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東野圭吾さんの「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を読んだ感想

東野圭吾さんの「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を読んだ感想です。

2012年4月に読んだことがあって、およそ10年ぶりですね。
さすがに話の大枠は覚えていましたが、詳細は覚えていなかったので、新鮮な気持ちで読めました。

2020年に電子書籍化された7作品のうちの1つですね。
僕もKindleで読みました。

2017年には映画化もされました。

ネタバレ無しの感想

先の展開が気になって、どんどん読み進めていました。

全5章の物語ですが、それぞれの章での伏線回収や、登場人物の関係性が素晴らしいと思います。

過去と未来を繋ぐ手紙によって、人生が変わっていく人々の物語です。
東野圭吾さんの作品でファンタジーというと、個人的には「秘密」という感じですが、「ナミヤ雑貨店の奇蹟」も心暖まる感じが、とても良かったです。

人に悩みを相談する時っていうのは、どういう時なんですかね?
自分の中で全く答えが無い時もあると思いますが、個人的には背中を押して欲しい時なのかなと思います。
自分の中で答えは決まっているけど、不安や心配の気持ちが大きいなど、あと一歩が踏み出せないというのは多いのではないでしょうか?

僕は、自分の選択は自分で正解にする、というのが大事なのかなと思っています。
それぞれの登場人物も同じだったかなと思います。
人それぞれ思いや葛藤はあるけれど、そういう気持ちの背景まで感じることができる本だったなと思います。

ぜひ読んでみてください。

以降、ネタバレあり注意

様々な面でメッセージ性の強い作品だと思います。

特に良かったのは2章の「夜更けにハーモニカを」でしょうか?
克郎が父親に言われた「負け戦なら負け戦でいい。自分の足跡ってものを残してこい」という言葉にはじーんときました。

仕事にしてもそうですし、何か趣味などでも、どれだけ打ち込んで、やり切ったと言えるかというのは非常に大事だと思います。
僕も何か形を残したいと思いました。

あと、4章の「黙祷はビートルズで」では、浩介の人生を変えたビートルズの映画を2度見るというシーンが印象に残りました。

最初に見た時と2度目に見た時で映画の印象がまるで変わっていました。
目の前の事象は自分を映し出す鏡だなと感じるシーンでした。
特に人間関係などでは、周りの人がこうだったら、など、責任を周りに求めたくなる場面は多いですが、その前に自分を変えられるところは無いか?など、まずは自分自身に問うことが大事だなと思います。

そして、やはり最後の白紙に対する結末が良かったですね。
白紙なんだから、なんだって描ける、可能性は無限、というメッセージは、かなり刺さります。
どんな状況であれ、決意した時や気付いた時から、何かを改めたり、挑戦することができると感じました。

過去に文庫本で読んだ時に、他の人のレビューで本編が終わった後、空白のページがある、というのに気が付きました。
これは今もあるんですかね?
これから何を描いていくかは読んだ次第、そこには人それぞれの物語の続きがあるように思いました。



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