見出し画像

ヤングが知らない東京芸人、へ行く

4月某日、とても楽しみにしていたライブ。
「ヤングが知らない東京芸人」@高円寺ジュンジョー
水先案内人:街裏ぴんく
出演
・ヤング
・街裏ぴんく
・足腰げんき教室
・きしたかの
・風穴あけるズ
・サツマカワRPG
・十九人
・スタミナパン
・素敵じゃないか
・ド桜
・永田敬介
・めっちゃ最高ズ

開場まで10分くらいあったので辺りを歩いた。
高円寺純情商店街は、お店がひしめきあっている。
小さな飲食店、古着屋、八百屋、ドラッグストア、それに肉屋は数店あった。
住みやすそうだし、芸人がたくさん住んでいるらしい街というのも、なんとなくわかる。
数年前、このエリアに住む“高円寺芸人”という数人のメンバーの中に、ニューヨークの嶋佐さんもいた。
誰かしら友人が近所にいて、飲むお店に困らない、人があったかい高円寺大好き、とあんなに楽しげに話していたが、嶋佐さんは売れたら早々に中目黒へ引っ越した。というか引っ越す前からニューヨークは売れていたけど。
先日出演していた番組では高円寺駅前で
「久しぶりだなあ高円寺、今は全く寄りつかないですけど!」と笑い、そりゃそうだよなと思った。
中目黒に住んでいたら、中央線に乗ることもないと思うし、私だって住めるなら中目黒がいい。
私は最近、東急東横線がとても遠く感じ、さらに足が遠のいている。ていうか実際に遠い。

このライブの開催前にヤング嶋仲さんのnoteを読んでいたら、東京でのライブは楽しいが、今は宿泊代が高騰していて上がりもわずかだし、おまけにうけなかったらへこむし、本当にいやになってしまう、とあった。
たしかに、東京へ3泊するとかなり高額になる。
いま、というかずっと、芸人だけでなく本当にみんな大変だ。
私は、東京へライブに来てくれたことを感謝したく、せめてタバコ代にでも、とわずかな額のクオカード2枚とメッセージを入れた封筒を、ヤングへ差し入れをお願いしますと会場の受付のかたに渡した。

ぴんくさんはMC的存在だった。オープニングの時に
「言わせて下さい!R-1優勝させて頂きました!」と言った時のお客さんの拍手は長く、力強く続いた。
居島さんも、すごく喜んでおられた、と聞いて私はさらに嬉しくなった。
初めて見る芸人もいる中、ほぼ全員がおもしろく、足腰げんき教室、サツマカワRPG、素敵じゃないかが特に笑った。
サツマカワは暗転もフリに使ったネタで、思い出しても笑えるほど強い印象だった。数年前に初めて見た時から、見る度におもしろくて、すごいスピードで進化しているように見える。
今年のR-1で披露したネタだって、充分優勝にふさわしいくらいおもしろかったが、ファイナリストのメンツ、ネタの強さ、時の運などで大会の結果はこうも変わってくるのだと今年は強く実感した。
素敵じゃないかは、およそ半年ぶりくらいに見たが、ネタが素晴らしかった。数組ゲストがいる中に彼らがいたら、ライブがグッと楽しみになるようなコンビだ。平場がそっけないと言われるのも、彼らの持ち味だと思う。
ド桜は、元赤とんぼの村田さんが新たに組んだコンビだった。今まで村田さんを見たなかでは、いちばんのってるように見えた。ウケ量もすごくて、本人の熱量が、見ているお客さんにもがっちり伝わっているように見えた。
中MCではゲスト一組ずつがヤングと絡んでトークして、内容もたっぷりで楽しいライブだった。

ヤングがどうも〜と登場した時、嶋仲さんは封筒を持っていた。
それは、私が渡した封筒だった。自分が渡したものはすぐわかる。
自分の瞳孔が開くのをはっきりと感じ、やばい…とひとつ深呼吸した。
嶋仲さん「ついに!初めて差し入れで茶封筒を頂きましたよ。さすが東京やね!中身見てよ」
寺田さん「あっクオカードと手紙や!一番うれしいやつや!」
こんな風につかみでいじってもらえるとは思ってもみなかったので、少額で申し訳なかったが、超うれしかった。その後の漫才の内容もあまり入ってこなかった程だ。

エンディング後、ヤングは物販もあったので、グッズを買った。
この時、お二人と少しお話をしたかったが、なんとなく緊張してしまい、何も話せず買ってそのまま会場を出た。
「今日はめっちゃおもしろかったです」と一言伝えるだけでよかったのに、緊張して話せないってなんだよ!と外に出てから激しく後悔した。
帰りの電車の中で、物販で購入したノートを眺めた。表紙には漫才、と4つ書いてあった。
渡した封筒に“漫才師ヤング御中”と書いたが、私は漫の字を間違えて書いたことと、嶋仲さんの嶋の字も間違えたことに気付いた。

なんてこと!さっきまで機嫌よく過ごしていたのに!
恥ずかしさで死にたくなり、己にがっかりした。字を間違えるなんて、ださすぎる。
「あのクオカード、私です」とか言わないで本当によかった。
でも、字間違ってるやんとつっこまれた方が、まだ救われたかも知れない。
堂々と漢字を間違っていたと思うと、情けなかった。しかも漫才と人の名前…
そんな自己嫌悪をしながら嶋仲さんのnoteを見ると30分前に更新されていた。
東京滞在3日目、ライブ楽しかった。感謝。体力つけてまた来たい。
コンビニでおにぎり2つ買いさっき大阪行きの深夜バスへ乗った。ほとんど寝ていないので疲労がすごい。無理しても宿を取ればよかった。もう東京行くの嫌です。
的なことが書いてあった。

ライブ後、即帰宅のようだった。
でもよかったら、無理のない程度に、ていうか絶対、また東京に来て下さい!
もう漫才の字、間違わないから!