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【立石俊樹×牧島 輝】恋を読むinクリエ『逃げるは恥だが役に立つ』 SPインタビュー

Sparkle：舞台俳優グラビア＆インタビューマガジン

恋を読むinクリエ『逃げるは恥だが役に立つ』は、ラブストーリーの朗読劇シリーズ《恋を読む》の最新作として、海野つなみの人気漫画「逃げるは恥だが役に立つ」を原作に、三浦直之が脚本・演出を手掛けた朗読劇。
夫（津崎平匡）を雇用主、妻（森山みくり）を従業員とする〈契約結婚〉という選択をした2人が、従来の価値観に捉われることなく、仕事や夫婦のあり方に向き合っていくという物語。周囲には雇用関係を隠して始まる新婚生活や、ぎこちなくも夫婦関係を築いていく2人の姿を描く。本朗読劇には、平匡の同僚・風見涼太と、みくりの伯母・土屋百合も登場する。
平匡を演じる立石俊樹と風見を演じる牧島 輝に、現代的な考え方がふんだんに盛り込まれた原作への、そして演じる役への共感ポイントを語ってもらった。
共演経験もありプライベートでも親交の深い2人だからこそ分かる、お互いの魅力もたっぷりお届け！

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立石さんは今回朗読劇初挑戦、牧島さんはラブコメ初挑戦ということで、お互い初めてのものに挑戦してみて感じていること、稽古をしてみての感想を教えてください。

立石：先ほど初めての稽古をちょうど終えてきたところなんです。初めての朗読劇ということで、舞台とはまた違った見せ方が必要になってくるなと思いました。朗読劇で求められる表現方法というのを、研究しながら臨みたいなと思いました。

牧島：僕自身、普段から映画を観たり漫画を読んだりするのが好きなんですけど、あまりラブコメには触れてこなかったんです。今回の朗読劇は4人で作っていく作品になりますけど、「ラブコメって良いな」って、その〝良さ〟を改めて体感できたというか。というのも、自分が出ていないシーンで、俊くん（立石）が稽古をしている姿を見ていたんですけど、すごい「ドキドキさせてくれんじゃねぇの！」って感じで、俊くんの新しい一面にちょっとドキドキしちゃったりとかして（笑）。「ラブコメ素敵だな」ということを体感できたので、この気持ちを本番に持っていけたらいいなと思っています。

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今、牧島さんから立石さんのかっこいいところのお話がありましたが、立石さんから見た牧島さんの「素敵だな」と思ったところも教えてください。

立石：僕も自分が演じていない時に牧ちゃんのお芝居を見ていて。本人にもその時伝えたんですけど、「風見めっちゃ良いじゃん」というか、「牧ちゃんめっちゃ良いじゃん」ってシンプルに思いました。感情移入しちゃいましたね。こういう恋愛モノで共演するのは初めてなので、僕こそ牧ちゃんの新しい一面というか、新しい表現方法に胸を打たれました。稽古初回から感動しましたね。

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お二人は共演期間も長く、よくご存知の仲かと思いますが、お互いの魅力や長所を教えてください。

立石：牧ちゃんとは2作品で一緒だったんですけど、どちらもタイプが違って。強い役や〝ど根性〟タイプだったり、器用な役だったりと、本当に振り幅がある役者さんで。そして求められる表現に対して繊細に突き詰められるというか、毎公演新鮮に表現できているところが魅力的だなと思います。

牧島：俊くんのいいところはたくさんあるんですけど、いつも思うのは、すごく純粋な方だからこそ、それがいつも作品に対していい影響を生んでいるというか。というのは、舞台の上だけじゃなくて楽屋にいる時やプライベートな部分でも、俊くんの純粋さとかちょっと間の抜けた天然さに助けられている（笑）。そういうところは尊敬できるなと。

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初対面の頃のことは覚えていますか？

立石：当時から思っていたのは「いろんなガッツのある人だな」ということですね。負けず嫌いな一面もいっぱいあるし、しっかり演出の意図を汲み取って〝そのキャラクターがどういう気持ちなのか〟とかを理解して。当時の僕はまだ駆け出しで、それもあって当時から牧ちゃんはすごいなって思ってました。

牧島：僕らの初共演は舞台上で会話がある役ではなかったので、最初会った時はちょっと距離があったんです。俊くん顔がすごく綺麗でかっこいいし、背も高くて歌も上手いしすごいなって思ってたんですけど、距離が近くなるにつれていろいろ分かって。とっても天然なんですよ、俊くんは。

立石：（笑）。

牧島：愛らしくて。そういうギャップがある方だなって思いましたね。

今回お二人がそれぞれ演じるキャラクターとご自分について、共通点はありますか？

立石：自分の気持ちを結構隠すところというか、最初から全部素直にさらけ出せないところは似てる部分かなと思います。風見は割とフランクに誰とでも接することができたりすると思うんですけど、平匡さんは徐々にって感じなので。

牧島さんはいかがでしょうか？

牧島：ハイスペックなところです。というのは冗談ですが（笑）。彼はかなり自分に正直な部分がたくさんあると思っていて。ある種〝人に嫌われても自分はこういう人間なんだ〟という確立したものを持っているところに関しては、彼ほどではないけど僕にもそういう一面はあるのかなと思います。人が「こうだと思う」と言ったものに対して、割と自分の意見は言える方かな、と。弱い部分もあるけど、人として強い方だと思うし、僕は彼の言葉を聞いていてなんか「気持ちいい」って思ったんです。それって自分にちょっと近いものを感じているからなのかな、とか今日セリフを読んでいて思いました。

お二人はこの作品の魅力をどういうところに感じていますか？

立石：原作漫画を全巻読ませてもらったんですけど、まず契約結婚を題材にするということに驚いて。僕こういう恋愛モノってあまり見ないので分からないんですけど、でもきっと契約結婚というテーマを扱うのはすごく珍しいんじゃないかなと思いました。それが、『逃げ恥』がここまでたくさんの人に愛されている理由の一つなのかなと思いましたね。
あと、「ムズキュン」って言葉があるじゃないですか。僕はそれを〝距離〟に感じていて。解決しそうで解決しない感じで続いていくストーリーだから、ずっとムズムズ感があって。まだかな、まだかな……という気持ちですごく続きが気になって、原作も一気に読んじゃいました。それぐらい引き込まれましたね。

牧島：主要登場人物の4人って、本当に4人が4人すっごくめんどくさいタイプだと思うんですよね（笑）。みんな癖があるっていうか。だけどそれでもやっぱり、お互いのことが好きだっていう気持ちにはみんな嘘をつけなくて。だから歩み寄ろうとするんだけど、めんどくさい同士だから次々と問題が起きちゃうってところにムズムズしました。
でも「あ、そんな一面あるんだ」とか分かった時にキュンとする瞬間とかがあるとやっぱり楽しくて、些細なことだけど今日思ったのは、平匡が体調悪い時みくりさんに「お粥じゃなくておじやが良い」って弱々しく言うところとか、普段きっちりしてる人がそういう一面を見せるのっていいなと。俺が男にキュンとしてもあれなんですけど（笑）。なんかいいなぁって思いました。

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お二人がそういう部分をどう演じられるかも楽しみです。

牧島：はい、頑張ります（笑）。

立石：頑張ります！

牧島：ムズキュンさせられるようにね（笑）。

立石：そうだね。

この作品にはもちろんキュンキュンさせられるところもありながら、「家事に対して対価を払うべきだ」「年上の人を馬鹿にするというのは自分に跳ね返ってくる呪いだ」といった現代的な考え方も提示されています。個人的にいいなと思った部分はありましたか？

牧島：本当にいろんな解釈をする人たちがいて。だからこそ〝こうあるべきだ〟というものが無いのが見ていて楽しいなと思いました。〝女の人だから家事しなきゃいけない〟みたいな、そういう決めつけの元でストーリーが進んでいくわけじゃなくて、そこに理解がある男性たちにも好感が持てるし、それを口に出して伝える女性陣にも僕は好感が持てました。お互いがお互いを理解するために自分の意見を言い合うって気持ちいいなと。
物事にいろんな解釈があるのは現代的だし、いろんな形があっていろんな解釈があるから面白いというのもまた、『逃げ恥』の魅力の一つなのかなと思いました。

立石：確かに、映画とかを観たりして「世の中にはこういう人もいるんだろうな」ということを分かっていたつもりではいたんですけど、今回『逃げ恥』に触れてみて、日常で自分が実体験として出会ったことがある人じゃないと、本当の意味で「こういう人もいるんだ」ということが分からないのかも、と思ったり。
だから今回、〈契約結婚〉一つとっても、僕の身近なところには無いものなので。そこから始まって個性豊かな人たちがたくさん出てきて、まだまだ世界は広いなと。自分が体験してることって、大きな世界のほんの一つ……ちっぽけなものに過ぎないんだなって『逃げ恥』を観て思いました。視野が広がりましたね。

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最後に、お客様へメッセージをお願いします。

立石：今日、実際稽古してみてこの『逃げるは恥だが役に立つ』という作品に触れたときの魅力を、朗読劇でも伝えられるようにしたいなと思います。そしてやっぱり、こういう世の中の状況的にも、少しでもこの作品を観て心休まる時間を届けられたらと。日常を忘れてホッとする時間や、キュンとする時間を作れるように、僕は僕で平匡として生きて皆さんに届けたいなと思いますので、ぜひ楽しみにしていただければなと思います。4人で最高の空間を作れるように頑張ります。

牧島：稽古を通して4人で読んで動いてみて、たくさん「ムズキュンできるな」というポイントを発見しました。それは脚本の中でもそうだし、演出の中でもそう。この4人だから生まれるムズムズ感というのもたくさんあると思うので、きっと『逃げ恥』の漫画やドラマを観た方、まだ『逃げ恥』の世界に触れていない方も、どんな人でも楽しめる作品になるんじゃないかなと思います。ぜひ一緒にムズキュンしていただければなと思いますので、楽しみにしていてください！

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恋を読むinクリエ『逃げるは恥だが役に立つ』
2021年8月16日（月）18:30公演【配信中】

【配信期間】8月24日（火） 23:59まで
【詳細】www.tohostage.com/nigehaji/online.html

【原作】海野つなみ『逃げるは恥だが役に立つ』（講談社「Kiss」所載）
【脚本・演出】三浦直之（ロロ）
【出演】立石俊樹、花乃まりあ、牧島 輝、春野寿美礼
www.tohostage.com/nigehaji
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テキスト：田中莉奈
写真提供：東宝演劇部

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