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【奥田夢叶×田口 司×中村太郎×新 正俊】舞台『魔法使いの約束』第1章 SPインタビュー

『魔法使いの約束』は『まほやく』の愛称でも親しまれる人気ゲーム。現代から魔法の世界に召喚された主人公が、<大いなる厄災>と戦う21人の魔法使いの賢者として、世界を救うために活躍する物語だ。
初舞台化となる本作は3部作で上演されることがすでに決定しており、2021年5月14日(金)より第1章が上演となる。
今回『Sparkle』では、真木 晶(賢者)を演じる新 正俊と、<北の国>キャストであるスノウ役の奥田夢叶、ホワイト役の田口 司、ブラッドリー役の中村太郎にインタビュー。原作へのリスペクトと舞台愛に溢れる4人の初座談会を、それぞれがそれぞれを撮影した“他撮り”ショットと共にお届けします!

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中村さんが撮影した新さん。テーマは「エアコン点検する人」。新さんは戸惑いながらも真剣にエアコンをチェックしていました(笑)。

本舞台への出演が決まって感じたことは?

新:3部作の大きな舞台に立たせてもらえるということで、初めに聞いた時は嬉しかったと同時に、少し不安もありました。でもそこは頑張るしかないなと思って、決意を固めて少しずつ準備をしています。

奥田:僕はマネージャーさんから「今すごく人気のゲームだよ」って教えてもらったのが最初で。いざやってみたらストーリーにすごくハマっちゃって。どんどんやり進めていくうちに〝これは絶対出たい〟という気持ちがより一層強くなって。だから本当に出演が決まったときはすごく嬉しかったですね。2度聞きましたもん、「本当ですか!?」って(笑)。それくらい夢心地でしたね。

田口:これだけ個性が強いキャラクターの中で、さらに夢叶と2人でスノウ役・ホワイト役として決まった時、どう自分を表現しようかなって戸惑いました。この2人の立ち位置はお母さん的な、一番年上でまとめなきゃいけない存在なんですよね。でも〝まとめる〟と言っても表面的にはまとめ役ではなくて、裏でいろんなキャラクターとやり取りをしている。そういう意味でも役作りがすごく大変だと思いますし、不安もあります。でもそんないろんな気持ちが混在した中でも、やっぱり嬉しい気持ちが一番強かったです。

中村:僕もまずは嬉しいという気持ちがありました。でもそれと同時に、演劇として表現するに当たってどうなるのかと考えました。原作はファンタジーな世界観の作品なので、これが舞台になったらどうなるのかなって気になって。演劇で具現化するために皆さんとセッションできるのが楽しみですし、自分にはまだ全然想像がついていないので今からワクワクしています。それこそ、演出家さんを始めとするスタッフさんや共演者の皆さんがいる中で、自分から「こういうのはどうですか?」とか提案できたらいいなって思うんです。みんなでゼロから作るから分からないことばっかりだと思うんですけど、それこそが舞台の楽しいところなのかなって思いますね。

中村さん演じるブラッドリーは特技が喧嘩の好戦的な元盗賊団のボスという役どころですが、演技プランは?

中村:僕、ブラッドリーとはかなり真逆の性格なんですよ。基本的には平和主義者だし(笑)。でもそうやって真逆だからこそすごく楽しみな思いもあって。自分に無い感情を持っているキャラクターだからこそ、本当にゼロから作ることになるわけですよね。演じるに当たって自分の中に雑念が無いというか、〝俺だったらこうするのに〟ということがあんまり出てこなさそうな気がするんです。だからこうして新たな役を頂いて演じるのがすごく楽しみですね。

そして双子の魔法使い、スノウとホワイトを演じられる田口さんと奥田さん。2人で一つな双子を演じるに当たり、田口さんと奥田さんの中での課題や計画はありますか?

田口:双子ってやっぱり言動や行動が似ているイメージがあるんですよね。普段の生活の中で双子の知り合いと会ったりすると、割と似てることが多かったりもして。だから互いにどれだけ動きを似せられるかはすごく大事になってくると思います。でも僕らが演じるスノウとホワイトって、似ているだけじゃなくて、それぞれにいろんな過去があったからこそ立ち振る舞いが変わってきたりもするんです。そういう細かい部分をどう演じていこうかなというのを、この作品に出演が決まった瞬間から夢叶とちょこちょこ話していますね。

奥田:双子だからというだけの単純な兄弟関係じゃなくて、彼らの場合って、なんか彼女が主導権握ってるカップルみたいな感じなんだよね(笑)。

田口:スノウが彼氏で、ホワイトが彼女っぽい感じの関係性だと。

奥田:過去にいろいろあったことで、スノウはホワイトに強く言えないところがあるんですよね。ホワイトは自由奔放で、スノウも「分かったよ」みたいな感じでついていく関係性だったりもして。ただの双子じゃない、彼らだけの特別さを出せていけたらなって思っています。

そこは2人でディスカッションしながら作っていくことになりそうですね。

田口・奥田:そうですね。

田口:ダンスとかもなるべく動きを揃えたいなって思ってるよ。

奥田:そこは僕も頑張ります!

田口:双子だからね。

奥田:うん、一緒にね。

新さんはゲームの主人公に当たる賢者役ということで、皆さんとはまた違うポジションになります。役作りも変わってくるのかなと感じました。

新:そうですね。演出のほさか(よう)さんとお話させてもらった時も〝どう作っていこうか〟って話になったんですけど。「逆に自分に寄せちゃった方がいいんじゃない?」ということも言っていただいたりもして、今はアプローチを考え中です。主人公は〝普通の人間〟なので、各キャラクターと接するときもやっぱり普通さを持っていたいなとは思っているんですよね。

あとは実際に稽古場に立ってみて、その立ち位置が分かってくるかもしれないですよね。

新:そうですね。台本ができあがって、さらに稽古場に立ってから分かることもあるのかなと。台本も自分で読んでるだけだと自分の中の理想しか生まれないので、実際にお芝居をする中で相手がどう反応してくれるか、自分がそこにどう返していけるのかがとても楽しみです。

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新さんは中村さんをソファに座らせストレートに撮影。撮られながら思わず照れ笑いしてしまう中村さんでした。

原作ゲームについての印象は?

田口:本当に絵が綺麗だなと思いました。ゲーム内のイベントをやってポイントをある程度稼ぐと、魔法使いが立っている空間の背景が貰えるんですよね。その背景とか、めちゃめちゃ綺麗なものが多くて。それにオープニングの月のムービーも本当に綺麗ですよね。

中村:そうですね。僕が思ったのは、ゲームをする側が飽きずにいろんなところで楽しめる要素があるということ。もちろんメインストーリーもですけど、そこから派生するサブストーリーも良くて。読めば読むほど深く知れるのが楽しいですし、ものすごく綺麗で素敵だと思いますね。そして僕らはそれを全部踏まえた上で舞台をやれた方がいいと思うんです。だから勉強しなくちゃいけないことはいっぱいあるなと。

ゲーム作品を舞台化する上での難しさや楽しさをどう捉えていますか?

中村:何が一番大変かって、現実に存在しないキャラクターを人間化することなんですよね。でも逆に楽しみなことは、しっかりリスペクトを持ってキャラクターの核を守っていけば、ある程度広げていける〝余地〟というのがあって。その余地を僕らがどうやって広げるか、それこそ司にしかできないホワイトもあるし、夢叶にしかできないスノウがあるし、新くんにしかできない賢者があるように、僕にしかできないブラッドリーがあると思っているので。ただ単にそれぞれのキャラクターを演じるというよりも、キャラクターを現実に持ってくる作業なんじゃないかなって思っています。その作業は大変でもあるけど楽しくもあるし、それを観ていただく方にどう思ってもらえるかを知れるのは毎回勉強になります。

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奥田さんはいかがですか?

奥田:僕、料理を作るのにハマっていて。ゲームの中ではおまけ的な要素というか、ミニゲームという扱いなんですけど、そこで信頼度が上がったらキャラの秘密が見られたりするんです。でもさ、あれオーブンすごく難しくない?

田口:あれはマジで難しい(笑)。

奥田:全然レベル上げられないんだよね……。

新:あれ1回も大成功したことないもん。

奥田:あれはどうやってやるんだろう、っていうのはずっと悩まされてますけど(笑)。

中村:クレーム言うな!(笑)

奥田:クレームじゃないです(笑)。

一同:ははは(笑)。

奥田:きっとゲームのキャラたちも普段から料理をやっているので、そういう普段の生活についても考えながら演じていきたいなって思いました。

新:僕は衣裳が楽しみです。僕の役に関してはあんまり変わらないと思うんですけど、魔法使いの衣裳ってゲームの中には何種類もあって。それが全部オシャレなんですよ。魔法使いたちがその衣裳を着るのかが楽しみです。

実際にビジュアル撮影で衣裳を着てみていかがでしたか?

新:みんなそのまんまで、感動しましたね。

田口:本当に細部までこだわっていただきました。スノウ、ホワイトは襟にアクセサリーが付いているんですが、そこまでめちゃめちゃ細かく制作してくださっていて。ベストのボタンデザインもすごく可愛かったです。だからこそ、公演を観にきた時にはぜひ細部まで見てもらいたいです。

中村:僕は左手にたくさん指輪を着けているんですけど、実はどれがどれだかまだちゃんと理解できてなくて(笑)。

一同:(爆笑)。

中村:これだけは間違えずに着けなくちゃいけない(笑)。それにピアスもしてるので、ピアスもつけ忘れたらまずいなと……。あと、ブラッドリーは耳が切れてるんですけど、本番までに時間があれば切ってきます。

田口:すごいことを言いましたね(笑)。

一同:はははは(笑)。

中村:もちろん冗談ですが(笑)、そういう傷とかにも忠実なんです。指輪とかもイラストと本当にそっくりなんですよ。きっと作ってくださってると思うんですけど、どうやって揃えてくれたんだろうと思うアイテムばかりで。そういう細かいところまでこだわっていただいてますね。

衣裳部の愛が詰まっているんですね。

奥田:本当に!

新:愛しかないですね。

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奥田さんにレースのカーテンから顔を出させる田口さん。表情や画角にまでこだわって撮影されていました!

皆さんは初共演も多く、今日初めてお会いした方もいらっしゃると聞きました。なので『まほやく』に寄せて皆さんの〝特性〟などを自己紹介していただけたらと思います。作中のキャラクターのように〝寒さに強い〟などありましたら教えてください。

中村:中村太郎です。空気読むのが得意です。周りがピリッとしたときにはその場からすぐ離れます。もし止められる範囲のピリつきなら止めに行きます。以上です!

一同:ははは(笑)。

田口:じゃあ次は僕。田口 司です。ホワイトとスノウは北の国のキャラクターなんですけど、僕は寒いのがめちゃめちゃ苦手です。割と自由奔放なタイプなので、太郎くんに嫌われないように頑張ります。めちゃめちゃ自由に生きているので……(笑)。

中村:いいと思います(笑)。

奥田:スノウ役の奥田夢叶です。ホワイト役の司くんとは普段から仲が良いです。趣味も一緒です。だけど、ダンスは俺の方が下手です……。そこを頑張ります(笑)。

田口:そんなマイナスな自己紹介ある?(笑)

では一つ、強みも。

奥田:強み!? 身長は僕の方がでかいと思う。

田口:おい!

中村:身長気にしてるんだ(笑)。

奥田:僕の方がでかいよね? たぶん。

中村:どっちでもええねん!

一同:はははは(笑)。

では新さん。

新:新 正俊です。えっと、人の懐にすぐに入れます。

中村:本当?

新:本当ですよ。大体の人のことが好きになっちゃうタイプです。

皆さんタイプが全く違うので、とても面白いカンパニーになりそうだなと思いました(笑)。

田口:そうですね(笑)。それに、他の国のキャストさんたちがどういう方なのか分からないから、そこもすごく楽しみだなって。

皆さんは初めましての相手でもすぐに馴染めるタイプでしょうか?

新:最初は人見知りを発動するんですけど、それこそこれは僕の特性というか、分かったらそこに溶け込めるタイプではあると思っているので、そこを上手く使いたいなと。

中村:上手く使える(笑)。

新:言い方悪かったかな(笑)。

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奥田さんは田口さんを観葉植物越しに撮影。グリーン越しの素敵な笑顔をカメラに収めてくださいました!

作品世界にちなみまして、皆さんが魔法を使えるとしたらどんな魔法を使いたいですか?

中村:今って、舞台をやるのがすごく難しい世の中じゃないですか。その中で、観に来てくださる方もたくさんいらっしゃるんですけど、やっぱり僕らは同じ場所で同じ時間を共有したいという思いがあって。だから、実際に来られなくてもお客さんの視覚や聴覚とかだけを劇場に持ってこれたらいいのにって思うんですよ。そうやって一緒の時間を共有できる魔法というか仕組みを考えたいですよね。VRとかもあるじゃないですか。でもそうじゃなくて、実際そこにお客さんがいてくれているっていうのを映像で観られるようになればいいな、とか。それはきっと演じる僕ら自身のモチベーションにもなると思うんですよね。これは魔法というより、技術的な願望みたいになっちゃうと思うんですけど(笑)。そうしたらみんなが幸せになれるかなって。……さっきチョケたんで、真面目にいかせていただきました(笑)。

一同:(笑)。

近い未来、本当に実現しそうな気がします。

中村:そうですよね。みんな舞台が好きでやっているし、こういうタイミングでも前向きに作品を作れること、素晴らしいキャストや強力なスタッフさんたちが集まって動き出せることって、めちゃくちゃ素敵なことじゃないですか。だからこそ、舞台というエンタメがより盛り上がればいいなという思いがあります。

田口:すごい名言。めちゃめちゃ僕らのハードルが上がった(笑)。

奥田:じゃあ次は僕で……! 僕、外見を自由に操作できる魔法が欲しいです。例えばスノウとホワイトだったら〝大人の見た目になれる〟とか。役者にとって、何にでもなれるってめちゃくちゃいい武器だなと思うんです。おじいちゃん役もいけるし、赤ちゃん役もできちゃうみたいな。

顔や見た目が年齢相応になったりする魔法?

奥田:そうですね。しかも身長まで変わっちゃって! とにかく自由自在に、声まで変わる魔法を使ってみたいです。

田口:いいね。でもそうだな〜。ちっちゃい頃からずっと憧れてた魔法は、身体能力を上げる魔法。走るのが速かったり、跳躍力が高くなったらいいなって思ってました。世界大会とかにいきなり現れて、ブワーって走って1位。ハイジャンプとかも全部出場しては1位を獲って名前だけ残して去る……みたいな(笑)。きっと身体能力上がると舞台上でも映えることがたくさんあると思うんですよ。僕、アクロバットをやっているんですけど、この人の動きができたらいいのにって思う先輩もいたりして、僕もできるようになりたくて。身体能力を上げるような、ステータスアップの魔法が欲しいです。

では最後に新さん。

新:えーっと……モテる魔法が欲しいです(笑)。好きになってもらいたい人に、確実に好きになってもらえる魔法が欲しいです。

田口:万人に好かれる、みたいな感じ?

新:そうそう! 男女問わず、仲良くなりたいなって思う人みんなに好きになってもらえる魔法が使えたらいいのにって思います。

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ありがとうございます。では最後に、舞台を楽しみにしていらっしゃる皆さんにメッセージを。

奥田:『魔法使いの約束』というゲームは、キャラクターひとりひとりにこれでもかっていうぐらい特徴があって、それぞれの過去のエピソードが深く描かれていて。まだ第1章だと全員は出てこないので、魔法使いは10人で、(真木)晶くん入れて11人。最終的に全員が出たらどうなるんだろうって考えると、今から楽しみです。まずは第1章を観ていただいて、この作品の〝濃さ〟に浸っていただけると、自分達もすごく頑張れるので、ぜひ観てほしいです!

田口:このゲームはシナリオが本当に面白くて。台本から受け取るものプラス、そのビジュアルや空間、いろんなものを含めた要素を役者として意識して表現していけたらなと思っています。原作を大切に、しっかりと舞台に立てたらなと思っています。

新:すごく素敵な物語に加え、若手からベテランの方まで並ぶキャストになっているので、その中で一緒にお芝居できることをすごく光栄に思います。そんな皆さんに負けないぞという思いと、みんなで一つの作品を作ることを楽しみながらやっていけたら、きっとお客様に楽しんでいただける作品になるんじゃないかなと思うので、楽しみにしていただきたいです。

中村:このタイミングでみんなと素敵な作品作りができること、本当に嬉しいです。すごく幸せを感じています。この作品は舞台化するに当たってたくさんの期待を頂けている作品だと思うので、皆さんの『魔法使いの約束』という作品に対する期待を裏切らないような舞台にできたらいいなと思います。本当に素敵なメンバーが揃っていますし、僕らも楽しみながら稽古をさせてもらいます。5月14日から銀河劇場で上演しますのでぜひ楽しみにしていてもらいたいです。よろしくお願いします!

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(写真左から)
しん・まさとし 1999年9月6日生まれ、大阪府出身。
おくだ・ゆめと 2001年4月27日生まれ、広島県出身。
たぐち・つかさ 1997年4月9日生まれ、東京都出身。
なかむら・たろう 1996年10月5日生まれ、千葉県出身。

舞台『魔法使いの約束』第1章

【日程】2021年5月14日(金)~5月30日(日)
【会場】東京・天王洲 銀河劇場
【原作】『魔法使いの約束』/coly
【脚本・作詞】浅井さやか(One on One)
【演出】ほさかよう
【音楽】坂部 剛
【振付】本山新之助
【出演】
<中央の国>オズ:丘山晴己、アーサー:北川尚弥、カイン:岩城直弥
<北の国>スノウ:奥田夢叶、ホワイト:田口 司、ブラッドリー:中村太郎
<東の国>ファウスト:矢田悠祐、ヒースクリフ:加藤大悟
<西の国>シャイロック:山田ジェームス武、ムル:橋本汰斗
真木 晶(賢者):新 正俊、クックロビン:星乃勇太、ドラモンド:平川和宏
ヴィンセント:今 拓哉
上野聖太 川口大地 山口敬太 杉山諒二

公式サイト
公式Twitter

©︎coly/舞台まほやく製作委員会

テキスト:田中莉奈
写真:田代大樹

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