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テキストカバレージ「やわたCS2ブロック」2024/7/13 -最強の盾たる超光喜エルボロムに真っ向勝負を挑む、最強の矛たる芸魔王将カクメイジン-



王道編の開幕を告げたデーモン・オブ・ハイパームーン環境も終わりを迎え、2ブロックフォーマットの環境も研究が進んでいたなか発売された王道編2弾。
新弾であるカイザー・オブ・ハイパードラゴンに収録されたカードは環境を一変させた。

<終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン>を筆頭としたボルシャックの新規カードは、火光アーマードメクレイドを環境レベルへと押し上げ、それまでの環境トップだった光闇メカへの対抗馬として名乗りを上げた..…のだが。


2ブロックフォーマットに大きな影響を与えたのは<終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン>ではなく、このパックのもう一つの顔ともいえる光水の超化獣だった。その名を<聖霊超王H・アルカディアス>。

今年度の2ブロックフォーマットでは、<鎧機天シロフェシー>しか呪文をロックするカードが存在しなかったが、とうとう全ての呪文を封じる効果を持つカードが登場したことで、光水ゴスペルや水自然ゼニスといった呪文を主体にソリティアするデッキの大半は環境から駆逐されていった。

それだけではない。<超光喜 エルボロム>の登場によって、光と水を採用できるデッキの防御性能がワンランクアップした。1ドローしつつ好きなSトリガーをセットできるこのカードの影響度は、相手のSトリガーをケアする方法が限られている2ブロックフォーマットではより大きいものとなっている。





そしてこれらをすんなりとデッキに取り込むことができるフィニッシャーがある。

はい。いつもの彼である。

こうして防御性能、封殺性能、押し込み性能の全ての面を克服した光水闇のコンプレックスは2ブロック環境を瞬く間に侵略。直近のCS会場ではミラー戦が多発し、対戦時間が長くなるほどだ。


この要塞ともいえるデッキを倒せるデッキは現れるのか。






最強の盾たる超光喜エルボロムに真っ向勝負を挑む、芸魔王将カクメイジン



今回の対戦カードは埼玉県のラザニア3siron.

siron.は直近ではあまりCSに出ていなかったが、以前から2ブロックフォーマットのデュエルマスターズをやってきた経験者。筆者は存じ上げなかったが、現在はチームGiGOのプロゲーマーとしても多方面で活躍している。

そんな彼が今回相棒として選んだのは、2ブロック環境のメタの一角を担う、火水マジック。<単騎連射マグナム>や<ファイナル・ストップ>といった相手のSトリガーを封じるカードが使えないながらも、デッキの基盤が強いこのデッキで勝ち星を積み重ねている。



一方の埼玉県のラザニア3は今年の4月から2ブロックフォーマットの研究を始めたプレイヤー。今日は光水闇のコンプレックスを使っているが、この2人は予選の段階で1度対戦していたらしい。


ラザニア3 
「実は予選の時にあたってるんですよね。

siron.「で、その時はデッキの相性もあって負けてます。」

2人が語っているように、マジックとトリガーがたくさん入っているコンプレックスが戦えばコンプレックス側が有利だろう。逆転が起きる要素を持ち合わせるカードがたくさん入っているのだから。

だが、デュエル・マスターズでは何が起きるか分からないから面白い。Sトリガーからの大逆転も有れば、トリガーが1枚もなかったことでブレる試合もあるのだから。





GAME1



先攻を取ったsiron.は2ターン目に<歌舞音愛 ヒメカット / ♪蛙の子 遭えるの何処?好きと謂ひて>召喚、3ターン目に<氷柱と炎弧の決断>で手札を入れ替えるところからスタートする立ち上がり。




対するラザニア3は3ターン連続マナチャージのみ。手札には4コスト以上のカードがたくさんある。






 4ターン目を迎えたsiron.は<Napo獅子-Vi無粋 / ♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い>を4マナで召喚し、手札を1枚捨てて2ドロー。手札には<芸魔王将カクメイジン>があるのだが、攻撃するか考える。


siron. 「今ならアーテル踏んでもいいから、行くか〜」


 墓地から蘇生できるカードがないうちに攻め込むことを選択したsiron.は<芸魔王将カクメイジン>を革命チェンジで場に送り込み、ブレイクが通るか確認したのちに呪文を2枚使用する。


1枚目は<氷柱と炎弧の決断>を唱え、手札にない<瞬閃と疾駆と双撃の決断>を探すためにドローモードを2回選択。

だが、デッキを半分ほど削ってもsiron.が求めているカードはやってこない。試合後に確認した情報を先にお伝えしてしまうが、siron.が3ターン目にマナチャージした<瞬閃と疾駆と双撃の決断>のうち他の2枚は盾に埋まっており、siron.はデッキの中に1枚しかない<瞬閃と疾駆と双撃の決断>で戦わなくてはならない状況に陥っていた。

そういった不運もあり、3ターン目の単色マナとしてチャージせざるを得なかったカードは探せど探せど見つからないが、この時のsiron.には知る由もない。仕方なく唱えた2枚目の呪文は<イシカワ・ハンドシーカー / ♪聞くだけで 才能バレる このチューン>。手札を入れ換えてWブレイク。


ここでトリガーしたのは<S・S・S>。siron.のこのターンの攻撃は止まってしまう。




シールドの枚数を温存することができたラザニア3は4ターン目に<超光喜エルボロム>を召喚。1ドローしたのちにシールドにカードを1枚埋め、守りを固める。





相手のシールドを丁寧に削り続けるsiron.の5ターン目は<芸魔隠狐カラクリバーシ>召喚から始まる。

効果で1ドローしたのちに<氷柱と炎弧の決断>を唱える。効果で<超光喜エルボロム>をブロック不可にしつつ手札を入れ替え、すぐさま<芸魔王将カクメイジン>へと革命チェンジ。

ここでのブレイクは通り、再び呪文が唱えられる。<氷柱と炎弧の決断>を2回使い、1枚目で手札を整えながら2枚目では<AQvibrato>と<歌舞音愛 ヒメカット / ♪蛙の子 遭えるの何処?好きと謂ひて>の2体を場に。
マジック・フレンド・バーストの効果で<超光喜エルボロム>をバウンスしつつ、仕込まれていないシールド2枚をブレイクする。






siron. 
「さっき(予選の時)と同じ展開だな〜?」

今度は<B.F.Fモーメント>がトリガー。siron.のクリーチャーが全て手札に戻され、盤面はまっさらになってしまったので、ターンエンドするしかない。






ここまで何枚もSトリガーを踏ませて耐え続けるラザニア3だが、5ターン目を迎えてもなお反撃のための<DARK MATERIAL COMPLEX>が場にいないため、こちらはこちらで苦しい状況だ。

そんな状況で場に送り込んだのは<アーテル・ゴルギーニ>。4枚墓地を増やしたのちに<超光喜エルボロム>を蘇生し、再びシールドを追加する。






返しのsiron.は6ターン目も<芸魔隠狐カラクリバーシ>召喚。効果で1ドロー。


探していたパーフェクト呪文はようやく手札に舞い降りる。

そして<歌舞音愛 ヒメカット / ♪蛙の子 遭えるの何処?好きと謂ひて>と<アシステスト・Mogi事変>を場に送り込み、再びマジック・フレンド・バーストでラザニア3のクリーチャーをバウンスしようとするが、<アーテル・ゴルギーニ>は<超光喜エルボロム>を身代わりに自身の効果で場に留まる。

ここでラザニア3が<アーテル・ゴルギーニ>を残した理由は明確だ。


相手が<芸魔隠狐カラクリバーシ>からチェンジして送り込む<芸魔王将カクメイジン>のブレイクを通すわけにはいかないからである。<アーテル・ゴルギーニ>のブロックにより<芸魔王将カクメイジン>による呪文詠唱は阻止される。

 だが、<芸魔王将カクメイジン>が他のマジッククリーチャーをSAにしている状況には変わりない。
 siron.は続けて<歌舞音愛 ヒメカット / ♪蛙の子 遭えるの何処?好きと謂ひて>を攻撃に向かわせて<芸魔隠狐カラクリバーシ>へ革命チェンジ。効果で1ドローしつつ、<なぜ離れ 何処へ行くのか 君は今♪>で相手の墓地をリセットしながら1枚ブレイク。トリガーはなし。




 なんとか耐えているラザニア3の6ターン目も守りの一手。<超光喜エルボロム>と<ヴェネラックF-5>を召喚。革命チェンジへの対抗策を用意してsiron.へターンを返す。




 7ターン目を迎えるsiron.だが、気づけばデッキは残り4枚となっている。デッキの枚数を確認したsiron.
は<アシステスト・mogi事変>を2マナで召喚し、1ドロー。ここから使うマジックとあるカードが全て2軽減で使用されるようになり、怒涛のカードプレイが行われる。

siron.は<ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり>、<歌舞音愛 ヒメカット / ♪蛙の子 遭えるの何処?好きと謂ひて>、<芸魔隠狐カラクリバーシ>と立て続けにカードをプレイし、ラザニア3のクリーチャーをバウンスしながら<芸魔隠狐カラクリバーシ>を<芸魔王将カクメイジン>へ革命チェンジさせることで攻撃体制を築き上げる。


<芸魔王将カクメイジン>のブレイク前の効果で<なぜ離れ 何処へ行くのか 君は今♪>でデッキを回復したのちに<氷柱と炎弧の決断>を唱えて<瞬閃と疾駆と双撃の決断>を探してWブレイク。












だが、ラザニア3のシールドから2体の<忍蛇の聖沌 c0br4>が現れる!!!

しかし現状ではラザニア3の墓地はないため、山札の上から蘇生先になるクリーチャーが落ちなければ有効打にならない。捲れるのは4枚だが、結果的に場に出てきたのは<超楽識フミビロム>のみ。効果で2体いる<芸魔王将カクメイジン>を1枚に重ねさせる。

 だが、<芸魔王将カクメイジン>は味方のマジッククリーチャーにSAを与え続けてるので、siron.は<歌舞音愛 ヒメカット / ♪蛙の子 遭えるの何処?好きと謂ひて>で攻撃する。
そして<芸魔隠狐カラクリバーシ>へ革命チェンジし、<芸魔隠狐カラクリバーシ>から<氷柱と炎弧の決断>を経由して<歌舞音愛 ヒメカット / ♪蛙の子 遭えるの何処?好きと謂ひて>を再活用。マジック・フレンド・バーストの効果でブロッカーを2体バウンスしてシールドをブレイクする。


だが、今度は<S・S・S>がトリガー。このターンのsiron.の攻撃が停止する。






なんとかターンをもらい続けているラザニア3だが、やはり簡単に反撃できる<DARK MATERIAL COMPLEX>を召喚できていないことで防戦一方なまま。
7ターン目は<獲銀月ペトローバ>と<超光喜エルボロム>を召喚してシールドを追加し、<超楽識フミビロム>をハイパー化してsiron.の手札を奪いながら<芸魔隠狐カラクリバーシ>をバトルで破壊してターンを返すのが限界だ。


そして最強の矛が最強の盾を貫く時が来た。
siron.がドローソースでデッキに眠っていた最後の<瞬閃と疾駆と双撃の決断>をドローすると、その後に<芸魔王将アメイジン>を召喚してラザニア3のクリーチャーを行動不能に。



<芸魔王将カクメイジン>が使う<瞬閃と疾駆と双撃の決断>によって、siron.が2ブロック環境最強の守りを打ち破った。おめでとう、siron.!!!



              WINNER    siron.




大会結果





今大会ベスト3カード


第3位 蒼神龍アナザー・ワールド

昨年度から2ブロック環境のマッドネスとして採用されていた<貝獣パウアー>に引き続き登場したハンデス対策兼デッキ回復まで兼ねるカード。強力なドラゴンが配られたことでオリジナルやアドバンスでは重宝されているが、2ブロック環境ではゲーム時間を引き伸ばす主犯の1人である。

だが、このカードの登場によって受けるデッキが闇自然ゼニスの<「呪怨」の頂天サスペンス>や<死神覇王ブラック・XENARCH>に耐性を持たせることが可能になった。

少ないスロットで複数の役割をこなすことができるこのカードは2ブロック環境でも理不尽への対抗策として活躍するだろう。




第2位  超楽識フミビロム

アビス・レボリューション編からの2ブロック環境は長らく<DARK MATERIAL COMPLEX>が環境を支配していた。場を離れず、対抗手段が限られるお手軽なフィニッシャーとして闇が入るデッキに多く採用されていた。

だが、ようやくその明確な対策カードとしてこの<超楽識フミビロム>は登場した。VRのカードにもかかわらず公式ホームページの商品説明で詳細に宣伝されていることからも、公式が使って欲しいカードでもあるように感じる。5ターン目までにドローすれば、<DARK MATERIAL COMPLEX>の起動を止めることでそれまでの数ターンを無かったことにできる、明らかに狙ってデザインされたカードのように感じる。

だが、これがミラー戦でお互いに使う状態になるとどうなるか。千日手とは言わずとも、察しのいい方であれば想像がつくだろう。
それでも、ゼニスや<DARK MATERIAL COMPLEX>への対抗手段として今後も活躍することは間違いないため、2位に選出。


第1位 超光喜エルボロム


今弾で明らかに強化された文明は俗に言うドロマーカラーに含まれるカードであり、このカードはオーバースペックかつ、試合時間を引き伸ばしておる元凶である。

昨年度の2ブロック環境では、<護天!銀河MAX>を採用した光水ライオネルが環境トップに君臨しており、手札からSトリガーを直接仕込むことができるこのカードは攻略を困難にしていた。その次の年に出てきたのがこのカードである。

かつての殿堂カード、超次元ホワイトグリーン・ホールを彷彿とさせる防御力、ブロッカーを持ち、手札消費なしでシールドをCIPと攻撃時にも使えるだけで十分強いうえに、ハイパー化でSトリガー呪文の踏み倒しまで行えてしまう。


今年の2ブロックではこのカードも使えるため、即死コンボを組むことが可能。<引き裂かれし永劫、エムラクール>ほどのゲームエンドカードがないため、プレイヤーでもなかなか最適なカードが見つかっていない。サスペンスやクリスタル・ドゥーム、♪必殺でつわものどもが夢の跡などが候補か。

今後の光水を採用する理由になる超化獣を第1位に選出。




あとがき


どうもこんにちは。Feiです。

いやぁ..…ドロマーコンプなぁ..…普通にCSが長引くからあんまり増えて欲しくないデッキだなって感じです。

現在の2ブロック環境は赤青マジック、ゼニス、ドロマーコンプの3すくみ環境が形成されていると僕は考えています。マジックはゼニスに有利、ゼニスはコンプ系統の受けデッキに有利、コンプ系受けデッキはマジックに有利、といった感じです。


ですが、話題のドロマーコンプがちょっと抜けている、とも感じています。対策するのが難しいんです。このデッキ。

まず早期着地するコンプは負ける展開になりやすいこと。サガループの3キルを割り切るのと同様に、コンプが2ターン目までに出された展開になった場合に勝率が下がるのがまず関門1。

じゃあコンボデッキで倒そうとすればいいじゃない、と思うじゃないですか、アルカディアスが呪文のソリティアを止めるんです。人によっては入ってない構築もありますが。なんかラッキーナンバーを唱えられなくもなってコンプの動く止められないし。

じゃあハンデスすれば?となるとそれはアナザーワールドでケアされる時もあり。

ゼニスみたいなカードパワーで押そうとするとフミビロムで抵抗してくるし。

デッキ切れもアナザーワールドでケアできる。

ビートでさっさと殴ろうと思っても大量のSトリガーとボン・キゴマイムを積まれると勝率が出せない。

採用カードを散らすことで理論上全ての弱点を補うことができるデッキになってます。

で、手札からシールドを増やせるカードが8枚ほど入っていると。<偽りの名ドルーシ>をトリガーし続けると延々と耐久できちゃいます。

なので自分はコンプだけを倒すために赤緑ゼニスを使ってました。<偽りの名ワスプメリサ>+<偽りの名スカラベオ>+<「戦鬼」の頂天ベートーベン>+<「異形」の頂天クリス=ゼ=ブブ>を盤面に揃えるとコンプ側が対抗策なしになるので、それを目指すコンボデッキとなっています。まぁマジックがガン不利なんですけどね?


まぁどんだけ泣き言や文句を言っても全国大会の店舗予選はこのカードプールなので、権利を取れるように走り回りたいと思います。


                      おわり































未開封が残り1つしかなくて、ほんとに開けたくなかったけど、真田家の家紋である六文銭と同じような覚悟で今年は頑張ります。信州のDNAが流れているので。























「使命」の頂天グレイテスト・グレートは生きてて初めて自引きで4回当てた金トレだからか、すごい懐いてくれました。めっちゃ助けてほしい時に引く。優勝させてあげられなくてごめん..…

「使命」の頂天って名前、めっちゃいいよね。

                  ほんとにおわり

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