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東野圭吾さんの「沈黙のパレード」を読んだ感想
東野圭吾さんの「沈黙のパレード」を読んだ感想です。
先に映画を見てから読みました。
映画の方も、よくまとまっていて、感動する作品だと思います。
ネタバレ無しの感想
ガリレオシリーズということで、過去作を読んでいると特に繋がってきますね。
特に、容疑者Xの献身は、湯川が話の一部に言及する場面もありました。
沈黙のパレードというタイトルは、なかなか刺さるタイトルですね。
事件の舞台となるのは、あるパレードの真っ只中という華やかな1日、その裏側で登場人物の心境というのは、振り幅が激しいです。
容疑者は複数で、全員が黙秘をするという難解な事件ですが、黙秘をする背景や、容疑者たちにも感情移入できてしまう、悲しい物語だと思います。
それぞれの登場人物の心情がパズルのピースのような感じです。
その根本は大切な人を守る、ということなんだなと思います。
容疑者Xの献身もそうでした。
そういう意味ではガリレオシリーズというか、献身シリーズなんだなと感じました。
事件の真相が分かる時には、驚きというか悲しみが強かったですが、大切な人の為なら、というのは強いですね。
こういう悲しみにぶつかる度に、もうちょっと違う道は無かったのかな、と考えてしまいますね。
また、今回は草薙が過去に関わった事件が繋がっていて、過去の事件の容疑者が再度、目の前に現れるという物語です。
この辺りは草薙の物語という一面もあって、過去から現在の苦しみや怒り、悲しみなど多数の感情がすごく読み取れて、かなり良かったなと思います。
ぜひ読んでみてください。
以降、ネタバレあり注意
上記でも記載した献身というのは、すごく奥が深いですよね。
大切な人の為なら、という覚悟は、本当に頭が下がる思いです。
それが罪になってしまう、というのが本当に悲しいです。
今回は、もう1人の過去の事件が絡んでくる訳ですが、まさか協力して事件を企てることになるとは驚きました。
執念というか、やはりそれだけ大切な人を失った悲しみは深いですね。
湯川自身も、通っていた定食屋に関わる人たちが容疑者ということで、いろんな感情が伺えました。
そして、上述のように、容疑者Xの献身に言及するところもあって、大切な人を失うというのは、湯川自身もよく分かっているだけに、物語の最後の方は、なんとも言えない感情でした。
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