次の季節を待つように
と、太宰治が書いていたなぁ、とふと思い出した。
ダンジョン飯のアニメ二期が決まったときだ。
ちいさな楽しみを積み重ねると生きていけるなぁ、と意識的に気づいたのは大人になってからだけれど、子どもの頃から本や漫画、アニメや映画、音楽などにずいぶん助けられてきたと思う。新刊が出る。気になっていた映画が公開される。好きな作者の最新作が出る。ライブのチケットが当たった。それまでは頑張ろう、と思う。
ねむれない夜に読み返す本のひとつがダンジョン飯だった。
家族でも恋人でも友だちでもないメンバーが、一緒に旅をして食卓を囲む。深刻になりすぎず、けれど何か心にひとつ投げ込まれたような気持ちになる。こういう「名前のつかない関係性」が丁寧に描かれる作品を、最近特に好むようになった。誰かの出来ないことが、誰かには出来るーーーという、単純だけれどもたしかな存在意義が紡がれる物語が心地よい。
眠れない夜に、そんな心地よい物語を咀嚼して、アニメ二期の放映はいつかなぁ、と、またひとつちいさな楽しみを未来に置いた。
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