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第116回歯科医師国家試験の結果(速報)

ここ数年は3月16日が結果発表

2023年1月に行われた第116回歯科医師国家試験の結果が本日14:00に公開されました。
合格された方は本当におめでとうございます。
今回の速報では、毎年同じですが、全体の結果、国公立現役、私立現役の3パートを記載しています。
オリジナル図表の無許可の転載は厳禁です。1週間ほどオープンしていましたが、最初の告知通り有料化しました。

116の総括

116の総括を書きました。10000字近くあります。途中から有料となります。
あくまでこのnoteは速報なので、より詳細な内容を知りたい方は総括を御覧ください。


全体の結果

正式な結果は厚労省のサイトをご参照ください。

合格者数、合格率

第116回歯科医師国家試験の受験者数は3157名、合格者数は2006名となりました。全体の合格率は63.5%です。

116結果総合

前回の115は過去最低の61.6%でしたが、今回は109や112とほぼ同程度の水準まで合格率がわずかですが上昇しました。浪人の合格率が42.2%と過去2年間よりも大幅に上がり、それが合格率の上昇に寄与したようです。

逆に国公立現役は過去最低だった110の81.7%を下回る80.9%と過去最低を更新しました。今のままですと近い将来国公立現役の合格率は70%台に転落するでしょう。私立現役は115とほぼ同水準でした。

合格率推移

受験者数の推移をみると、私立現役の人数が前年からかなり減っているのがわかります。私立現役は出願者数自体も大幅に減っていますので、私立歯学部の一部の定員割れが深刻化、低学年での留年が厳しく高学年に行き着く前にドロップアウトしてしまう、などといった事が考えられます。

受験者数推移

来年度に持ち越された浪人数は1151名+今回不受験組となります。これは114との時とほぼ同等であり、まだまだ国家試験浪人の数は多いのが実情です。

合格基準

合格基準ですが、今年から判定基準が変わりました。領域がA、B、Cから、A、Bになり、Bの配点ウェートがかなり高いです。

116合格基準

以下に前回の115の合格基準を示します。
領域Bが以前の領域BとCの集合体と考えたとすると、237点以上/371点となります。今回は257点以上/373点なので、去年よりかなりボーダーが高くなったと言えます。国家試験直後から今回の問題が全体として平易だったといわれていたましたので、その通りの結果と言えるでしょう。

115合格基準

削除問題

削除問題は全部で15問でした。
過去3年間は115では19問、114では20問、113では12問で、今年は比較的少ないといえると思います。しかし、あれだけタクソノミーを上げて思考力を問うとぶち上げた割に、全体の難易度は平易だったにも関わらず回答が出ない問題がある程度存在しており、難易度が調整できていない、問題の質が担保できていない、というそしりは免れないでしょう。

削除問題

各大学別の結果一覧

大学別の結果は以下の通りです。今年からフォームが変わってなんというか見づらくなりました。もっと大学のフォントを大きくしてほしいですよね。

116 学校別合格者状況

ここからは新卒の合格率にフォーカスを絞って結果をまとめていきます。国公立はともかく、多くの私立大学では国家試験を受験する学生を絞って、合格率を良く見せようとする傾向があります。浪人と合わせた総数では、そういった状況がよくわかりません。なので、ここ最近の大学の状況をみるためには新卒の受験状況を見る必要があります。

なお、数字にミスがある場合、ご指摘頂きますようお願いします。

異例の修正(2023/04/08)

厚労省が異例のデータを修正しました。

※自身の所属ではない学校の所属と申請した受験者がおられたため、影響度を考慮し、訂正版を掲示しております。

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000197774_00008.html
116 学校別合格者状況(修正)

チェックしたところ、明海大学の新卒が1名増加、松本歯科大学の新卒が1名減少しています。そのため、私立現役のデータを全て修正しました。

新卒の結果(国公立)

国公立の結果を示します。合格率90%以上は鹿児島だけで、今まで良い成績を維持してきた岡山や九州歯科が厳しい結果です。特に岡山は国公立全国最下位となってしまいました。

116国公立結果

一応ソートしてみるとこのような感じになります。徳島大学と岡山大学がかなり離れた位置にいることがわかります。医科歯科、阪大もかなり厳しい数です。10年前なら国公立大学として当たり前だった合格率85%以上が2校しかいないという厳しい現実がここにあります。

116国公立ソート

国公立大学は全大学の6年生の実数データを持っておりませんので、闇の合格率は算出していませんが、データを持っている長崎大学は60名いたはずなのに出願数が52名しかおらず、実質的に全国最下位となります。去年も7人ぐらい出願数減ってましたね。出願前に学生数を1割以上減らすのは国公立大学としていかがなものでしょう?

国公立新卒まとめ

①合格率の低下が続き、ついに新卒の合格率は80%ギリギリ。
②いままで良い成績を取ってきた岡山が撃沈。九州歯科もやや低迷。
③出願前に学生数を絞っている大学がある。
④国公立に入れば6年で歯科医師という時代ではない。

新卒の結果(私立)

私立大学の合格率ですが、厚労省の発表したデータを表にまとめると以下の様になります。

一番下にあるので一番わかりやすくなっていますが、福岡歯科大学の合格率がなかなかヤバいことになっています。受験者の半分も受からないとなると卒業時に歯科医師になれる学力が全く担保されていないまま卒業させているということなります。勿論、卒業判定は各大学の裁量ですので文句はいえないですが、福岡歯科大学は浪人の合格率もかなり悪いので落ちてしまった学生の多くが多浪になっていく可能性が高いです。

116 合格率(表)修正済み

一応ソートしてみました。

東京歯科大学がやはり強いですね。愛知学院は去年下から3番目でしたが、ついに2番となってしまいました。日大も下から4番目とこの数字だけみるとかなり厳しいです。
文春砲が先週直撃した鶴見大学の合格率は81.8%、なんとか体裁は保てた感じでしょうか?去年よりもだいぶ上がってます。

合格率(表) ソート 修正済み

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