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期間限定のボーイズグループ

2022年、冬。私は突如として、期間限定のボーイズグループに出会った。

さまざまなフィールドからオーディションにより抜擢されたメンバーはそれぞれ色鮮やかな魅力を持っていて、知れば知るほど、私たちを魅了して止まない奥行きがある。

きらきら輝く彼らは瑞々しいかがやきに溢れていて、ただひたすらに眩しかった。

できることならば、ずっとその煌めきを追いかけてゆきたい。

確かに私は今までも、「終わる」ということが確約されているなにかを、追いかけてきた。だけれど、それは「いつか、終わる」であって、「今ここで、終わる」ではなかったのだ。

「終わる」ということを明言しているなにかを好きになったのは、これが初めて。期間限定のボーイズグループとして結成された彼らは、必ず終わってしまうグループなのだ。

彼らは、終わる。彼らがつくり上げてきたものは、残る。だけれど、消えてしまうのだ。ステージの上から。スポットライトのひかりのなかを去る、背中が見える。私はどんな表情をして、有終の美を見届けるだろう。

「期間限定」とわかっていながら好きになるなんて、悲しいじゃないか。最初はそう、思っていた。だけれど、「期間限定」だからこその、ぎゅっと濃縮されたきらめきが、そこにはあった。

彼らのパフォーマンスや楽曲は、嬉しさや楽しさや幸せのみならず、元気や勇気だってあたたかく手渡してくれる。それはきっと、彼らの魂のかけらがそこに秘められているからなのだ、と思う。時に汗くさくて泥くさい彼らの疾走は、砂金のように煌めいて舞い散った。

儚く打ち上がって派手に散る。その言葉を体現してみせた彼ら。泣き笑いの表情をしているように見えたけれど、それは切なさというより、清々しさとして感じられた。穏やかな凪のような時が、そこにはあった。


およそ1年に及ぶこの取り組みに、彼らはどれほどの心魂を費やしてきたのだろう。それは、ステージに立つ彼らの表情を一目見てしまえば一目瞭然だったように思う。

光を受け止めかがやく瞳。
真っ直ぐに客席を見つめる眼差し、メンバーと向き合った笑顔、涙、手を繋いで歌ったあの曲。その瞬間のどれもが、ほんものだった。私にとっては、この目で見たものだけが、真実だから。

想像の範疇でしかないということは重々承知の上で、彼らは間違いなくエンタメの歴史に名を刻んだグループなのだと思えてならない。勝手に誇らしい気持ちになってしまうくらい、私は彼らが好きだ。大好きだ。

ステージに立ち、光を浴びて、歌を歌い、踊る。そんな彼らを見つめられる機会は、最初で最後。
毎秒、噛み締めながら彼らを見つめた。彼らの声を聴いた。本当に幸せで、かけがえのない、たからもののような時間になった。

彼らはもうすぐ、彼らとしての活動を終える。それはとっても寂しくて正直つらくて悲しいけれど、今日という日に感じたあの熱狂は、夢中になって彼らを追った記憶は、消えない。忘れない。

ドラマやイベント事は残り僅か。その僅かな時間を、精一杯、私が持ち得る最大限の好きを以て過ごそう。

ステージに立つ彼らの背中はとても大きく、思わず目を細めてしまうほど、まばゆいものでした。

たくさんのしあわせを、勇気を、ありがとう。
あなたたちが終わってしまう日が来るとしても、
私はこの先もきっと、ずっと、あなたたちのことが、心の底から大好きです。


2022/12/04
都合の良い私の解釈


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