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殺し屋、やってます。

副業として殺し屋を続ける富澤が心掛けていることは、標的について調べすぎないこと。動機は疎か依頼人の素性さえ「余計な情報」として興味を示さない。そんなビジネスライクな殺し屋が遭遇した些細な謎について考察を始める。失敗の要因を少しでも減らすために。

殺し屋が日常の謎を解く短編小説。
小さな綻びから謎を紡ぎだしてロジカルに捌いていく爽快感は「アイルランドの薔薇」に通じるものがある。殺し屋の仕事の流儀が意外とどんな仕事にも通じそうで面白かった。殺し屋稼業は技術よりもシステムなんだな。

結局、石持浅海の書く殺人が一番完全犯罪に近い気がする。


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