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「まーごめ」の謎に迫る映画『まーごめ180キロ』

お笑いコンビ「ママタルト」のボケ担当であり体重180㎏を超える大鶴肥満。その彼が多くの場面で発する「まーごめ」なる言葉の意味を、大鶴肥満のルーツとなる場所を本人と巡り、また他の芸人達の証言から明らかにしていくドキュメンタリー映画だ。

因みに、「まーごめ」とは俳優の大鶴義丹が不倫謝罪会見で妻のマルシアに発した言葉「まーちゃんごめんね」を略した言葉であり、大鶴肥満曰く、何にでも代用可能な言葉であるらしい。これは調べればすぐに出てくるからネタバレにはならないよ。まーごめ。

お笑い芸人のドキュメンタリー映画なのでもちろん笑いどころはあるけれど、それ以上に大鶴肥満の鬱屈した感情と生き様の方に惹きつけられた。特に印象的だったのは、彼が「(特に父親と)仲が良くない」と公言している両親と対面するシーンだ。これはもう身につまされるというか、胸が痛いというか、兎にも角にもまーごめだった。

過去に虐待をされたとか対面時に暴言を吐いてくるとか、そういうことじゃなくて、お互いあまりにも思想的な断絶が有るがゆえに傍から見ると会話が成り立たってないあの感じ。そして父親側は恐らくその「成り立たなさ」を、思想の違いではなく相手の人生経験の少なさに帰結させているあの感じ。「俺が帰省した時の会話やんけ…」と思いながらしみじみと見入ってしまった。

他にも、虐められていた高校時代のエピソードを一しきり話した後に発した、「お笑いは、復讐だよ」の一言は余りにもパンチラインであり、彼のお笑いにおける源泉のようなものを感じた。

若干暗めなシーンを抜き出してしまったけれど、大鶴肥満がビッグマックやアイスクリームを食べるシーンや、他の芸人達へのインタビューシーンも相まって基本的には笑いどころの方が多いドキュメンタリー映画だと思う。そして、お笑いコンビ「ママタルト」が気になっていたり、人生に鬱屈した何かを抱えている人には特にまーごめしたい映画だった。


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