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星野哲朗 LA CASA

この個展開催の直前に、原因不明の心不全の発作の為、緊急搬送され救命措置を受け、生死の境をさまよわれ、無事生還された星野さん!
本当にたいへんな経験をされたのにそんな事少しも感じさせない展覧会でした。見事に乗り越えられて現在はリハビリをしながらお元気に何事もなかったように過ごされております!
そんな星野哲朗さんでしたが、作品のエネルギーの濃密さには誰もが驚かされました。ヨーロッパのどこかの国の建物を正面に見据え、綿密であったり、省略も入ったデザイン的処理を施したりと、緩急のメリハリをつけたテクスチュアを巧みに描いた魔法のようなテクニックを見せて下さいます。
建物だけではなく街の風景等を描いた画面内には、星野さんが描かれたモチーフがパワフルに満載されていて圧倒されます。空に浮かぶ雲も星野さんの独特な迫力ある色合いです。
星野さんの絵の構築的に組み立てられた画風からは、知的な作業の結果生み出されたもの、という事を思わずにはいられず、周到な図面が背景にあるような作品は誰にでもできるものではありません。
また、透明なガラスや小鳥を描いても魅力的。小さな画面におさめられたワイングラスもショットグラスもオリーブオイルの瓶も私たちの生活の中に自然と参加する様です。
感覚的なものが、先にインスピレーションとして感じ創作を始めるタイプの人にとっては、(またそういったタイプのかたが大多数と思われますが、)全く逆の発想かも知れませんが、星野さんが、もし一方の感覚的発想をするタイプの人だったら・・・・という感じを掬い取り、そのインスピレーションを星野さんの潜在的な能力に組み入れてこなしてしまう事等というとんでもない事ができたなら、新たな星野作品が生まれるのではないかという期待と言いますか妄想でしょうか、想像がとまりません!
その根底には優しさを湛えて豊かな才能で活動を続けられる星野哲朗さん、エネルギーを要するお仕事ぶりですが、ずっとお元気に素晴らしい作品を描き続けて頂きたいです。

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