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好きじゃないって言えないアーティスト

私にとってそれはサザンオールスターズ(桑田佳祐さん)です。

我が国はあまりにも「国民全員サザン(桑田さん)好き」というバイアスかかりすぎてて、好きじゃないって言えない。

「サザン好きじゃない」と言った時の、相手のリアクションが目に浮かびます。

私「サザンってあんま好きじゃないんですよね」

相手「え?なんで?」

理由を聞かれると思います。

サザンが好きじゃないのには理由が必要なのです。

私はただただ「自分はあんま好きじゃない」だけなのに。

私だって、わざとサザン嫌いなわけじゃありません。

私だって、高校くらいまでは、自分もサザン好きって思っていました。

でも、日常のあちこちでサザンがひょっこり顔を出すたび、小さな違和感をおぼえるのでした。

カラオケでサザンの曲で場がめっちゃ盛り上がってる時、内心ひく。

サザンの曲が流れるCM、「またサザンか」って思う。

私の好きなアーティストと桑田さんがコラボした曲、イイって思えない。

それでも、自分がサザン嫌いなんて思わなかった。「もしかして」と心に疑念が浮かびかけては、「そんなはずはない」と強く否定しました。私もサザン好きだ。好きに決まっている。そう言い聞かせていました。

しかし、ある時「自分はサザンが嫌い」とはっきり意識せざるを得なくなりました。

それは中村雅俊さんの「恋人も濡れる街角」が、桑田さんが作詞作曲した曲だと知ってしまった時です。

私は中村雅俊さんの歌だいたい好きなのに、なぜかあの歌だけとてもイヤだったから。

そういえば、サザンのあの曲も、あのCMも、あのドラマの曲も…。

ヒットしてるし、みんなも好きだから聞いてるだけで、私、本当は好きじゃないや…。

ああ、私は、サザン(桑田さん)好きじゃないんだ!!

自分の嗜好にけっこう驚くと同時に、人に言えないなぁとぼんやり思いました。

なんで?って思われるし。それに、自分の周りにぜったいファンいるし。その人たちに「はァ?」って思われる危険おかしてまで「サザン好きじゃない」って言えない。言いたくない。

サザン好きじゃないだけで、日常は少しだけ、生きづらくなるのです。

私の場合はサザンですが、他にも「ぜったいみんな好きでしょ!」っていうアーティストがダメな人はいると思います。

カーペンターズが大の苦手な人とか。

別に全体的に洋楽嫌いとかじゃなく、ふつうにビートルズとかクイーンとかマライア・キャリーとか好きだけど、カーペンターズは無理。

そんな人いる?

いや、いないとは限りません。

うーん。もしいたら、日常でみんなに合わせるの大変ですよね。どんなに避けてもどこかでかならず聴こえてくるし。心中お察しいたします。




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