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『Sparkle vol.43』校條拳太朗ソロインタビュー

「CODE1515」でドラマ初出演を果たした校條拳太朗。本誌『Sparkle vol.43』では、和田琢磨との対談で作品の思い出や魅力をたっぷり語ってもらったが、ここではさらに踏み込み、これまで舞台をメインフィールドに活躍してきた校條に、映像の芝居を経たことで感じた思いを聞いた。
舞台と映像、それぞれの見せ方を知った今だからこそ、芝居へのアプローチにも変化が生まれていきそうだ。

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ドラマで芝居するご自身を俯瞰で見たとき、舞台での自分とは違う存在だと感じたりはしましたか?

校條:もう、全然違う感覚でした。舞台にカメラは無いし、お客様はワンシーンしか見られない。舞台ではそこで全てを見せられるように役者は努めるし、声や体の向きを意識して“演じる”という感覚なんです。
でも映像では、“演じる”をどれだけ削ぎ落とせるか、ということが大切でした。

2.5次元舞台はむしろ作り込みが重視される。ナチュラルさを追求する映像とはギャップが大きかったのでは?

校條:そうですね。原作ものだと、元々のイメージや既存のキャラクターがあるので、それを作り上げることに注力しますよね。でも映像の場合は、原作の要素を残しつつナチュラルにしていく……ということが必要とされる気がします。

映像作品を経たからこそ、改めて気付いた舞台の魅力は?

校條:やっぱり、物語の頭からガーっと結末までいけるのが舞台の熱というか。“短く太く”という感じで、僕はそれがすごく楽しいんです。始まりから終わりまでエネルギーを思いきり出せる。そこが舞台の好きなところですね。とにかくお客さんに直接伝えていけることが楽しいんです。
舞台では本番中のやり直しはきかないですけど、“同じものを何公演もできる”という意味では、テレビドラマに対して少しだけ切なさを感じました。すごく楽しみにしていたシーンも、撮り終わっちゃったらもう二度とやれないという。役としての気持ちがまだ残っているのに、このシーンはこれで終わりか……という切なさがあって。でも同時に、そこが映像のいいところなのかもしれないなとも思いました。

今後も映像作品への興味などは生まれましたか?

校條:それはめちゃくちゃあります。これまであまり体験してこなかったし、新鮮だからというのがあると思うんですけど。
感覚として、“お芝居であってお芝居じゃない”というのが、すごく気持ち良かったんです。ナチュラルに演じられた時、自分の中に役の感情がリアルに生まれたというか……自分の辛さや喜びに芝居が直結したので、すごく楽しかったですね。またいつか経験したいなと感じました。

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『Sparkle vol.43』にご登場いただく皆さんにお伺いしている共通質問です。校條さんが悩んだ時に相談する相手はいらっしゃいますか?

校條:僕はあまり人には相談しないかもしれないですね。部屋で1人、「うー」とか言いながら頭抱えて悩みます(笑)。
悩みつつも、他のことで気を紛らわそうと何かをして、そのうち忘れてる、みたいなことが多いです。そしたら気が楽になって、もう1回挑戦してみようって感じですかね。
だから一度リセットして、忘れるタイプ(笑)。そして何回か挑戦してるうちにやっとできるようになったりとかして。

校條さんのリセット方法は?

校條:ゲームしたり、YouTubeで猫や犬、動物の動画を観たり……自分の好きなことをします。あとは配信サイトでお笑いの番組を観たりとか。

稽古中、壁にぶつかったりしたときはどうされるんですか?

校條:僕、持ち帰ります。持ち帰って家でひたすらやってます。上手くできないところ、そこだけを家でひたすらやる。
許される限りは稽古場でやらしてもらえたら一番いいんですけど、僕一人のためにそこまで時間をとってもらうわけにいかないので。あんまり上手くいかないなと思ったら、家で納得いくまでやり込みます。

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過去作品のDVDを見返したりはしますか? ご自身の芝居を振り返るなど。

校條:観ますよ。その作品で共演していたメンバーで集まったりとかして。このご時世なので今はできないですけど、以前は僕の家で共演作品を再生しながら、一緒に「変だなー」とか言い合う上映会しましたね(笑)。
いつも『ツキステ』(2.5次元ダンスライブ「ツキウタ。」ステージ)という作品で集まることが多いんですけど、その中でも仲田博喜さんと会うことが多いですね。あとは上仁 樹さんに輝山 立さんとか。
やっぱり1回共演して仲良くなると、結構そういう付き合いができたりします。人見知りなので、そうなるまでが長いですけど……。

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お客様と対面される舞台としては、自粛期間明けの7月が久々の公演でしたね。

校條:前回の舞台から半年弱ぐらい開きましたね。やっぱり舞台のやり方は体に染み付いているんですけど、でもこのドラマを撮ってからの舞台はすごくお芝居がしやすくて。舞台稽古をしていて感じたんですけど、演劇のオーバーな芝居の中でも余計なものを取り除けたというか。
(和田)琢磨さんとも、「映像やったあとの舞台、やりやすくない?」みたいな話をして。そういうお仕事一つ一つが繋がってるんだなって思いました。きっと、芝居のことをより細かく、俯瞰して見られるようになったのかもしれないです。

今まで通りの有観客舞台はもちろん、配信舞台や無観客舞台も増えていく昨今、変容していく舞台空間に対して思うことは?

校條:お客さんのリアクションが僕らにとっては糧になるので、やっぱり客席にいらっしゃるお客さんが半分になってしまったりするのは、ちょっと寂しい部分もあったりはしますね。
配信舞台でも、その場にはいらっしゃらないですけど、上演後に感想やお手紙を頂いて。改めてお客さんの存在の大きさを感じました。声や存在、その一つ一つが力になるな、というのが実感としてありました。

それこそこの期間に始まった配信舞台には、一種映画やドラマっぽさを併せ持った舞台作品も出てきた印象。校條さんが今後出演される作品にも、半分映像向きなお芝居が求められるものも出てくるかも、と思いました。

校條:確かに。舞台上だけど、今までとはお芝居の形がちょっと変わる可能性はありますよね。映像作品みたいに表情がアップで抜かれたり。それはちょっと怖いですね(笑)。今までやってきた“舞台”という場所でクセを削り落とさないといけないというのは、ドキドキしますね。
それに舞台では常に、お客さんに声が届かなかったら、見えなかったら……ということも考える。ベースとして発声は絶対に舞台の張り方だし、体の向きや殺陣の大きさ、動きの大きさはお客さんに向けて伝わりやすいようにやっているので。むしろブレーキみたいなものなんです。“お客さんに伝わらない”という事故が起きないためのブレーキ。
もし映像の要素が入ってきたら、そのブレーキを踏まずに行かなきゃいけないということにもなるので、それは怖いですよね。でも今後は映像と舞台の両方が合わさった作品が確かに出てくるかもしれないし、備えないとですね。

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最後に、これから控える舞台を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。

校條:こういう時代ですので、こうなる前のようにすることは難しいと思うんですけど……この世界で生きる1人として、舞台が残り続けるように僕にできることを全力でやっていきたいと思います。
少しずつ演劇の形も変わってくるとは思いますが、変わらずに皆さんに届けたいです。そのためにも自分の表現したいものをお客さんに100%届けられるよう、僕は僕自身にできることを頑張っていきます。
だから皆さんにも、楽しみに待っていただけたらなと思っております。きっと時代はどんどん変わっていきますが、それも含めて一緒に楽しんでいきましょう!

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めんじょう・けんたろう
1990年11月2日生まれ、岐阜県出身。最近の主な出演作に、2.5次元ダンスライブ「ツキウタ。」ステージ シリーズ 睦月 始役、音楽劇「Zip&Candy」ステイ区長役、舞台『DARKNESS HEELS~ THE LIVE ~』ウルトラマンベリアル役、舞台『宇宙戦艦ティラミスⅡ』~蟹・自分でむけますか~ スバル・イチノセ役、舞台「炎炎ノ消防隊」 カリム・フラム役など多数。2021年3月に舞台「元号男子」の出演を控える。
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テキスト:田中莉奈
写真:増田 慶
ヘアメイク:久慈真史

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