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残念だがお預け!風呂上がりのビール;飲酒運転撲滅に協力します。

先日、地方の市会議員が交通事故を起こしたが、議員からは規定量以上のアルコールが検出された。

令和の時代になってもまだ飲酒運転をするものがいることに驚きだが、普段は理性的な人物であっても、アルコールが人格を変えてしまい、善悪がつかなくなるケースは後をたたいない。

今思えば、飲酒運転に寛容だった時代は本当に恐ろしいことだったと思う。

誤解を恐れずに言えば、20年前の健康ランドやスーパ銭湯のビジネスモデルは、飲酒運転を黙認したビジネルモデルだったといえる。

ビールの販売地域1番を画策した酒屋のはなし


私は、2000年にスーパー銭湯の開業を目指す会社に、企画リーダーとして入社しました。

会社の本業は、お酒の大型小売店です。

ある日、社長が地方の温浴施設の裏口で生ビールの空樽を回収するトラックを見かけ、その本数を見て、風呂屋は相当ビールで儲かると確信して出店を決めたのです。

お客様の大半は車でやってきます。駐車場を200台分確保して、予想どおり大繁盛しました。

20リットルの生樽が、多い月には100樽以上出ました、中ジョッキに換算すると約5500杯、ビールの売り上げだけで250万ほどありました。

勢いに乗って、2号店、3号店と店舗拡大をしました。

この頃の繁盛していた温浴施設は、どこも大型居酒屋店を凌ぐ、地域1番のアルコール提供店だったでしょう。


酒屋だけに、その強さは肌感覚でわかります。3つの市で地域1番店の飲食店を自前で抱える小売店となったのです。

本末転倒の駐車場喧嘩事件

ある日駐車場で、お客様同士の喧嘩があり、仲裁に入りました。

当店を利用して外に出ようとした車と、入庫してきた車が接触しそうになり、それが原因で取っ組み合いに発展していました。

先に手を出した、入庫してきたイカつい運転者が

”こっちは、子供も乗せてんやぞ、危ない運転するな!”

と、まくし立てています。

しかし、この運転者、少々アルコールを引っ掛かてから運転してきたようで、酒の臭いがします。

矛盾だらけの言い分です(お前が一番危ないやろ)

一方、帰ろうとしていた車の運転手も、当店でフロ上りに一杯やっているようで、とても複雑な思いでした(あまり、強く言えない!)

結局、これ以上揉めるのであれば、警察に仲裁してもらいます!の言葉で、双方引さがりましたが・・・

施設の駐車場は、私有地なので道交法的には問題ないかもしれませんが、明らかに飲酒して運転して来た者と、これから飲酒運転で帰る者という構図は笑い話にはなりません。

いくらヒートアップした頭でも、冷静に考えれば自分達が面倒なことになることは理解できたようです。

飲酒運転製造装置

 言い訳にはなりせんが、まだ飲酒運転の罰則も、社会的な姿勢も甘かった時代の出来事です。

福岡の悲惨な事件を契機に、世論も真剣に飲酒運転の愚かさに厳しくなり、交通法も厳しくなりました。

道交法改正後、店の駐車場から出た一本道で、頻繁に検問が行われるようになりました。

ゴキブリホイホイの如く、懲りない面々が、反則切符を切られ、洒落にならない罰金を徴収されたようです。

 お客さんの中には、

”お前の店は、飲酒運転検挙率向上協力店として、表彰されるんちゃうか!!”

などと揶揄する人もいましたが、こっちはこっちでそれどころではありません。

売上が激減する上に、飲酒運転幇助(ほうじょ)店として、摘発でも受けたら大変です。

券売機や、カウンターには運転者のアルコール提供はできない旨のPOPを貼って、猛アピールです。

日本中のスーパー銭湯の売上は減りましたが、この20年で、交通事故の死亡事故は3分の1に減りました。

今までの緩い考えが間違っていたのはいうもでもありません。

牧歌的な時代は儲かったかもしれませんが、人の命には換えられません、過去に反省ですね!

コロナが明けると同時に飲食店も活気を取り戻しています。しかし、車社会の地方では代行運転の減少もあり、なかなか厳しいものもあります。


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