ハンサムなピルエット【YUKI】

デビュー20周年ツアーを駆け抜けたYUKIが、集大成としてリリースしたアルバム「パレードが続くなら」。
先行EP2作から6曲+新曲6曲。
既発曲が多いけど、新鮮な並びで聴くとまた違う味わいがあったり。

20周年の始まりにリリースされた「鳴り響く限り」は私の大好きな漫画、ダンス・ダンス・ダンスールのアニメ版主題歌として書き下ろされた曲。で、ありながら、YUKI自身の20周年の決意表明だったりもする。

訳もわからず どうしようもないくらい
夢中になる ひたむきに汗は流れる


素敵な予感に導かれて、どうしたってバレエを踊らずにはいられない潤平。死ぬまでドキドキワクワクしたいわと歌っているYUKI。舞台の上で楽しそうに魂を燃やす2人の姿が重なって、すぐに好きになった。


そして、この曲と同じタイミングで発表された「ハンサムなピルエット」。
バレエにまつわる言葉が散りばめられたナンバー、ダンスールにインスパイアされたのかなあとぼんやり思っていたのだけど……。
まさか、もう1人の主人公・流鶯のことを歌っているとは気づかなかった。YUKIちゃん早く言ってよ〜。

そうと知ってからもうこれは流鶯くんのキャラソンにしか思えなくなって、歌詞のこの部分は漫画のこのシーンを歌ってるんだなあと妄想が止まらなくなって、エッYUKIってば天才なの??ってなって、それでもってこうやってnoteを始めて駄文を綴るに至っているわけで。はい。

というわけで、大好きなYUKIの目を通して見た、大好きなダンス・ダンス・ダンスールの世界観を、私なりに勝手に考察などしていこうかという次第。


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1番Aメロ、Bメロ

守られるだけなら ノーサンキュー
連れていこうか 奪いたいんだろう?

ここはヒロイン・都への気持ちを語るターン。
おばあさまに家の中に閉じ込められ、抑圧され、クラシックバレエを踊るためだけに育てられた流鶯。
そんな流鶯に手を差し伸べたのが、同じくバレエをやっているいとこの都ちゃん。
「都は僕と踊るんだろう?」
「都は僕のお姫様になって一生守ってくれるっていったじゃないか」
幼いころの約束を、中学生になってもずっと信じている流鶯が何とも幼くて脆い。

初恋の相手が、主人公の潤平にかっさらわれようとしているんだから、そりゃあ思わず「連れていこうか 奪いたいんだろう」ってなっちゃうよねぇ。



2番のAメロ

8月の気怠さ 落ちこぼれさ ぶれすぎのポジション
つま先なら 修羅場 白い風車 走る ドン・キホーテ

ここ!!!ここの歌詞!!!
もろに生川サマースクール編じゃん!!!!
YUKIちゃん早く言ってってば〜〜!!(再)

五代バレエスタジオの汚名を返上するため、生川バレエ団に道場破りに行った流鶯と潤平。
流鶯が野猿と見下していた潤平は、生川バレエ団にその才を認められていく。一方、コミュ力皆無で演技にムラが多い「落ちこぼれ」の流鶯に対しては、周囲の目は冷ややかだった。

つま先なら修羅場…ピルエット対決の象徴。
ドン・キホーテ…ライバル潤平の十八番の役柄。


こんなにもはっきり漫画のストーリーをなぞっていたのね。くうぅにくい。



なんといっても、ライバルの潤平への闘志剥き出しのサビがエモい。

舞い上がれ 高く高く 光る夜空の 星より高く
その態度次第 吸い込まれそう
ブラックホールでも すでにウェルカム


バレエの世界に没頭してイッちゃってる状況を「星が爆ぜた」と形容する潤平。
そんな光る夜空の星(=潤平)より高く高く舞い上がれ!
深くて果てしなくて先が見えないバレエの世界に吸い寄せられてしまう流鶯の熱い一面に、どうしたって心揺さぶられてしまうフレーズ。

這い上がれ 僕は天使でも悪魔でもかまわないんだ
嘘つきで上等さ 回れ ハンサムなピルエット

白鳥の湖の悪魔・ロットバルドの姿を思い出さずにはいられない歌詞。(カラスみたいな衣装だったけど、流鶯が着ると美しいんだよな……。潤平の王子は猿だったのにな……)
清廉潔白の王子だろうが、王子と姫を引き裂く悪魔だろうが、どちらにせよ 潤平と全力で対峙するのは変わらないわけで。
初共演の白鳥の湖。王子・潤平 と 悪魔・流鶯が舞台の上でバチバチの演技をやり合う(殺り合う?)鬼気迫るシーンが思い出される。

流鶯にとってバレエとは、好きで始めたわけではなく、おばあさまやお母さんに愛されるための術だったもの。
それに対して潤平のバレエは、最上級にわくわくびりびりときめいちゃうもの。
流鶯は潤平の技術や素養のなさを見下す一方で、
彼の《純粋なバレエ》に憧れていると思うのよ。
自分自身にはないライバルの魅力を認めた上で、「嘘つきで上等さ」と己のバレエ精神と向き合って牙を剥く姿がカッコすぎんか……!



跳べるならば 赦される
よそ見をせず 僕だけ見て

6連符?3連符×2? のCメロ(音楽分からぬ)
横揺れになるトリッキーなところ。

真鶴お母さんは新しい家族と幸せに過ごしているし、おばあさまは流鶯を「真鶴の代わりのバレエダンサー」としか見ていないし。
認められたいし愛されたいし赦されたいから、流鶯はひたすら踊るしかない。

頑なで変に強気な流鶯が、急に漏らす弱音。好き。


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YUKIの描く「溢れだしちゃいそうな、無敵な10代」と、ジョージ朝倉が描く「少し影があって危うい10代」。どっちもひりひり痛くてせつなくて大好き。

「ジョージ朝倉のアニメ化の主題歌、YUKIが歌ってるよ」
ビレッジバンガードでYUKIのgirlyシリーズとジョージの溺れるナイフを買っていた16歳の私に教えてあげたい。


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2月に書き始めたこの記事、ずっと放置していたのだけれど……

little night musicで流鶯くんのことを話してからハンサムなピルエットを歌うYUKIちゃん最高でした。
「お題がある歌詞を書くのが苦手だった」ってMCで話していたけど、原作へのリスペクトが伝わってくる素敵な歌詞だなあって改めて実感したよ。

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