見出し画像

東野圭吾さんの「卒業」を読んだ感想

東野圭吾さんの「卒業」を読んだ感想です。

ネタバレ無しの感想

東野圭吾さん初期の作品で、新鮮味を感じます。
そして、加賀シリーズの1作目ですね。

加賀が大学4年ということで、青春時代に当たりますが、帯に

「自らの青春を清算してでも彼は謎を解く」

ということで、シリーズがここから始まると思うと、悲しい物語の中でも、面白味を感じました。

卒業というタイトルは、純粋に大学を卒業というだけではなく、様々な意味がこめられていると思います。
物語は友情関係、学生生活を軸に繰り広げられ、青春ミステリーとして、楽しめる作品だと思います。

また、テレビ・映画を見ていて、加賀を知っているという人でも、加賀の考え方の根本などが分かって面白いと思います。

これは、最後の解説に書いてあったのですが、ミステリーは、「犯人はだれか?→どんな手段で?→どんな動機で?」と重点が移っていくとありました。
この作品に関しては、犯人というより、どんな動機で?を考えて読むと、より楽しく読めるかなと感じました。

ぜひ読んでみてください。

ネタバレありの感想

僕は、加賀シリーズは、「祈りの幕が下りる時」まで読んだことがある状態で、「卒業」を読みました。

そうなると気になるのが、加賀の親子関係です。
シリーズが進むにつれて考えさせられる親子関係ですが、「卒業」でもすれ違いの生活ですね。

やはり親子関係は、かなり考えさせられますし、対比して、沙都子の親子関係もあります。
沙都子は、自分の意思を貫いて東京へ就職、親と顔を合わすのを避け気味だったり、いろんな親子関係があります。
そういう親からも卒業なのかなと思います。

あとは、友情関係ですね。
仲が良さそうで実は…というのはよくあるのかもしれませんが、「卒業」も読んでいて、最後はなかなか息が詰まりそうな友情関係でした。

そして、藤堂の手紙が加賀に届かなかった(正確には中身が空っぽだった)のは残念に思いました。
どんな事件でも、真相は明らかになって欲しいし、犯人には生きて罪を償って欲しいですね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?