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【撮り下ろし写真】田村升吾『RICE on STAGE「ラブ米」~Rice will come again~』スペシャルインタビュー【独占インタビュー】

2020年11月19日開幕の舞台『RICE on STAGE「ラブ米」~Rice will come again~』で主演を務める田村升吾さんにインタビューを実施!
約2年ぶりに「ラブ米」に出演する気持ちや、自粛期間を経て久々の舞台に挑む思いなど、たっぷりお話を伺いました。
舞台を観に行かれる前、後、「ラブ米」や田村さんのことが気になっている方……ぜひ田村さんの熱い“舞台愛”に触れてみてください!

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約2年ぶりに「ラブ米」続編が上演されることを知った時、どう思いましたか?

田村:“やろうやろう”ってずっと言ってきていた作品なんです。スタッフさんからも「いつかやりたいね」って言っていただいていた作品だったので、“やっとできる”という感じでした。
びっくりよりも「やっとやれるんだ、待ってました!」という気持ちです。とにかく嬉しかったです。

初主演舞台の続編っていうのがまた嬉しいですよね。

田村:当時は色々と探りながら真ん中に立たせていただいていたので、2年経って特別何かできるようになったわけではないと思うんですけど……。ちょっとは大人になった僕とみんなで、また面白おかしい「ラブ米」ができたらいいなって思っています。

続投キャストももちろんいらっしゃいますが、今回初めて参加されるキャストも。

田村:初登場のキャストでいうと、(吉澤)翼と(永田)聖一朗はプライベートでも仲良いですし、過去に共演もしてるので安心感があります。
さらに岡(幸二郎)さんや加藤(良輔)さんベテランのお二人も参加されるっていうことで、少しだけ緊張しています……。レジェンドじゃないですか。岡さんはレ・ミゼラブルなどグランドミュージカルを中心に出てらっしゃって。加藤さんも含め、稽古を通してお二人とお話したりして。作品のこともそうですし、普通に人としても近づいていけたら嬉しいです。

田村さんは人とのコミュニケーションにおいて年齢の壁は気にせずいけるタイプですか?

田村:めちゃめちゃ気使っちゃいます、たぶん。だから本当は年上の方から話しかけてくれたらありがたいです。自分からって苦手なんです。自分からいくよりは「升吾、飯行こうよ」って言ってくれた方が良くて。
「ラブ米」初演の時、滝口(幸広)さんが「行くぞ、升吾」って言ってくれて、いろいろ誘ってもらったのがすごく記憶に残っています。たっきーさんの実家に行って、たっきーさんの地元の人や中学校の友達とかと一緒に遊んだりして。先輩に「行くぞ」って言ってもらえるの、僕はすごく嬉しいんです。

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今作の魅力はどういうところになりそう?

田村:続編ではありつつ、まるまるオリジナルで新しいストーリーになると思います。また、岡さんや加藤さんが入ることによって、過去作品とは全然違う雰囲気にもなると思うので。続編だけど初めて観に来る方でも楽しいし、過去作品を観てくれてた方ももちろん楽しめる作品になるんじゃないかなって思っています。
「ラブ米」という作品は知識無しで観に行っても面白くて、何も考えずに観られる作品だと思うんです。そこはもう、お客様には心配しないで来て欲しいです。初めてだからちょっと不安な人とか、勉強しとかなきゃとか、そこはもう全く気にせず観に来てほしいし、観ているうちにクセになるんじゃないかなって思います。

歌唱シーンはもちろん、舞台全体の空気感が楽しいですよね。

田村:そうですね。テーマは初演と変わらずだけど、個々がものすごくレベルアップしているし、大人になってると思うので。そこは前回よりもクオリティの高いものをお届けできると思います。
約2年という時が経った分、みんなで一つ上の段階に持っていけると思うので、楽しみにしていてほしいです。

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約2年ぶりに演じることになるわけですが、役に関しては「これだ」と思い出す感じなのか、もう一度再構築していくものなのか……どうなのでしょうか?

田村:作り直そうって思っています。イベントも含めると3作品もやらせていただいて。計50公演くらいやったので何もしなくても役は出てくるというか、体に染みついてるとは思うんです。だからまた0から作り直したい。とは言え、ベースは変わらないものなので、その上で再構築したいなと。自由にやらせてもらえる作品なので、作り直せたらいいなって思ってます。

そのプランを詳しく教えてください。

田村:今までは結構、“センターだ、座長だ、主演だ”って思って力が入っていた気がするんです。まとめなきゃとか、結構「いい子」になりがちな感じというか。「ひのひかり」という役はいい子というか、真っ直ぐでバカなんですけど、僕がしっかりさせすぎちゃった気がして。それをもっと壊していくというか、天真爛漫っていう言葉が似合うようなキャラクターにしたいんです。
しっかりしようって思っていたんですよ、初座長でしたし。でももっと弾けていいのかなって思ったので、それこそ「ラブ米」だからこそ、抑えず自由にはっちゃけてやれればいいなと思います。

演出家さんにも自分から提案を?

田村:はい。演出の村井(雄)さんは、良いなって思った芝居や意見はそのまま使ってくれるので。どんどんこっちがクリエイティブしていって、すり合わせて。最終的には綺麗にまとまるような作品になればいいなと。

ちょっと余裕が生まれてる気はしますよね。

田村:そうですね、前回よりかなり余裕はあると思います。“頑張らなきゃ、まとめなきゃ”ってそればかりだったので。でもそのがむしゃらな感じがこのキャラクターに合ってたとも思うんです。そこは良いバランスを保ちつつ、前よりは冷静な判断ができたり、要領よくやれそうな気がします。

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田村さんはこの舞台への出演がすごく久しぶりなお芝居の現場ですよね。

田村:そうですね。発表できなかったのも含めて、だいぶ無くなっちゃったので。舞台自体半年ちょいぶりなので、ちょっと怖いですね。たぶん稽古して舞台に立てば感覚とかは戻るというか、やれるとは思うんですけど……。
この期間に再開された舞台を観に行ったり、映像配信の作品とかを観たりしたんですけど、「あぁ、俺がやってたのってこういうことか」って思ったり、周りのみんながやってる姿を見て焦る気持ちもあるし。“できるかな俺、こんな踊って歌うお芝居するの?”みたいな。ちょっとした不安は離れていた分、やっぱりあります。

それに稽古場も劇場も状況が一変していますもんね。

田村:そうなんです。稽古場の居方も変わってるだろうし、そこは大変だと思うんですけど。まずは初日から千秋楽までを迎えることが第一目標なので、そこは徹底して守って。それは座長として、一番大事にしたいなとは思ってます。

やっと田村さんが舞台に立つ姿を観られるということで、ファンの方も絶対楽しみにしていらっしゃると思います。

田村:そうですね、かなりお待たせしちゃったなと思うので。それこそ上半期やる予定だった作品では、また新しい僕を見せられると思ってたので。
僕自身もかなり悔しい思いをしたので、また舞台に立てるからには、お客様が感じていたやるせなさや、舞台に行きたいと思っている方がたくさんいると思うので、そういう気持ちをお客さんと共有できたらなって思います。

久々に立つ舞台、色んな気持ちが相まって、すごく緊張しそうですね。

田村:うーん、確かに。板の上に立ってスモークの匂いがして、照明当たっている自分……想像するとちょっと緊張するかもしれないですね(笑)。

役者としてこの期間、どんなことを考えていらっしゃいましたか?

田村:とてもきつかったです。こういう時……役者もそうですし、エンターテインメントって求められないのかなって思っちゃって。エンターテインメントは勇気をくれたり、明日頑張ろうっていう気持ちになれるものだけど、そんなエンタメが一番最初に弾かれてしまうんだなって。すごく寂しくてやるせない気持ちになりました。
だからこそ、必要なんだなって思っていただけるような作品を作りたいし、作れたらいいなって思うんです。

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最近の田村さんの近況についても教えてください。先日公開されたYouTube「田村升吾×StudioKaita〜デートしてみた!!〜」、映像の作りや踊る田村さん、すごくかっこよかったです。

田村:ありがとうございます。あれは事務所が一緒の福島海太くんが――今回「ラブ米」でも一緒なんですけど。海太くんは個人のYouTubeチャンネルを持っているんです。コラボしてみないかという話になって、“もちろんです”と答えて。
海太くんがテーマやカット割の構成とか考えてきてくれて、振り付けもしてもらいました。あんまり作品感がないように作りたいって言われて。だからこそ、彼女が彼氏の動画を撮ってるみたいなラフな感じで撮りたいと。なかなかああいうテイストの自分を出したことが無かったので、お客様も新鮮さに驚いたり、喜んでくださっていたらいいなと思います。
でも……かなり恥ずかしかったです(笑)。けっこう素敵だというお声をいただけて良かったなとは思いますけど、恥ずかしさはあります。親から“観たよ”とか連絡来て。見るなよ!って思ったりして(笑)。まぁでも観てくださる方が喜んでくれればいいです!

福島さんは全部ご自分でやられているんですか?

田村:全部自分でできるんです。編集も撮影も。カメラも撮影用のスタビライザーみたいなのを持ってかなり本格的に撮ってくれて。映像も綺麗で、編集も自分でやっている。そんな姿を見ていたら、クリエイトするのもいいなって思いましたね。自分で撮って編集するなんて、俺は絶対できないからやらないですけど……(笑)。クリエイトすることが得意な人っていいなと。

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ラブ米、ラブライスにかけまして、“ラブ○○”。田村さんが今好きなものを教えてください。

田村:いろんなところで言っちゃってるんですけど、僕のラブアニメは「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」ですね。ブログとかでも書いていますが、本当に好きで。京都アニメーションさんって本当にすごいなって思います。いろんな苦難を乗り越えてアニメを制作しているわけで。

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の映画も、やっと上映できた作品の一つですもんね。

田村:最終的にいろんなところと共同して作り上げたって聞いて、本当にすごいなって思いました。作品の持つ力ってすごくて、コロナの時期でも“自分も頑張ろう”って思えるパワーを持っていると思うんです。なかなか立ち直れない人もいるだろうけど、ああやって作品を届けようと頑張るクリエイターの心意気を感じました。

ミュージカル『刀剣乱舞』の一挙配信にもそれに似たものがあると感じました。

田村:そうですね。そうやって自粛期間にエンタメが人を元気にしようと動くことってすごく力強いというか。何もできないからこそ、何かできることを探してやっていくっていうのは純粋にすごいなって思いました。

“何かできることがあるんだ”ということが分かれば、動けますもんね。

田村:それが嬉しいし、幸せですね。

そういう意味では、自粛期間があってできない舞台もあって、やっと田村さんが舞台に立てる日が来るというのは、そのこと自体にもすごくパワーがあるんじゃないかと思います。

田村:確かにそうかもしれないですね。やっぱりどの作品も気合いは入ってますけど、今回は“やっと立てるんだ”っていう思いが僕の中で大きくて。今まで以上に気合いが入っています。

不安もあるかもしれないですけど、舞台ができるワクワク感も溢れているのでは?

田村:そうですね。不安とワクワクがあるってよく言うけど、本当に今不安とワクワクがちょうど真ん中くらいで。いつも僕はワクワクの方が多いタイプなんですけど、今回は意外に不安も大きくて。
でも「ラブ米」は心置きなくやれる作品なので。舞台に立つっていう責任もありますが、重圧に打ち勝って面白いものを作れたらなって思います。

楽しみに待っているファンの方にどんな気持ちで待っててほしいですか?

僕も久々の舞台になりますし、お客様の中で、今回来れる方の中にも久々の観劇になる方もいらっしゃると思います。今舞台をやれる喜びと、舞台を観に行ける喜びを共有できたらなって思うので、お客様にはフラットな気持ちで観に来ていただけれればと思います。
楽しくて笑える作品にしたいなと思っているので、いい意味で何も考えずに、舞台に足を運んでみてください。お待ちしています!

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たむら・しょうご 1998年5月30日生まれ、栃木県出身。主な出演作に、ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 氷帝学園 芥川慈郎役、『どろろ』助六 役、 ミュージカル『刀剣乱舞』篭手切江役など。2020年1月にはミュージカル『刀剣乱舞』 五周年記念 壽 乱舞音曲祭 への出演を控える。また、田村升吾『2021年カレンダー』が2020年12月23日発売予定。

『RICE on STAGE「ラブ米」~Rice will come again~』

‏【日程】2020年11月19日(木)~11月29日(日)
【劇場】品川プリンスホテル クラブeX
【企画・原作】8million
【脚本・演出・作詞】村井 雄(KPR/開幕ペナントレース)
【音楽】坂部 剛

【振付】本山新之助
【アニメ原案】高林ユーキ
【キャラクターデザイン】あおいれびん
【出演】<ラブライス>
 ひのひかり:田村升吾 ささにしき:星乃勇太 ひとめぼれ:前川優希  あきたこまち:白石康介 にこまる:佐野真白

<ST☆RICE>
 平山:川上将大 キヨハタモチ:北乃颯希

<合鴨ブラザーズ>
弟鴨:福島海太

日本晴:吉澤 翼
はつしも:永田聖一朗

‏雀鬼:加藤良輔

陸稲耕二郎:岡 幸二郎

【公式サイト】https://love-kome-stage.com/
【公式Twitter】@love_kome_stage

田村升吾さん掲載バックナンバー

©︎RICE on STAGE「ラブ米」 ©︎腹8分目製作委員会

テキスト:田中莉奈
写真:田代大樹

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