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幻の韓国怪獣映画『プルガサリ』とは

『プルガサリ』(1985年)といえば、映画オタクの金正日が拉致してきた韓国映画界の巨匠・申相玉を監督に、東宝の特撮スタッフを使って製作した北朝鮮初の怪獣映画として知られているが、実は1962年、韓国でも『プルガサリ』が製作されていたのである。


北朝鮮版『プルガサリ』。社会主義国の映画ならではの人海戦術、10万人を動員したというモブシーンは圧巻。

これが、韓国版『プルガサリ』だ!

うう、グロい。プルガサリというよりも、『仮面の忍者赤影』の金目像か、『仮面ライダーストロンガー』に出てきた岩石首領のイメージ。どちらにしろ東映テイストか。造形はまあまあの出来か。
1962年というと、東宝の『キングコング対ゴジラ』が公開された年。大映の『ガメラ』はまだ誕生していない。韓国映画界もがんばっていたのである。

金目様がお怒りじゃ。
何度か”本体”を変えるショッカー首領。

北朝鮮版『プルサガリ』は、申監督がアメリカに亡命したことに激怒した金正日によって封印され、長い間、幻の怪獣映画と呼ばれたが、韓国版『プルガサリ』はフィルムが紛失、文字通りの”幻”作品になってしまった。

「通俗的娯楽劇」。よく見るとプルガサリの腕から体側部にかけて翼状の皮膜が。こいつは空を飛ぶのか。ゲバコンドルを思い出した。やっぱ東映チック。

ソフビ人形もあるぞ。このトゲトゲ、踵の角質を削るのによさそう。


伝説上のプルガサリはこんな感じ。象と牛を合わせたようなルックスだ。

アニメにもなっているようだ。実写よりこっちのほうが怖そう。

ちなみに、不可殺(プルガサリ)は本来、ヒトデという意味もあるらしく、불가살이で画像検索すると、怪獣に混じって、こんなのが出てきます。

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