ask【23】炒めたての海老
先生、残暑見舞い申し上げます。世界が滅亡すればいいのに、というようなことをネットに書く人がいますが、私は本気で言ってるのかどうか確信がもてないので見て見ぬふりをしておりますが、もし本気で言っているのなら、ぶん殴ってやりたいという気持ちであります。先生は、世界は滅亡すればいいのに、という考え方についてどうお考えでしょうか?
常に炒めたての海老のようにプリプリしている私に言われたくはないかもしれませんが、貴方は少しお心が狭いように思います。言葉遣いというのは、人の数だけ多様であり、複雑で怪奇なものです。現役で使用されている言葉は生きているのであって、日々変化する意味合いが文脈に与える影響は計り知れないものがあります。「世界」も「滅亡」も大した意味はないのです。世界滅亡。女人禁制。春雨物語。処女懐胎。武運長久。酒池肉林。お分かりでしょうか。言葉なんというものはラッパーが吟ずるための、オカズでしかありません。白い御飯が盛られた茶碗を片手に掲げ、もう片方の手ではオカズを選び箸でつまんでヒョイとサルベージする。早く世界が滅亡すればいいのに、と。早く処女のまま懐胎すればいいのに、は全く同じことであります。貴方にはお心を広くもってネットという広大な海との距離の取り方に慣れていって欲しいと思います。世界が滅亡しては何がいけないのか、貴方なりのアンサーソングを歌うべきでしょう。ご武運を祈ります。
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