ボサノバのギターテクニック(バチーダ/Batida)
エキゾチックで幻想的で生々しい、何度聴いても心奪われるGetz/Gilberto。
このアルバムを聴いてブラジルに行ってみたいと思ったのは私だけじゃないと思います。
このアルバムやブラジルの音楽については多分私のようなただのギタリストより、もっと詳しく研究されている方の記事がたくさんあるので、私はギターテクニックの話を書こうと思います。
ボサノバのギターでは特徴的な、バチーダという奏法が出てきます。
今回は特にこのバチーダの右手に注目して練習してみましょう。
まずはこの譜例から。
とりあえず左手は簡単に押さえられるように開放弦を使ったCMaj7にしておいて、右手に集中しようっていう譜例です。
右手は、五弦を親指で、二、三、四弦はそれぞれ薬指、中指、人差し指を各弦に当たるように揃えて使うようにすると良いと思います。
ここで親指が人差し指と当たってしまうとどちらの弦も弾きにくいので、親指と人差し指は弾く位置をずらすように、親指がネック側、それ以外の指をブリッジ側にセットするように心がけましょう。
五弦の親指はベース役です。
親指がしっかり思った通りにリズムが刻めて、そこに他の指で弾くリズムが絡んでくるように感じられるように練習しましょう。
ではここにシンコペーションのリズムを足してみます。
三、四拍目をシンコペーションにしました。
二小節目の一拍目は一小節目と全く同じにしても良いのですが、親指以外の三本の指が忙しくなって大変なので、譜例のようにベースだけにしました(リピート時の一小節目もベースだけにしていいと思います)。
また、ゆったりとしたテンポであれば譜例の一小節目を繰り返すのもいいと思います。
次はさっきの譜例とミックスしてみましょう。
これもリピート時の一小節目の一拍目が忙しければそこはベースだけにしていいと思います。
さて次の譜例は二つ目の譜例の二小節目を二拍で切って入れ替えました。
だいぶそれっぽくなってきましたね!
既にコードが弾ける曲があれば、このやり方を当てはめて、好きな曲をボサノババージョンにアレンジしてみましょう。
シンコペーション入り、シンコペーション無し、前後の入れ替えなんかを使って、同じようだけど実はずっと同じでは無いみたいな感じで弾ければ、そこに歌なんか入ればもう。。。かなりいい感じですね!
この練習を通して、どの音が押さえているコードのベースに当たるのかをしっかり把握しましょう。
ところでこのバチーダという言葉、ビートとか混ぜるとかいう意味のようで、カクテルなんかの名前にも使われるようです。
そもそもビートという言葉に混ぜるっていう意味が含まれていること自体、このボサノバのギター奏法を表しているような気がしちゃいます。
行ってみたいなぁ、ブラジル。
でも行かないからこそ表現できるものも実はあるのかな。。。
ではまた!