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H3ロケット試験機1号機打上げ失敗原因調査状況についてサマリー

  1. 失敗原因及び現在の課題

  2. R5シングル構成部分に焦点を当てた検討プロセス

  3. 腐害事象についての調査結果

  4. PSC2の設計思想についての疑問

  5. DX的に不具合を予見することが重要であるという議論

内容:

  1. 失敗原因及び現在の課題について、2段分離後に起こった不具合について報告され、原因究明について検討が進められていることが明かされた。

  2. R5シングル構成部分に焦点を当てた検討プロセスにおいて、短絡と散絡を要因とした調査が行われ、不具合の可能性について優先度が示された。

  3. 腐害事象については、直接的な原因は発見されなかったものの、要因の可能性について注目していると説明された。

  4. PSC2の設計思想についての疑問について、海口先生からH3ロケットの冗長構成や仮電圧の監視が説明された。

  5. DX的に不具合を予見することが重要であるとの議論があり、シミュレーション技術や情報技術を活用する必要性が示された。 決定事項: - 追加の調査や検討が必要であることが確認された。 - 地上での検証方法について、環境条件を厳しくするか抜本的に変えるか検討が必要であることが示された。 - AIを用いた発生可能性の未然探知に進んだ対策が必要であることが提案された。 ネクストアクション: - 失敗原因の特定を進めるため、各部品の内在可能性を調査することが決定された。 - 監視機能やショートの起こりやすい状態の把握について、追加の調査が必要であることが示された。

H3ロケット打ち上げ失敗の原因究明について、調査報告が進行中であることが明らかになりました。失敗の原因は、2段目のエンジンに着火信号を送る際に電圧電流の異常が検知され、エンジンが停止したことによるものです。原因の特定のため、R5シングル構成部分に焦点を当てた検討プロセスが行われています。

R5~1までの段階に分け、R5を最も優先的にマークすべき点とし、R4から下も排除せず網をはりながら検証していくとのことです。

短絡や散絡が原因である可能性が高いとされていますが、具体的な原因はまだ特定されていません。

調査では、腐害事象についても検討されていますが、直接的な原因は発見されていません。また、調査の中で、PSC2(2段目の電源システム)の設計思想についての疑問が提起されましたが、冗長構成や仮電圧の監視が行われていることが説明されました。これにより、仮電圧が付加されたままエンジンが使用されると、エンジンにダメージを与える可能性があるため、電源遮断機能が必要であることが明らかになりました。今回も冗長設計自体が問題を引き起こしたとは考えておらず、詳細な検討のため、広い視野から可能性を排除しながら継続的に検討を進めているとのことです。

さらなる調査と検討が必要とされており、地上での検証方法についても、環境条件を厳しくするか抜本的に変えるか検討が必要であることが示されました。また、AIを用いた発生可能性の未然探知に進んだ対策が必要であると提案されました。

原因究明はまだ完全ではありませんが、今後は打ち上げ前に地上検証を充実させることが重要であるとされています。また、シミュレーション技術や情報技術を活用し、DX的に不具合を予見し対処する必要があるとされています。そういったアプローチも将来の設計には含めていくべきだろうという議論も考えている。


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