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テキストカバレージ「音速CS2ブロック決勝戦」2023/6/15 ーデーモン・オブ・ハイパームーン環境総決算 2ブロック最強の名を欲しいがままにするのはメカか、頂天を司るゼニスかー



王道編が開幕してから2ヶ月。王道編のデュエルマスターズは間違いなく2ブロックフォーマットの環境を変えた。

ハイパーモードという新ギミックの登場により、低コストのカード同士の掛け算により序盤から高い出力を発揮するようになったことは、これまでのカードデザインとは明らかに異なることだろう。

そしてその恩恵を最も活用でき、2ブロック最強の名を欲しいがままにするのが、環境トップたる光闇メカ。
<獲銀月 ペトローバ>の登場は間違いなくこのデッキをワンランク上へと押し上げた。

これにより、カード1枚1枚のスペックが高く、面展開が得意であり、<DARK MATERIAL COMPLEX>まで自然に採用出来る光闇メカは環境を席巻している。



この対抗馬とも言えるのが闇自然ゼニス。
水晶マナを作りながらカードパワーが高いゼニス・セレスを使って制圧していくデッキだ。

6月の中旬までは主にこの2つのデッキが2大巨頭として2ブロックフォーマット牽引していた...…のだが。
ある一人の男がメタをかえた。


昨年は最強の水闇サガループを手にCSに数多く入賞したデュエチューブ常連のチームSAGAのプロが火水マジックを手に入賞すると母数が増加。もともと光闇メカには不利がつくが、闇自然ゼニスには有利がつくデッキなので、メタの一角として環境に返り咲く。

考えてみれば、2ブロックの火水マジックはサガループと共通点が多いのだ。

・2ターン目までに相手が踏み倒しメタを出してこない
・3ターン目に2コストのマジック+<芸魔隠狐カラクリバーシ>+<特定のカードの役が揃うと勝利に直結する
・Sトリガーを踏まない

この条件が揃った瞬間、3キル可能の爆発力を見せつけて勝利まで直行出来る唯一性を持っていたことが見直された。<飛翔龍5000VT>や<灼熱の演奏テスタ・ロッサ>が使えないだけであって、ドローソースが多く、基盤が強いデッキだあることには変わりなかったのだ。
2ブロックの火水マジックのその姿は、かつてのDOOMサガループの面影を感じることが出来る。

これにより2ブロック環境はじゃんけんのような3すくみ環境へと突入。新弾発売前の環境の総決算として、今日優勝を飾るのはどんなデッキか。






デーモン・オブ・ハイパームーン環境総決算 2ブロック最強の名を欲しいがままにするのはメカか、頂天を司るゼニスか


川崎での開催となった音速CSで決勝戦を戦うのは、東京都のブライトンと埼玉のtanin。


ブライトンはいわゆる殿堂ゼロフォーマットを長年研究している、その道の第一人者。
昨年デュエチューブ公式で行われた殿堂ゼロ王決定戦で優勝したのを覚えている方も多いのではないだろうか。


限定構築である2ブロックとは正反対にあるフォーマットである殿堂ゼロの世界よりも、使用可能なカードプールが圧倒的に狭い2ブロックでも持ち前のデッキセンスは光るようだ。


対するは埼玉県のtanin。もともとタカラトミーより発売されているウィクロスなどのカードゲームをプレイしていたが、今年度からは2ブロックの世界へ。
仲間である黒箱の活躍に感化されたか、彼に倣って光闇メカを使用していたら決勝戦まで駆け上がっていた。

この対決は採用カードの差によって多少の変化はあるものの、それぞれのデッキに明確な勝ちパターンがある5分の勝負。勝つのは果たして。


GAME1


ブライトンの先攻でゲームは始まるが、ブライトンはロケットスタートを切る。

2ターン目、<「この私のために華を咲かすのだ!」>からの、



3ターン目、<シャングリラ・クリスタル>!!!

高速で水晶マナが3枚生成され、はやくも次のターンには引いたゼニスを召喚することが出来る状態になる。


対するtaninは3ターン目に<獲銀月ペトローバ>を召喚する。2ターン目にメカを出せなかったのが痛いが、次のターンの展開へ備えることが出来る。



ブライトンの4ターン目。早速現れる<「戦鬼」の頂天ベートーベン>!!

召喚時の効果で水晶マナと手札を確保する。あとはあのカードを召喚すればゲームセットだ。


対するtanin は4ターン目にようやくフィニッシュに必要な<DARK MATERIAL COMPLEX>を召喚。

そしてここからハイパーモードと革命チェンジによるメカの展開が始まる。


tanin
は<獲銀月ペトローバ>をもう1体召喚すると前のターンに出した<獲銀月ペトローバ>をハイパーモードに。そして<獲銀月ペトローバ>が攻撃に向かう時に<ドラン・ゴル・ゲルス>へと革命チェンジ。場に出た時の効果で手札に戻った<獲銀月ペトローバ>を出し直し、ハイパーモードの<獲銀月ペトローバ>の攻撃時の効果で2体目の<ドラン・ゴル・ゲルス>を場に出すと、また<ドラン・ゴル・ゲルス>の効果で<ヴェネラック-F5>が場に。


気づけば盤面にクリーチャーが5体送り込まれている。<ドラン・ゴル・ゲルス>は<「戦鬼」の頂天ベートーベン>とのバトルで破壊されるが、<DARK MATERIAL COMPLEX>の下にカードが送られる。とりあえず面展開には成功したので、一旦ブライトンにターンを返す。


ブライトン
の5ターン目。ゲームを一方的に終わらせるゼニスが召喚される。その名は<「異形」の頂天 クリス=ゼ=ブブ>。

このカードが場に出るとバトルはパワーではなくコストで比べられるようになる。
通常であれば<DARK MATERIAL COMPLEX>と<「戦鬼」の頂天 ベートーベン>がバトルすると<DARK MATERIAL COMPLEX>が乗り越えてしまうが、<「異形」の頂天 クリス=ゼ=ブブ>がいることで<「戦鬼」の頂天 ベートーベン>がプレイヤーを守る要塞と化す。黒緑ゼニスはこの2ヶ月で急速にリストが洗練されたのだ。
そしてブライトンは<「戦鬼」の頂天 ベートーベン>で<ドラン・ゴル・ゲルス>を討ちとらんとアタックし、タップ状態にしてターン終了。




ほとんどゲームセットに近い状況になってしまったtaninだが、1つだけ突破方法がある。それは1ターン中に<アーテル・ゴルギーニ>を2体出し、マイナス効果で<「異形」の頂天 クリス=ゼ=ブブ>を破壊することだ。

だが、メカは10マナまで溜まらないデッキであることを考えるとこの要求はかなり厳しい条件であり、ブライトンが<偽りの名ワスプメリサ>を場に出すよりも速く<アーテル・ゴルギーニ>をドローしてかつ、<DARK MATERIAL COMPLEX>の下から<アーテル・ゴルギーニ>を出す以外にない。

taninのターン開始時。<DARK MATERIAL COMPLEX>の下に入る<アーテル・ゴルギーニ>。第一関門クリア。

そして運命のドロー。








引いたのは3コストのカード。求めていたものではない。仕方ないのでtaninは<ドラン・ゴル・ゲルス>を召喚し、効果で<アシステスト・アルデッド>を場に出して1ドロー。ここでも<アーテル・ゴルギーニ>は姿を見せない。ターンエンド。


今度はブライトンがカードを引く。
引いたのは<偽りの名ワスプメリサ>ではない。

だが、ブライトンは<呪華のサトリ カナザー>を召喚し、<「戦鬼」の頂天ベートーベン2体目を持ってきてこれを召喚。


<偽りの名ワスプメリサ>がブライトンの手札に駆けつける。

次は最後のターンだとばかりにブライトンが死刑宣告を突きつけてtaninへターンを返す。



運命のtaninのターン。


ドローしたのはピーピングハンデス出来るアビスロイヤル。<偽りの名ワスプメリサ>が墓地へ叩き落とされる。

なんとか望みを繋いだtaninはターンエンド。



だがゼニス・セレスは無慈悲にもtaninを絶望の淵に突き落とす。

<「異形」の頂天 クリス=ゼ=ブブ>2体目の召喚。それはこのゲームを決定づけるには十分すぎた。

あとは語るまでもない。ブライトンが<偽りの名ワスプメリサ>を再びドローするとゼニス・セレスが一斉攻撃する。

デーモン・オブ・ハイパー・ムーン環境を勝利で終えたのは、<DARK MATERIAL COMPLEX>を対策しきった闇自然ゼニスだった。おめでとう!ブライトン!!


               WINNER ブライトン






あとがき

どうもこんにちはこんばんは。Feiです。

もともと自分がカバレージを書いていたのは、2ブロックフォーマット普及の意味合い&やわたCSに付加価値を持たせたいというところがスタートなので、他のCSではやってきませんでした。ところが.…


ジャイロ 「同じ試合を2人で書いてみたら面白くない?」

ぼく  「は??????」

いや、あんたはめっちゃ公式でやってる経験者ですよね?俺、趣味でやってるだけなんだけど?

カバレージなんて同じ対戦の流れを2回書いても意味なくない?と思っていたし、「1人が記録を取ってその人が書いて終わりで良くない?」と思っていましたが、同じ題材を複数の人が書いたら、書き手によって内容がどれほど変わるのか?というのも興味があったので、コラボ回としてやってみることにします。まぁ音速CSはやわたCSの親戚みたいなもんだからいいや。

これでぼくの日曜日は消滅したも同然なのだけが問題だった.....。


ジャイロ選手の書いたものはこちらです。よければ見てみてください。
これを書き終わってから見ましたけど、人の文章の癖ってめっちゃ出ますね。
ぼくはカバレージが公文書や学術文献みたいに文字がびっしり埋まってると目眩がしてくるタイプなので、ターンプレイヤーごとに間を空けたりめっちゃ改行しちゃいますけど、文章の正しい書き方からはかけ離れた邪道とも言える手法なんですよね。一応正しい文法ではないと思いながらやってはいます。


めっちゃ改行してる時があるのは余韻を表現したいというか、カードを捲る時の間というか、スクロールの時間をかけさせることで時間を作って再現しているつもりです。(まぁ読む人の端末によって差は出るんだけど。)
だってみんなTwitterの240文字以上のツイートをずっと読んでられます?
まぁコメントで感想を送ってもらえるとジャイロくんも喜ぶと思うのでよろしくお願いします。公式さん、俺はエリア予選でカバレージライターしたいですよ?ご連絡お待ちしております。


                    おわり




ぼくは引きが弱いので水晶マナを作れるカードをこんなに投入してるんですけど、優勝リストを見た時は目眩がしました。俺、デュエマ向いてないのかな.…
リストの話はいつものプレミ記録noteの方で話します。書く予定なかったカバレージで疲れたのに今週は6連勤だよ、はーーーーーーーーーーーーーー労働は○ス。


ジャイロくんが2ブロしに来たので本戦に行ってからずっと後方彼氏面して試合を見てました。2ブロックを好きになって帰って欲しかったからエール持って帰れててよかったよかった。メカはSトリガーがコブラくらいしか全然入ってない受けペラッペラなデッキだってことを教えなかったのはすまん....。




                 ほんとにおわり

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