋)だと思う。よよっち(代々木)→にぽりん(日暮里)→めぐちん(目黒)という順番なら、何度もぐるぐるしてるとおもうのだけど「●周目」とか時間の経過がなくて、リアルっぽさが失われているのでは(なんか鉄っぽいコメント……)。

◆碌縞ろろこ「ルナシスヲエーコ」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/loloco/13589/
1枚絵が完成稿にならなかったのが残念だけど、続きが単純に読みたい。意外とシスヲがイケてるので、それは大丈夫なのかなって(サブキャラ好きです)。それだけが心配です。それと、ありえない展開が続きますが、日常ものにジャンルわけした理由はひとつ。ルナが日常を送りたいけど送れないという悩みを抱えているからです。

【ボクらのSF・ファンタジー】

◆ririro100「水神憑」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/ririo100/13452/
1枚目で「きっとこれはなにかおどろどろしい奇譚が始まるな」という気配がして、それが貫かれている。ただ、妹の視点でずっと進むのかと思ったのですが、何かに憑かれているはずの姉が心の声を語っていて、それは正気っぽくなっていて混乱したり。きっとこれは続きが・・・気になります。

◆グヤグヤナンジ「生霊(エナジー)の住む場所」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/guyaguyananji/13159/
悪さをするのは生霊であって、本体はどこかで生きているという点はいいなぁと思う。除霊モノで珍しいのでは。そういう意味で「1枚絵」の背景は生活感があったり、普通の街だったり、という方がしっくりくるのかもしれない(読者としては)。

◆暮介「ラグナロク」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/guresuke/13546/
タイトルは北欧神話系の終末の日、あるいはドイツ風なら神々の黄昏、つまり世界終末記の感じです。そのまま直球の物語です。1枚絵だと、魔女が主人公で行方不明の剣士を探しにいく感じなのかな?と思ったほど、少年剣士の影がけっこうカッコいい。コマ割が見やすいて理解が早かったです。少女の表情にグッときました。

◆蝶々ひらり「飼育員狂動物園」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/88hirari/13513/
動物との性愛…これはなんていうか、動物園もショーイングも皮肉と可愛さで包み込んでいて、とても狂っている魅惑的な作品。この動物園は、すべての動物が飼育員狂である、というファンタジー。動物に近いものを愛でている世界の方が、国を越えて楽しんでもらえるような気はします。


◆とねうら「スモウのこと」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/toneura/13398/
大相撲協会からは公認してもらえなさそうですが、かわいいです。確かにスモウってすぐに深淵にハマりそうなところがあるので、膨らませかたはたくさんありそう。割とこれに近い考えを持っている人もいると思うので……。

【眼力の強いグルメもの】

なは菜っぱの菜「WOW」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/pillow/13196/
しかし、この村はどこなんだろう?なんかそこが引っかかってしまって迷い道から出られなくなってしまった。「正直うまいかわからない。だがとにかく新鮮だ」というのは、ネタ元の通りにアリを食べた食感ならわかるけど、この伝統的な料理には不向きなのでは…。むしろ、昆虫食のグルメを追い求めるのは需要ありそう。個人的には「食べること」がとても好きなので、なんだかよくわからないものでも「美味しそう」な描写がほしいです。


【コドモを描く】

◆ハミ山クリニカ「MCアカチャンはおうたのじかん」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/kllinika/13578/
欲を言えば1枚絵にラストメンも見たかった。せっかくなので、心の声=ライムの韻が固い感じにしてもらえるとノレるのでは。細かいのですが、これってタイムループで実家暮らしの母に養われてるのかな。ベイビーの声と大人の声の吹き出しがハッキリわかってもいいように思いました。

◆とき ところ「for a good man.」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/honey821/13380/
1枚絵とネームのシンクロ率は低めかも…。ただ、どこかわからない外国の街で過ぎていくアイロニックな日常は、良い意味で心をざわつかせるので静かな刺激になります。ところで、「勝手に同じだと決めつけて説教までして」という乾いたセリフは時代に向けた言葉かもしれない。そう思わせてしまう深さがあるなと思います。

◆土屋耕児郎「蹄の歌を聴け」https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/namatsuchiya/13417/
タイトル見た時は「村上春樹か…?」とかと思ったけど、なんか違う気がしてきた。「ヤンキーがほんとは一番優しいし人の心がわかってる」というヤンキー上等理論が好きじゃないので、個人的にはなかなか馴染めない。けど土屋さんの作品は、ストレンジャーへの風当たりが強いなぁって思う。


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