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テキストカバレージ「やわたCS2ブロック」2024/8/10 -さらば、全ての瞬閃と疾駆と双撃の決断。赤青マジック弱体化の裏で-



 殿堂入りカードの発表。それは環境の移り変わりを告げる一大イベント。
 通常の殿堂発表は主にオリジナルフォーマットとアドバンスフォーマットに影響するため、2ブロックフォーマットはあまり影響が出ないことが多かった。
 
 2ブロックフォーマットのカードプールに存在しながらも、殿堂入りに指定されたカードの事例は発売当日から殿堂入りしている<滅亡の起源 零無>を除けば、双極編の<轟轟轟ブランド>や<ガヨウ神>、超天編の<BAKUOOON・ミッツァイル>、<ヨミジ丁−二式>、<マリゴルドⅢ>まで遡る。
 要するに2年間経つまでに殿堂入りにブチ込まれるということは、「よっぽどのことが起きた、バグレベルの強さを持ったカード」ということでもあるからだ。

 そういった事情もあり、2ブロックからしてみれば殿堂入りは無関係なことが多いのだが、今年は2ブロックフォーマットからも名誉の殿堂入りに選ばれたカードが誕生した。

その名を<瞬閃と疾駆と双撃の決断>。

 アビス・レボリューション編のカードだ!!!と言い張るわけではないのだが(超天編のカードだし)、火水マジックのスタートデッキで2ブロックフォーマットへ参戦して以降、常に環境の一角を担ってくれていたこのカードも同じパーフェクト呪文の<生命と大地と轟破の結論>と同じ道を辿るかのように殿堂入りした。

 これにより火水マジックが弱体化しただけでなく、<瞬閃と疾駆と双撃の決断>を使っていた火水闇超化獣や光火超化獣などのビートデッキは環境から姿を消すことが予想される。
 そんな環境の一角を担っていた<瞬閃と疾駆と双撃の決断>最後の勇姿であるラスト1週間の記録をお届けする。



さらば、全ての瞬閃と疾駆と双撃の決断。赤青マジック弱体化の裏で



 今回は東京都のもるとと千葉県のおんそくが優勝を争うことになった。両者とも長く2ブロックフォーマットで遊んできた熟練者。筆者のカバレージにも頻繁に登場する。

 もるとは本年度で参加してきたCSのアベレージが高く、大型大会に強いプレイヤー。ちなみに引きも強い。
強いと思うデッキをコロコロ持ち変えてはメタ読みを当てるタイプでもある彼が本日の相棒に選んだのは火自然ゼニス。
 ありがたいことに筆者の直近のCS多数入賞報告を見てデッキを乗り換えたという背景があるが、それが結果として本日現れている。この勢いでデュエチューブリーグのプロ選手を打ち倒せるか。


 対するは千葉県のおんそく。ご存知の通り、関西のハートを持ったアイドルとして多方面で活躍する有名人でありながらも、2ブロックで開催されたGP8thの優勝者でもある。

 そんなおんそくの本日の使用デッキは水闇自然の<DARK MATERLAL COMPLEX>。
 おんそくしかほとんど使用者を見かけないため、筆者は勝手におんそくスペシャルと呼んでいるが、3→5とマナカーブを描いたのちに<アーテル・ゴルギーニ>や<謀遠テレスコ=テレス>などの闇文明の強力な5マナ帯のカードを中盤戦を戦い、最後は<DARK MATERLAL COMPLEX>で押し込んでフィニッシュする、水闇自然ジャオウガのようなデッキだ。
 本日はとても眠たそうにしていたが、今日も優勝の2文字はこのプレイヤーの手元に渡るのか。

 両者ともやわたCSの常連なので、カバレージがあることも、対戦する相手のことも知っているため、決勝戦にも関わらず和やかな雰囲気で試合が始まった。



GAME1


 おんそくの先攻で試合は始まるが、おんそくは闇文明のカードをマナチャージしたのちに、ノータイムでマナのカードをタップする。

それすなわち音速のスタートダッシュ。<DARK MATERIAL COMPLEX>の召喚だ。あとはカードを8枚下に入れるだけ。




 対するもるとも素晴らしい初手が配られており、2ターン目に<Dの寺院 タブラサ・チャンタラム>を展開、3ターン目に<シャングリラ・クリスタル>と水晶マナを3枚生成する。




 おんそくは先攻3ターン目に革命チェンジ元として<竹刀の超人 / サイバー免許皆伝>を召喚。
 
 続く4ターン目に<悪魔妖精ベラドンナ>を召喚。

おんそく 「ハンデス」

もると 「うっ」

 ハンデスモードを選択し、もるとの手札を1枚叩き落とす。
 そして<竹刀の超人 / サイバー免許皆伝>で攻撃する時に手札でスタンバイしている<チアスペース アカネ>と革命チェンジ。手札とマナを伸ばしつつシールドを1枚ブレイクしてターンを終える。




 ここまでの流れを見るとおんそく優勢の試合展開だが、ここからカードパワーで巻き返すのがもるとの操るゼニス・セレスだ。もるとの後攻4ターン目、<「戦鬼」の頂天ベートーベン>召喚!!


 召喚時の効果で2枚目の<「戦鬼」の頂天ベートーベン>を手札に加えながら水晶マナを2枚生成すると即座に<Dの寺院 タブラサ・チャンタラム>のDスイッチを発動。
 水晶マナを6枚アンタップしながら<偽りの名スカラベオ>を召喚して、マッハファイターで<チアスペース アカネ>をバトルで破壊。1ターンで強力な布陣を築く。



 急に劣勢になってしまったおんそくはリソース差を広げるために<謀遠テレスコ=テレス>を場に送り出す。

 返しのもるとの5ターン目開始時に手札が1枚捨てさせられるが、ここのランダムハンデスでおんそくは前のターンに手札に加わっている<「戦鬼」の頂天ベートーベン>を叩き落とさなければ、逆転することが困難になる。


おんそく 「これ」

もると  「俺のビックリドッキリメカが....」



墓地に捨てられたのは緑色のカードではなかった。それが意味することとはつまり。



 <「戦鬼」の頂天ベートーベン>が再び召喚されるということだ。
 そしてもるとはダメ押しだと言わんばかりに手札に持っていた<偽りの名ワスプメリサ>まで添えることでおんそくのクリーチャーを封じながら盤面を捌いていく。



 盤面を制圧され、クリーチャーの効果まで封じられているおんそくにできることは、<竹刀の超人 / サイバー免許皆伝>の呪文面で相手のクリーチャーの動きを少し封じて抗うことだけ。




 もるとが6ターン目に<ニアピン・モスキート>から裏向きになっていた<「異形」の頂天 クリス=ゼ=ブブ>を回収しつつ召喚する。この事実上のチェックメイト宣言がなされると、新殿堂施行前最後の2ブロックCSは幕を閉じたのだった。

                WINNER    もると




大会結果




今大会ベスト3カード


第3位 清浄のカルマ インカ / オキヨメ・水晶チャージャー

 今回フィーチャーした2人のデッキに採用されていたカード。一応は水晶チャージャーのサイクルカードではあるのだが、ツインパクトカードなこともあり活躍する機会が多い。
 相手のメクレイドや墓地蘇生、踏み倒しを封じる効果で相手のシールドをブレイクする前にぽん、と出しておくと色んなSトリガーをケアすることができたり、自分の山札を回復したりとなんでもござれ。直近ではDTLの魔王軍がゼナーク系のデッキを使用して注目を浴びたこともあって墓地メタの役割も強くなっている。
ポテンシャルの高さを紹介する意味合いも込めて3位に選出。




第2位 偽りの名ワスプメリサ

 自然文明が採用されているゼニスの強みの1つであるのがこのカード。相手のトリガーをケアする手段が少ない2ブロックフォーマットでこのカードを使用できるということも闇自然ゼニスが台頭している理由だ。
 自分以外のオラクル・アンノウン・ゼニスにマッハファイターとパンプ効果を付与するのもえらい効果であり、ミラー戦はこのカードと<「戦鬼」の頂天ベートーベン>の枚数が勝敗を分ける。
ゼニスを支えるアンノウンとして今後の活躍は間違いないため、2位に選出。



第1位 「戦鬼」の頂天 ベートーベン

つよい。 いじょう。




















あとがき


みなさんこんにちはFeiです。
今回のログを見返してみると黒緑ゼニスでも同じことできるし、赤緑ゼニスの必要性がほんとにないじゃんって笑ってました。まぁベートーベンが強いってだけなのはある。ベートーベンとワスプメリサ揃えば大体のデッキに勝ちだしな。彼が優勝するのには火文明のカードは要らなかったみたいです。



DTLの話 

 本当はDTLの前にこのカバレージをネットに放流しようとしてたんですけど、メタゲーム解説記事に時間を使ってしまったので、後からこの部分を付け足して公開。

今回のDTL第5節、2ブロックの情報をなんとなく追っていた人からすると、


「黒緑ゼニスとドロマーコンプが強いって聞いてたのに、全然いないじゃん!?マジックって消えたんじゃないの!?は???????」


みたいな感じになると思っています。

どうしてこの現象が起きたか考えてみると、
「黒緑ゼニスをメタる意識が全チームにあった」
のが原因なんだろうと思います。

 黒緑ゼニスが強いのはどのチームも思っていました。だから対策する側に動いたのだと思います。というか上手い人しかいないリーグ戦では黒緑ゼニスなんかを正直に使ってたらカモにされるでしょう。

 で、黒緑ゼニスに有利なものといえば赤青マジックとゼナークを入れたデッキ、あとほぼ五分五分寄りだけど白黒メカです。

それで魔王軍はゼナークを使うデッキとして青黒系を開発。

FTGは赤青マジックを選択。 その結果がFTGの魔王軍に対する爆勝ち。

 そしてさらに裏を読んで赤青マジックを使う人が増えるのをカモにしたのがフェアリー選手(となんか正解になるはずだったおんそく選手)でしょう。白黒メカを使う人がいなかったのはドロマーコンプが無理だと知ってたからか、頭から抜けていたからかは分かりません。

いやーメタ読みがすごくて面白いですね。後期もDTLは続くみたいなのでこれからも楽しみです。



 というわけで店舗予選はすでに始まっていますが、赤青マジック、黒緑ゼニスが1日目の土曜日に勝ったと思えば、その二つに有利がつく白黒メカが2日目の日曜日に多数優勝した傾向がある気がします。
 黒緑ゼニスと白黒メカのこれまでの戦いや定石については過去の記事を見てみてください。僕のプレミは見なくていいですけど。

 

                     おわり





















































 2ブロックメタゲーム解説記事が皆様のおかげでたくさんの方に目を通して頂けたみたいで嬉しいです。普段はやわたCSも決勝戦だけ対戦の記録としてカバレージしてますので、合わせてよろしくお願いします。



 この動画、たまにCS会場に向かう時に見るくらいには好きなんですけど、色んな人に開かれる記事の冒頭においておくことで無理矢理再生させる、を実現できて目論見が成功しました。

   (伝説のクソ真面目に七福神を使ってる回)

 この年代はデッドマンとカミカミ王子(タカラトミー社員)による対戦動画が主流で自分がガキの頃はよく見てました。DM Youtuberの先駆けなのもある?ので雰囲気がいい。




 デュエプレの方でデッキ開発部のアンちゃんがスキンになって話題になりましたが、何者かの暗躍によって実現したっぽいですね。一体誰なんだ…...?
 僕はアンちゃん以外のシクは全部引けたけど泣いてます。知名度でいえば次はユウヤくんか八重子お姉さんなんだろうけど、この調子でエーツーくんとかトモちゃんのスキンもください。ほんとに。

                 ほんとにおわり




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