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グランドセイコーの時計を買った話

あけましておめでとうございます。限界アラサーえりりんごです。2022年がやってきました。相変わらず太々しく我々の社会に鎮座ましましているクソコロナ菌はオミクロンとかいう別形態にプリキュアフォームチェンジし、マンボウの楽しげな音色が少しずつ聞こえてくるようになってまいりました。皆様におかれましても元気にお過ごしでしょうか。

早速ですが、最近私はハマっているものがあります。それは時計です。このブログでは普段から色んな好きなものについて書いているのですが、今日は初めて時計の話をしてみたいと思います。

バカ高い買い物をした

時計といえば置き時計と腕時計がありますね。他にも日時計や砂時計、原子時計などアカデミックなやつを数えればいろいろありますが、まあ私たちの生活で関係あるのは冒頭の二種類でしょう。

私はもともと腕時計が結構好きです。なぜなら男性が許された数少ない宝飾品であり、ファッションに合わせて時計を変えたり、自己表現のために時計を選んだりと、さまざまな楽しみがあるからです。人がどんな時計をしてるか見るのも結構楽しいよ。この人は他者にどんな風に見られたいと思ってるのかな……と勝手に想像しちゃいます。

そんな中でも、ここ数年間ずっとほしいと思っていた時計がありました。それがこれ、グランドセイコーのスポーツコレクション、SBGN005です。

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この時計については色々な理由で憧れがあり、購入のタイミングをずっと伺っていました。2021年は転職など動きの激しい一年となり、また20代最後の年の節目でもあったことから、大枚を叩いて購入しました。割とエントリーモデルだし、昔クルマ買った時を思えば大きな買い物ではないものの、それでも貧乏性が抜けない自分的にはかなり厳しく、キャッシュで支払った時は手が震えましたハハハ……

グランドセイコーについて思うこと

グランドセイコーは元々SEIKOの高級時計ラインで国内用製品でしたが、2年前くらいに独立ブランドになり、海外展開も始まりました。その特徴は実用時計としての性能と、日本の美意識……らしいです。

■諏訪湖の御神渡りをイメージした時計

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■諏訪の御射鹿池…?をイメージした時計

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……だめだ、全然わからん。長野県出身で、中信地方にも住んでたことがありますが、御射鹿池、行ったことないな...最近は暖冬で御神渡りも起きてないし、今更信州の観光地をこんな神聖化されてもちょっと恥ずかしいです。。

もともと私自身、どちらかというとリベラル気取りです。富士山、桜、日の出る国、日本の英霊…みたいなの超苦手だし、自民党員の父親と酒を飲むと考えが真逆すぎて喧嘩みたいになります。靖国神社も行ったことないし、日本すごい!系のテレビ番組が流れると死んだ魚の目をします。時計だって元々はスイス製のものが欲しくてTissotとか買ってました。あまり日本人としてのナショナリズムを高揚させられることのない人生だったのです。

日本人なら

ある日、日本製の時計にふり向かされる出来事がありました。3年前の冬、初めて行った海外出張先(テキサスのダラス)でホテルのロビーに集まり、同日にサンノゼから来てた現地のプロジェクトマネージャの人と打ち合わせをしていた時のことです。そのPMのアメリカ人は右腕にアンティークのオメガ・スピードマスター・ムーンウォッチをしていました(昔、NASAと一緒に月に行ったモデルの時計です)。

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(社外品の黒レザーに替えてあってめちゃセンスあった)

「その時計めちゃめちゃ良いですね、似合ってます」と伝えたところ、本人もやはり時計好きだったらしく、しばしの時計談義になりました。曰く、「当然、時計産業においてはスイスが一番。アメリカの時計産業はほぼ死に体(ハミルトンも現在はスイスが本拠地、タイメックスも低価格帯がメイン)。でも日本は有名なウォッチメーカーがある。自国の時計を選べるという選択肢が残っていることは素直に尊重すべきだ

初めて、日本製の時計のことを考えた時でした。

時計とはストーリーを買うもの

グランドセイコーの生産拠点は大きく二つに分かれています。機械式時計は岩手県の雫石にあるグランドセイコースタジオ雫石。その他のクオーツ時計やスプリングドライブの時計は長野県にある信州 時の匠工房です。私が今回買ったモデルも信州で製造されました。確か塩尻に工場があった気がする。

グランドセイコーの海外での評価は、その他のスイス発祥の時計メーカーと比べるとまだまだ伸び代がある状態です。信州で生まれた時計の出来は本当に素晴らしいです。高い精度、綺麗な仕上げ、時計として魅力的なところがたくさんです(日本の美意識シリーズはやっぱ好きじゃないけど!)。まだまだ資産価値が低いとか、ロレックスに質もセンスも及ばないとか、ラグジュアリーブランドにはなりきれていないとか、色んなことを言われながらそれでも、それでもと言い続けて、世界に向けて挑戦しているブランドの姿に、素直に共感を覚えました。

私も外資系云々、IT系云々とイキリ倒してきた20代でしたが、生まれは信州・長野県のしがない農村です。29歳になり、語学力に強みがあると言いながらも、実際中身が伴っておらず、自己評価も他者評価もまだまだだと思っています。グローバル案件でも国内案件でも力が足りず悔しい思いも沢山したし、日本の商習慣が通用しなくて悩んだことも沢山ありました。それでも長野県で生まれたこと、日本で育ったことを忘れずに、世界の水準で評価される、さまざまな国の人と協業して成果につなげることができるビジネスパーソンにいつかなりたいと強く思っています。

今、グランドセイコーの評価はグングンと上がっています。Watches and Wonders 2022への参加、ジュネーブ時計グランプリでのメンズウォッチ賞の受賞など、まさに時計界の大谷翔平って感じです。10年後にはかなりブランドイメージも向上して、スイスの時計ブランドに肉薄したりしてるんじゃないでしょうか。わからないですけど。

自分も10年後は39歳です。流石に大谷翔平バリの活躍は厳しいですが、きっと出世して、部下も持って意義のある仕事をしてるんでしょうか。家庭とか持ってるんでしょうか。将来は全然未知数ですが、同じ信州生まれの国産時計と一緒にグローバルを意識して頑張るの、ちょっとロマンがあると思いました。まだ未熟な自分に、時計が同伴者として一緒に頑張ってくれる。これからどこに行っても、自分の出自を思い出させてくれる。10年後、20年後に良い時計してるね、良い仕事してるね、と言われることが増えたらいいなと思います。定年を迎えたら、いつか長野に帰りたいとも思っています。

次に欲しい時計

せっかく新しい時計を買いましたが、もう次の時計が欲しいです。自分にとってほぼ新しい趣味になった時計ですが、まさかこんなに深い沼だとは……

■ROLEX OYSTER PERPETUAL 41

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時計のこと詳しくなる前は「ロレックス=金持ち」「富と成功の象徴」「数キロメートル先からでも周囲に成功者であることを主張する飾り」みたいなイメージでした。実際は真逆で、派手な中身はなくとも実直な時計作りをずっと続けてる素敵な時計ブランドです。特にこのオイパペ、デイト表示もないシンプルな三針で上品で大好きです。現在ロレックスは相場が上がりまくっていて、正規店も在庫なし、並行店も定価の1.5~2倍みたいな異常事態です。いつかこの相場も崩れる時が来ると踏んでいるので、数年後?やってくるその時を待ちたいと思います……ロレックスマラソンする労力は私にはないです。そんな時間あったらサイクリングするか、裏なんばのマッコイで焼売食べて熱燗飲んでたいです。

■BELL & ROSS BR-05 GMT

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これはフランス発の比較的新しいブランド、ベルロスのラグジュアリー・スポーツ風ウォッチです。これとは別のモデルですが、ドラマ「結婚できない男」で建築士役の阿部寛がしてた時計がベルロスでした。この時計をすることで私も本当に結婚できない男になる可能性がありますがそんなこと知りません。まだ実物を見に行っていませんが、ダイヤルも見やすくて可愛く、GMT針もアクセントになってます。そもそも仕事上、時差の計算をしながらミーティングをセットしたりするので、GMT針があるだけで直感的に時差がわかって本当に便利なのです。ただ仕事中にするなら少しカジュアルめの日になるかもです。かっちりした場面はグランドセイコーの出番だ。

■IWC SHAFFHAUSEN INGENIEUR

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IWC欲しい。毎日IWC欲しいって思いながら眠り、「おはよう、IWC欲しい、朝だ」と思いながら朝日を浴びてます。特にインヂュニア(英語でエンジニア)が欲しく、この程よいドレス感と実用時計感、本当に素晴らしいです。IWCの時計している人、絶対ブランドひけらかす系じゃないし、嫌味が一切ないし、それでいて時計好きのツボ抑えてるし、素敵だ……と思います。

■GRAND SEIKO SLGH005

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これはグランドセイコーの機械式ムーブメントのモデルで、ダイヤルの模様は白樺の肌の様子を表現しています。これ、実物見ましたがマジで格好いい。全ての平面がキラキラしてて、腕に乗せた時の高揚感も凄い。値段も相当しますが、これが手に入ったら本当にワクワクするんだろうな……この白樺モデル、イマイチどんな場面ですればいい時計なのか分からずイメージが湧かないですが、やっぱりアツいです。

そんな訳で、いま時計熱が大変なことになっています。時計の話したくてウズウズしてるので、時計オタクがどこかにいないか虎視眈々としながら日々を過ごしています。皆様も素敵な時計ライフをお過ごしください。時間なんてスマホでわかるのに、敢えて時計をするこの無駄を楽しんでいきましょう。

かしこ

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