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ひらめき☆マンガ教室(課題5)香野コメント

ただの読者です。ネーム読めるのすごい楽しいんです。今回、ジャンルに分けてみました。

【お仕事マンガ】

●静脈「毒使いの結婚」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/joumyakun/13311/

1枚絵、2人の表情は素敵ですが、ネクタイが惜しい…サラリーマン感。物語上は表の世界では生きていけないカップルですが、この絵ならゴリゴリの結婚式シーンで良いのではと。ウエディング記号がもっとほしいです。メジャー感があって、今までとは別の安定感がある。時代性も反映していて、いろんな共感が引き出せるのでは。毒使いなんて会ったことないけど…!出だしの「今回はどうやって殺ったの?」「お兄ちゃん」は逆なのかなぁと思いつつ。

●中山 墾「うまくできない」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/gonynakayama/13544/

異世界から転生するパターン。しかもキレッキレの戦士が超絶仕事できないパターンおもしろい。自分がゾンビになってる…。でも、1枚絵は「ゾンビハンター」とわかるものがあったほうが世界観が伝わるのでは…と思いました。


●吉田屋敷「ゆれろふるえろふるえてろ」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/yoshida444/13479/

「俺のほうが上手い→でも俺のほうが上手い→俺のほうが上手いに決まってる」ぐらいのほうが、主人公の闇の深さがわかるのではとか。とはいえ、前半ノリノリで読みました。ただ、見せ場の後半で、お仕事マンガのリアリズムがいまいち感じられない。休日出勤でメガネしてるのはいいのだけど、もはやこのレベルに至れば、エロ資料見てもこんな顔しないんじゃないかなぁっていう。本当は純情なんだって設定だったら、前半の仮面の被りかたに別の闇(#metoo的なヤツ)を感じてしまう。そんなことは関係ないマンガだってわかるので余計に。

●市庭実和「事故物件でグッモーニン」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/tilapia/13177/

前後と続きを読みたいです。ネームアピール文では「毎回浄化される」ってあるけど、読んだだけでは「え、戸田くん帰ってきたら死んでるとかになっちゃうのでは」という雰囲気がして怖い。


【恋愛マンガ】
●タケチイチコ「お嬢様の老執事への恋心が一向に実らない件について」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/takechi1ko/13233/

1枚絵でキュンとさせる関係性がわかる。執事がいい。できればペン入れでは、もっとイケおじにしてほしい。お嬢様と一緒になってキュンキュンしました。目論見が当たっているのだと思います。ただ、ギャグだから仕方ないけど、最後はライバル認定される」と読者のキュンが減ってしまうような……。


●ねりけし「夢見る歌舞伎町」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/amanndonehu/13478/

1枚絵とネームでトレーラーのような感じでしょうか。冴えない女が最後に見せるという感じは、最終回まで見られないの悲しいので、なにかがトリガーになって唯我独尊キャラに変わるとかでもいいような……。あやかのキャラデザは、ゴスロリがいろんな人を受け入れてくれる街=新宿合ってるけど、たしかに現実感がないかも。ただ、昔はゴスロリで新宿ロフトに通ってたんじゃないかな。そしてバンドマンに振られたところで…(妄想です)。


●景山五月「俺たちは一緒になれない」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/gogatsu/13616/

1枚絵では、路上に通い詰めてるのかなぁとか思ってたけど、いきなり一緒になっちゃいそうなので慌てた。2日間の野宿の割にはアジトができてるな…みたいな。リアリティがちょっと薄いのではと(一般誌だったら特に)。現代っぽい設定なので、マン喫ぐらい泊まるのではとか。むしろ個室で2人でポカポカするほうが、共感ありそう。


●五月十三日「それでも、つながっている」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/admwtjgmgm/13595/

いろいろと考えてしまう。「操を立てる」という儀式が倒錯してることに気づいたらけっこう怖い。中学生だし。でも主人公が男の子だとしたら、本音が見えづらくて、とても繊細な部分を扱っているのに理解しづらい。ヒロインは行動でなぞることができるのだけれども…。


【BL】※BL誌向けのもの。(上にもBLありますが、そういうわけです。)
●相野ココ「お兄さん貴方を奪います」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/ainococo2525/13247/

1枚絵で関係性がわかるのですが、兄が妹の方をチラ見してる感じがあるとなおよいのではと。「転」の部分で兄の過剰な心配ぶりが発揮されるのですが、ここが急すぎるなという印象があり……。あと妹の髪型は変えなくてよいのではとか。


【青春もの】

●鴫原一起「どうせまた」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/kuzikuzira/13565/

1枚絵がすごく「わかる」感じがします。だけど、最後の箇所って、もっと膨らませられるのではないかな〜とか思いました。作者が面倒くさくなってるようにみえて損な感じがします。

●多花森「山手線ぐるぐるサークル」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/takamori/13412/

1枚絵で雰囲気は出ていたけど「美少女日常系にありがち」から抜き出る何かがあればもっとよかったのでは。山手線の起点はサキちゃんかイケっちだと思う。よよっち(代々木)→にぽりん(日暮里)→めぐちん(目黒)という順番なら、何度もぐるぐるしてるとおもうのだけど「x周目」とか時間の経過がなくて、リアルっぽさが失われているのでは。

●碌縞ろろこ「ルナシスヲエーコ」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/loloco/13589/

1枚絵はちょっと弱いかもしれないけど、続きが単純に読みたい。意外とシスヲがイケてるので、それは大丈夫なのかなって(サブキャラ好きです)。それだけが心配です。ルナは「イケメン」なんだけど、もはやこれは発光する的なところに絞ってはいいのではとか。ルナの放つキラキラオーラで神経に電気が走る……とか。

【ファンタジー】

●ririro「水神憑」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/ririo100/13452/

1枚目で「きっとこれはなにかおどろどろしい奇譚が始まるな」という気配がして、それが貫かれている。ただ、妹の視点でずっと進むのかと思ったのですが、何かに憑かれているはずの姉が心の声を語っていて、それは正気っぽくなっていて混乱しました。影から妹が見ているのか…??


●グヤグヤナンジ「生霊(エナジー)の住む場所」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/guyaguyananji/13159/

1枚絵はわかりづらかったなぁと思うけど、それは作者の中で主人公が何者であるかが確立されていないからなのでは、とか。ただ、生霊であって「今」はどこかで生きているという点はいいなと思う。除霊モノで珍しいのでは。


●暮介「ラグナロク」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/guresuke/13546/

1枚絵は、魔女が行方不明の剣士を探しにいくのかなと思って(少年剣士がけっこうカッコいい)しまったけど「雰囲気」は感じました。コマ割が見やすいくて理解が早かったです。少女の表情にグッときました(むしろこれ、別の課題なのでは…!)。惜しむらくは、アピール文なので、シレッと出してみるとか、「途中で飽きる」という言葉は載せないほうがよいのでは…。

【不条理】

●蝶々ひらり「飼育員狂動物園」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/88hirari/13513/

この動物園は、すべての動物が飼育員狂だというのか。動物園全体を風俗に見立てたシリーズならお仕事マンガだけど、ファンタジーと思ったからです。このパンダだけじゃなさそうなので……。ぱんだが「らんま1/2」に似てるのは愛嬌かな。


●とねうら「スモウのこと」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/toneura/13398/

どうせならもっと相撲にむきあったうえでギャグにしたらよいのになぁなどと。スモウってスポーツじゃなくて興行ではないのか、いくら相撲ファンが増えても後援会はファンクラブじゃないんだぜとか。


【グルメ漫画】

●なは菜っぱの菜「WOW」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/pillow/13196/

しかし、この村はどこなんだろう?なんかそこが引っかかってしまって迷い道から出られなくなってしまった。「正直うまいかわからない。だがとにかく新鮮だ」というのは、ネタ元の通りにアリを食べた食感ならわかるけど、この伝統的な料理には不向きなのでは…。むしろ、昆虫食のグルメを追い求めるのは需要ありそうです。


【大人が子供を見ている】

●ハミ山クリニカ「MCアカチャンはおうたのじかん」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/kllinika/13578/

欲を言えば1枚絵にラストメンも見たかった。せっかくなので、心の声=ライムの韻が固くなったverだとノレるのでは。細かいのですが、これってタイムループで実家暮らしの母に養われてるのかな。ベイビーの声と大人の声の吹き出しがハッキリわかってもいいような…。

●とき ところ「for a good man.」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/honey821/13380/

1枚絵とネームのシンクロ率は低めかも…。ただ、どこかわからない外国の街で過ぎていくアイロニックな日常は、良い意味で心をざわつかせるので静かな刺激になります。ところで、「勝手に同じだと決めつけて説教までして」という乾いたセリフは時代に向けた言葉かもしれない。けど、子どもがいつも本当のことを言うなんて決まってないから、実は違ってたのかもよ、とわたしは思ってしまう。それはきっと少年の表情だと思う。(意図していないのかもしれないけど)。

●土屋耕児郎「蹄の歌を聴け」

https://school.genron.co.jp/works/manga/2019/students/namatsuchiya/13417/

村上春樹の変奏曲?と思いつつ読んでいた。なんか違う気がしてきたけど……。どっちなんだ。きれいごと言ってる教師の空回り感はあるあるだけど、田舎のじいちゃんがほんとは偉いっていうのもベタ設定。いや、キャラクター作りとしてはよいのだろうけど、「ヤンキーがほんとは一番優しいし人の心がわかってる」というヤンキー上等理論が好きじゃないので、個人的にはなかなか馴染めない。土屋さんの作品は、ストレンジャーへの風当たりが強いなぁって思う。


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