テキストカバレージ「やわたCS2ブロック」2024/5/18 -スーパーロボット大戦を勝ち上がる、最強のメカ使いは誰か-
Dreams come true、夢や願いが叶うとき。
人はその時が来ると信じることができるからこそ、努力を続けられるのだろう。
ある者は、過去の自分を越えるために戦った。
ある者は、自分の歩んできた道のりと誇りをかけて戦った。
ある者は、自身と仲間の目標を達成するために戦った。
そんなプレイヤーの姿を見て、人は感動しないだろうか。いや、そんなはずがない。
だからこそ、デュエル・マスターズはそんな人々の姿を記録に残しているのだと思う。この会場に集まった人それぞれにドラマがあるのだから。
そして、今日、2024年、5月18日。この日にも長年の苦労が報われた人の姿があった。
認定ジャッジ、スガ。
現在開催されている多くのCSで採用されている対戦マッチングツールである、「スガツール」の作成者にして、古くから多くのCSで運営をしてきた実績を持つ。
そんな彼の昔年の願いは、「2ブロックフォーマットの存続」だった。
そんな彼と彼が好きな2ブロックフォーマットの苦難の始まりは、新型コロナウイルスが世界中で拡大し、イベントが行えなくなるほどのパンデミックが起きた、あの2020年まで遡る。
その前年である、超天編真っ只中の2019年。
デュエル・マスターズは殿堂・2ブロックとフォーマットが分かれており、2ブロックフォーマットはエリア予選の影響もあっておおいに盛り上がっていた。
だが、新型コロナウイルスの拡大で、事態は悪化していく。CSは開催出来なくなり、そもそも大会が開かれないことでカードゲーム人口も減っていった。
そしてそれに比例して流行した、リモートデュエマも追い討ちをかける。「盤面の情報を少なく、よりシンプルに。」という理由のもとで広まっていった文化がのちにオリジナルフォーマットとして誕生し、デュエマのフォーマットは3つに分かれることになるのだが、それは2ブロックフォーマットからすれば存在意義を問われる話になる。
オリジナルフォーマットより優れた点が少なく、エリア予選なども無くなった今、ユーザーからすればわざわざプレイ人口や大会の開催数が少ない2ブロックをやる意味はなかった。DMPランキングを走るともなれば、他のフォーマットに時間を割く方が賢明だ。
結局のところ、プレイヤーにとって2ブロックフォーマットは、エリア予選の時だけに取り組む、提出課題のようなものだったのだ。
限定構築というゲーム性の面白さが人を引きつけている訳ではなく、全国大会への道のりに置かれている障害物の1つに過ぎなかったのである。全国大会の出場権や、2ブロック限定のプロモというオマケがつかない限り。
だが、そんなことは承知のうえだ。そのうえでやれることを継続していくしかない。
公式に訴えかけるように何がなんでもCSを開催し続け、
人を呼ぶためにありとあらゆる工夫をこなし、
https://twitter.com/dmyawatacs/status/1601435930350751744?s=46
時にはおんそくという、2ブロックを愛する主催や友人の力も借りながら、4年間やってきた。
そして、今日。
彼の目には、長年見たかったであろう光景が広がっていた。2ブロックフォーマットのデュエマも楽しい、という思いは人々に伝わり、願いは叶ったのだ。
そして、1日の締めくくりとして、最後の試合が始まろうとしている。
失われた2020年から4年の年月の果てに、2ブロックフォーマットは新しいスタートを切ったのだ。
その大きな礎として、この試合を記録したいと思う。
さぁ、それでは参りましょう。
いくぞ、デュエマ、スタート!!
スーパーロボット大戦を勝ち上がる、最強のメカ使いは誰か
本日のやわたCS最後のマッチアップは千葉県の招き猫/はっぷ旅と神奈川県のくろはこの2名。
くろはこは2019年以前までは2ブロックフォーマットのデュエマをやっていたが、復帰したのはここ半年のこと、という珍しい経歴のいわゆる復帰勢。
普段はタカラトミーより発売されているウィクロスや、デュエマの初期のカードのみでデッキを構成して戦う限定構築(彼らは古代デュエマと呼んでいる)を身内間で遊ぶなど、いろんなカードゲームを嗜んでいる。
一方の招き猫/はっぷ旅はDMPランキングの成績を見る限りでは、オリジナルやアドバンスでの入賞回数が多いプレイヤー。今年度の2ブロックフォーマットは初めて触るようだが、ここまで勝ち続けてきたのだから、実力は本物だろう。
そんな両者が選んだのは、奇しくも同じ白黒メカで、本日の最大母数を誇るデッキの頂上決戦だ。
それでは試合を見ていこう。
GAME1
くろはこの先攻で始まったこの試合、ゲームが早速動く。
先攻1ターン目の、<DARK MATERIAL COMPLEX>!!
先にこのカードが動いた方が勝ちやすい、という明確なゴールがあるミラーマッチにおいて、黒箱は優位にゲームを進めることができる。
だが、招き猫/はっぷ旅も負けてはいない。
こちらも1ターン目の<DARK MATERIAL COMPLEX>召喚!!
「最強のメカ使いになるにあたって、これくらいは当たり前だ」とでも言うかのように設置する。ゲームはイーブンに進んでいくようだ。
くろはこの2ターン目は<DARK MATERIAL COMPLEX>のカウントを進めてマナチャージのみでターン終了。
招き猫/はっぷ旅は2ターン目にカウントを1に進めながら<ヴェネラック-F5>召喚。メタカード兼革命チェンジ先として優秀なカードを場に送り込む。
くろはこの3ターン目のプレイはカウントを2へ進めながらの<アシステスト・アルデッド>召喚。
それに対して招き猫/はっぷ旅は3ターン目に動く。
<ヴェネラック-F5>を攻撃に向かわせて<ドラン・ゴル・ゲルス>に革命チェンジ。出た時の効果で手札に戻った<ヴェネラック-F5>を出し直す。
この一連の流れで<DARK MATERIAL COMPLEX>のカウントを3に進めながらシールドを1枚ブレイク。トリガーはなし。
先手を取られたくろはこの4ターン目。
<DARK MATERIAL COMPLEX>のカウントを4へ進めながら<アーテル・ゴルギーニ>を召喚。
マイナス効果で<ヴェネラック-F5>を破壊して、カウントを5へ。招き猫/はっぷ旅もカウントを1つ増やす。
招き猫/はっぷ旅の4ターン目が回ってきたが、このターンは<DARK MATERIAL COMPLEX>のカウントを5に進めるのみでターンを返す。手札には高コストのカードが溜まっているようだ。
迎えたくろはこの5ターン目。<DARK MATERIAL COMPLEX>のカウントが6へ。
ダメ出しの<アーテル・ゴルギーニ>2体目が場に。マイナス4000を2回。
招き猫/はっぷ旅の<ドラン・ゴル・ゲルス>が破壊され、カウントは進む。どちらの<DARK MATERIAL COMPLEX>も起動が間近だ。
招き猫/はっぷ旅の5ターン目。
<DARK MATERIAL COMPLEX>のカウントが7になり、黒箱のクリーチャーを除去できれば<DARK MATERIAL COMPLEX>が動き出す.…といったところだが、<ドラン・ゴル・ゲルス>を召喚。効果でシールドをブレイクしながら<獲銀月 ペトローバ>を場に。
<獲銀月ペトローバ>は1ターン場を離れないので、<DARK MATERIAL COMPLEX>のワールド・ブレイクを無償で受けることができ、<ドラン・ゴル・ゲルス>も招き猫/はっぷ旅の手札にある、<聖カオスマントラ>のニンジャチェンジ元になることができる。
招き猫/はっぷ旅は自分から仕掛けるのではなく、くろはこの<DARK MATERIAL COMPLEX>を受け止める準備をして、ターンを返すようだ。
そしてくろはこのターン。
<DARK MATERIAL COMPLEX>、起動。
そして保険のために追加の<アシステスト・アルデッド>を召喚し、準備万端。
<DARK MATERIAL COMPLEX>が招き猫/はっぷ旅のシールドを全て壊さんと攻撃し、アタック時の効果で黒箱が出したのは、<ヴァイオシロン-C6>。
招き猫/はっぷ旅の手札にあるであろう、<聖カオスマントラ>を抜きにいく!!!
効果を確認した招き猫/はっぷ旅もすぐに状況を理解し、<聖カオスマントラ>を撃ち落とされないよう2枚ある手札を入念にシャッフルする。確率は50%の勝負だ!!
そしてくろはこが選んだ手札のカードは、
値千金の<聖カオスマントラ>!!
仕方がないので招き猫/はっぷ旅は<獲銀月ペトローバ>でブロック。
続けてくろはこは<アシステスト・アルデッド>でプレイヤーに攻撃する時に<機鎧天 シロフェシー>に革命チェンジ!!
<ドラン・ゴル・ゲルス>のメガラストバーストによるシールド追加をケアしながら、<DARK MATERIAL COMPLEX>をアンタップして、ダブルブレイク。トリガーはない!
続けて<DARK MATERIAL COMPLEX>が攻撃し、攻撃時の効果で<聖カオスマントラ>を場に。招き猫/はっぷ旅のクリーチャーが全部タップされ、<ドラン・ゴル・ゲルス>を踏みにいく。
だが、このタイミングで招き猫/はっぷ旅は先程のダブルブレイクで手札にきた<聖カオスマントラ>をニンジャチェンジで場に出し、このターンの攻撃を終了させる。
招き猫/はっぷ旅の6ターン目。今度はこちらの<DARK MATERIAL COMPLEX>が起動。
<アシステスト・アルデッド>、<星械姫 シリエス>を展開して、<獲銀月ペトローバ>をハイパー化する。
そして<聖カオスマントラ>の攻撃時に<ドラン・ゴル・ゲルス>に革命チェンジ。効果で<アシステスト・アルデッド>を場に出す。恐らく次のターンに<聖カオスマントラ>を使えるよう、手札に戻したかったのだと思う。
だが、くろはこはこの一瞬を見逃さない。
<聖カオスマントラ>のニンジャチェンジ。招き猫/はっぷ旅のクリーチャーは全てタップされ、<DARK MATERIAL COMPLEX>も止まる。
返しのターン。くろはこの<DARK MATERIAL COMPLEX>が招き猫/はっぷ旅の全てを破壊し尽くし、くろはこが今日1日で最強のメカ使いであることを証明してみせた。
WINNER くろはこ
大会結果
今大会ベスト3カード
3位 ドラン・ゴル・ゲルス / 豪龍の記憶
革命チェンジのメカといえば、なカードでよく4投されるカードではあるのだが、必ずしもそうでないのが2ブロック。
環境的に相手の呪文を封じる<鎧機天 シロフェシー>の方が優先される背景があり、4:2くらいの比率でデッキに投入されることが多い。
だが、このカードと<聖カオスマントラ>による受けパッケージは、環境を定義する<DARK MATERIAL COMPLEX>の暴走を安全に受け切れるギミックの一つであるので、決して0にはできないカードでもある。
(場のドランゴルゲルスから聖カオスマントラにチェンジ→全タップ+メガラストバーストによる盾追加という挙動が可能)
ミラー戦で重要なカードであるため、3位に選出。
2位 聖カオスマントラ
???「聖カオスマントラが強すぎる!!」
皆さんはこの言葉をこれまでに聞いたことはあるだろうか。筆者はオリジナル環境でこのカードがプレイされたのを見たことがない。
だが、2ブロックフォーマットではこのカードがオーバーレアに相応しい防御力を持つことは、プレイヤーの間で証明されている。場に<アーテル・ゴルギーニ>や<ドラン・ゴル・ゲルス>があるだけで、相手は常にこのカードを警戒しなければならなくなり、<DARK MATERIAL COMPLEX>を安全に対処できるカードの一つでもある。
メカの防御力はこのカードと<ヴェネラック-F5>、<アーテル・ゴルギーニ>によって支えられていて、ビートダウンが活躍しにくい原因はここにある。この先1年間、光文明を代表するであろうカードとして2位に選出。
1位 DARK MATERIAL COMPLEX
筆者は<卍新世壊卍>が嫌いなので、正直このカードも嫌いです。引きゲーが加速するもん。まぁ文句を言われるカードってことは強いんですけどね。
この動画を見て首が縦に動くくらいには.…
あとがき
みなさんこんにちはこんばんは。Feiです。
最近会う人会う人に「マジで長野県まで行ってきたの?」と聞かれます。
行ったよ。戦いの場が少ないから試行回数増やすためなら行くよ。今年は本当にオリジナルとアドバンスのCSは控える気でいるからさ。チーム戦以外は。
あと、今回のこの母数についての感想は、異常。って感じです。なんか元から本八幡はメカが好きな人が多い傾向にあって、そこに2ブロックで強い!って情報が多かったからこうなったのかな?と。もうちょいゼニスが多いと思ってましたが、メタ読みはハズレでした。青白ライオネルが最強だった前々からずっとメカが多いのをもっと考慮すべきだったかも。
導入の部分で2019年からなんとか〜ってくだりを書きましたけど、あれ別にスガさんだけじゃなくて、僕や他の参加者もそうです。烏滸がましいって言われるかもしれないけど、一応僕だって5年間頑張ってnote書いたりとか、コネを増やしたりとか、2ブロックができる世界に戻るまでやろうって思ってましたもん。影響力あったかは怪しいけどさ。
だからようやく自分の望む世界になったからには、今年は頑張ります。めっちゃプレミするけど。悲しいことに腕と練度はないんだよな。俺。
これはこの日にも感じたことで、予選でかつん選手とあーくん選手と当たったんですよ。僕からしたら「うわぁ.…超天編以前の頃から強い人のボスラッシュじゃん.…」って感じ。
あの人達、正着手をほぼノータイムで打ってくるので、対面しててほんとに上手いなというか、どういう思考回路してるんだろうって思いました。藤井聡太と対局してるプロ棋士の人ってこんな感覚なんだろうな。そりゃ勝てないわ。
だからこそかつん選手とのミラー戦で勝てたことや、あーくん選手にはしっかりとボコボコにされた時の実感はすごくて、本当に強くなるにはこういう人と並んで会話できるレベルにならないとダメなんだなと。
今は彼らより僕の方が(2ブロックに限り)色々知ってるってだけで情報交換できますけど、そのうち追い抜かれます。だからね。腕も上げないと。
彼は上手くなりたいなら俺とデュエマやるのが一番いいよってなんて冗談で言ってましたけど、僕はほんとだなぁって感じです。普通に師事します。まぁありがたいことに今でも調整してくれる人は数人いるので、もっとやりますけどね。
ありがたいことに、今月からほぼ毎週2ブロックのCSが出来るので、会場で会った際はよろしくお願いします。
おわり
マジでどうでもいい後日談1
今回もいろんな方の協力を得ながらここまで書けました。僕がデュエプレGPの物販で買いたい!!!ってわがまま通したために決勝の動画を撮ってもらったり、写真を送ってもらったり..…ありがとうございました。
おかげで欲しいものが揃いました。Q.E.Dめっちゃいい…
あと、目標を達成するにはやっぱり人に応援してもらえるような人にならないといけないんだなって。おんそく選手を見習いましょう。
このnoteが読者の方に何か与えられていれば幸いです。僕は有料記事が嫌いなので無料公開しかしません。こういうのを書く動機は自己顕示欲でいいと思うんだ。
マジでどうでもいい後日談2
なんか本人からオチ用のネタが投下されたのでここに残します。やっぱ関西にいた人は面白いぜ!!
これはマジで普段から言って回ってるから半分本当なんだろうけど、照れも入ってるんでしょうね。内閣総理大臣はすごいんだ。
やわたCSの中の人、面白いでしょ?みなさんも是非本八幡に来てみてくださいね。雰囲気いいからCSデビューにもオススメです。雰囲気がファンイベ。
ほんとにおわり
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