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言葉と心【sumika】

sumika Live Tour 2022-2023
Ten to Ten
2023. 2.18, 19 日本ガイシホール

ファイナルシリーズ2days・愛知公演に参戦。
声出し解禁後初のテンテン。(大阪行けなくなったからね!!!!!体調管理!!!!くそ!!)
んま〜〜楽しいなんてものじゃなくて。
「ねぇ!」も「アイヤイヤイヤイ」も「ふらっわー!」も「中に出して!」も「wktkwktk」も全部言えたの嬉しすぎておかしくなっちゃうかと思った。

中でも忘れられないのは「言葉と心」のシンガロング。
テンテン奈良・テンテン岐阜・緑黄色夜祭・メリロと、2022年下旬に参戦したsumikaライブで毎度演奏されていて、「ああ、これも定番になっていくんだな〜」とぼんやり思っている程度だった曲。音源もさらっと聞き流すことが多かったし。

それなのに。

セミファイナル、ファイナルで聴いた「言葉と心」は、過去1番に自分の胸にダイレクトアタックしてきてやばかった。どばどば心に流れ込んできた。
片岡さんのMCに自分のいろいろを重ねてしまって、あの曲が自分のためのものになってしまったのだ。ライブって魔法だ。



「もっと言葉を正しく使えていたら、今でも続いている縁があったかもしれないのに。大切な人ともっといられたかもしれないのに」

片岡さんのこんなお話から思い出すのは、2019年の自分。(ここからスーパー自分語りタイムです読み飛ばしていいよ)
既にもういい大人だったくせに、私は言葉の使い方を間違えて、人生最大級の縁をひとつ失ったばかりだった。自分のことを死ぬほど嫌いになったし、訳もなく泣けてきたし、「はあ〜〜〜ん、こんなゴミカス人間が生きていくには人生なげえな〜〜??」って自分のそれからを悲観していた。
「あのときあんな言葉を言わなければ」
「もっと上手に伝えていたら」
いろんなたらればに押しつぶされて、己の発する言葉にとても敏感になっていた。そんなセンシティブ・ガールな時期があったんですよへへへ。


そんなやさぐれ社会人をやっていたときに、「夏フェス行こうよ!」と誘ってくれたのが当時の同僚。
過去に何度か誘われても「フェスなんてパリピが行くところだから行かない」と頑なに断っていたのだけど、いかんせん当時の私は自己肯定感が過去最低値。「全然自分らしくないことして、自分じゃない人間になってしまいたいな〜」という爽やかじゃない理由でラブシャについて行くことに。

この気まぐれがsumikaとの出会い。


1.2.3..4.5.6で指折りカウントしてはしゃいで、Loversのスーパー給水タイムでかわいい〜ってなって、Travelingのハンドマイク片岡さんがお立ち台の上で遠くまで手を振る姿に軽率に恋をして、「えっ……ていうかギターの男の子かわいすぎん……?犬なの……?」ってにやけて。
楽しそうに仲間やオーディエンスと音楽をする姿、その人懐っこさに強烈に惹かれたのをよく覚えている。

それから帰って速攻sumikaのCD借りて、誘ってくれた同僚といろいろ遊んでいる間にメンタルもすっかり浮上して、なんやかんや今に至っているわけです。山中湖、これが私のアナザースカイ。


話はテンテン愛知に戻って。

「言葉と心」を歌う前の片岡さんの言葉から、sumikaと出会うちょっと前の自分のことをどうしても思い出しちゃって。言葉の使い方を知らなくて、生涯続くと思っていた仲が壊れてしまったばかりのこと。(今となってはその縁自体はもう全然どうでもいいのだけど、あの当時のように自分を愛せなくなるのはもう二度とごめんだね)
それでもあの別れがなかったら、夏フェスなるものに出向いてsumikaにも出会わなかった。そう考えると、あのとき言葉の使い方をしくじって失った縁もまた運命だったのかなと。

古傷にウッとなりながら聴く「言葉と心」。
「ことばとこころ ことばとこころ」と繰り返し声に出す度に、いつかの愚かな自分を許してやれるようになったのはsumikaのおかげなんだよな……とぐっときてしまった。

片岡さんはよく「sumikaはたくさん傷ついてきたバンド。失敗してきたバンド」と話しているけれど、だからこそ私のいつぞやの大きな失敗を受け止めてくれるのだろうなあ……。その包容力、嫌いじゃない。むしろ愛してるぜぇ(しゃけ)



「心の言葉で大事な君と向き合いたいのです」

脳天直撃してきた、ラストのキラーフレーズ。

「大事な君」って、幼稚園児でも分かるようなどストレートな言葉。あまりにさらりと飾り気がないから、ぼーっとしていたら聞き流してしまうようなシンプルな歌詞。
そんなありふれた言葉を、理屈っぽくて捻くれ者の私が素直に受け止めることができたテンテン愛知。それはきっと、「大事な君」という言葉の入れ物に入った片岡さんの心に嘘がなかったからなんだろうな……と思う。

濃密な愛情をぎちぎちに詰め込んで、思いっきり投げてくれた片岡さん。「伝われ!!」ってあんなふうに全力で叫ぶのずるかった。
あなたの「大事な君」でいさせてくれてありがとう。心の言葉で向き合ってくれてありがとう。




はい。そろそろ結びの部分です。
ここから大サビです。


片岡さんの「言葉は入れ物。中身は感情。言葉は透明の入れ物のようなもので、大切なのはその中に何を入れるか」というお話。
そうは言われても、私はやっぱり言葉が好きだから、その入れものを集めてしまうのはやめられないと思う。
詩的で回りくどい比喩表現にわくわくするし、小難しい言葉を捏ねくり回してしまう性分だし。「言葉」は飯を食うための自分の商売道具だから、いつだっていろいろ取り揃えておきたいし、一生かけてじっくり仲良くしたい。

ただ、そこに入れる「心」の部分も、なるべく濃度の高いものにしておきたいな。
本当に私という女は心がブスだからねぇ……。妬み嫉みでできていて、どろどろ濁りきっている。そして人間が薄っぺらい。
いつまでたっても急発進・急ブレーキでうまく乗りこなせない我が心。


ことばとこころ。
私のそれは別々の場所にあって、ちぐはぐになってしまうことが多い。でも、このふたつがバチコーン!!ってはまって相手に届いたとき、どうしたってうれしさに震えちゃう。
こころのことばって、きっとそういうものなんだろうな。あの尊い瞬間のために「なんかちがうな、これでもないな」って悩みながら選びながら生きていきたいものだ。

大切な曲がまたひとつ増えたテンテン愛知。
心の言葉で、大事な君と向き合えますよう。

2023年2月  アヤノ



sumikaとスピッツ隣り合ってるの愛だね









ここから余談。

本名に1ミリもかすっていない名前を名乗り、自己顕示欲の塊のくせにSNSに自分の写真をほぼほぼ載せない私。
片岡さんが「言葉を教えてくれるけど、言葉の使い方は教えてくれなかった」と嘆いていた場所に勤めているからでして。身バレ、ダメ絶対。

そして担当は国語。ええ、がっつり「言葉」を教えるお仕事ですね。笑ってやってください。
片岡さんがMC中「言葉は教えてもらったけど、言葉の使い方を教えてくれなかった」と言う度に、なぜか自分がちくちく責められているかのような気持ちになってしまって。笑
「国語の指導だけじゃなくて、道徳も頑張らないとな……。たしかに道徳の授業が苦手な同業者多いもんな、そりゃあ言葉の使い方が身につかないわけよ……」と、無駄に反省の念が強くなっておりましたとさ。

言葉(国語)と心(道徳)、どっちもしっかり教える力量を鍛えてまいります。

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