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中国人が見た日本:太宰府天満宮放浪記(5)

太宰府天満宮は緑に覆われており、その代表格が梅と楠木である。 一緒に旅行した日本人の友人から、敷地内に3,000本の梅の木があることを教えてもらった。 中でも天満宮の本殿前の左右にあるものが有名で、左が飛梅、右が女王梅と呼ばれる。

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飛梅には、悲しく美しい伝説がある。菅原道真の死後、道真の棺を乗せた牛車は京都(平安京)に向かう予定だったが、この本堂の場所に来たところで動かなくなり、道真はその場に葬られた。

流罪されるまで住んでいた京都の梅の花は、道真を想い、一晩かけて太宰府まで飛んできたという。このような梅花の情は、「西遊記」の桃の木や、杏の木と唐の僧の縁を思わせるほど、深いものだ。

あと数日すれば、太宰府の梅が熟し、同時にそれは雨が綿々と続く「梅雨」の季節になる。 日本のお弁当で、白米をピンク色に染める梅干しを味わうとき、梅花の情念を思い浮かべることがあるかもしれない。

梅の花は「歳寒三友」のひとつで、古来より文人墨客に最も愛されてきた。 人々は、梅の「傾斜する影」「水面での浮遊」「寒中の独り咲き」「百花繚乱」を愛するのだ。

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天満宮の敷地内には、空高く伸びたクスノキの古木があちこちに見られた。 本堂の前には、1925年に日本の文部省(中国の教育部に相当)が「天然記念物」に指定した樹齢1000〜1500年のクスノキがある。 そのため、周囲をフェンスで囲み、訪問者が写真撮影時に近づきすぎないよう保護している。

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正殿の左奥にある2本の柵に囲まれた楠木は、正殿の前にあるものと同じで、国指定の「天然記念物」で、樹齢は1000年以上とされている。

いわゆる「神域」に楠木が多いのは、太古の昔から自己増殖し、天神の森を形成してきたと言われているからだ。 天上の楠木を見上げながら、私たち人間はまだ「長生きしたい」という願望の中にいるが、彼らはすでに人間界の波乱を経験し、千年も生き抜いてきたのだ! (続く)

【出典】https://www.toutiao.com/article/7096429080542724642/
【翻訳】松本忠之

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