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「方丈記」における無常

鴨長明が作者の「方丈記」を見てみましょう。


行く川の流れは絶えずして

しかも本の水にあらず。

よどみに浮かぶうたかたは、

かつ消えかつ結びて久しくとどまる

ことなし

世の中にある人と栖(すみか)と、

またかくのごとし



訳すと、生きとし生ける生命も

途絶えることなく繰り返し転流するが

元のままではない。

生まれかわりはどこに生まれるかしれない。

すべての生命体の生まれ変わりは

生と死を繰り返すが

同じことの繰り返しは難しい。


要は、また人間として生まれ変わるのは

難しいと言っています。

鎌倉時代は飢餓や疫病が続き、

源平の合戦もあって戦火が絶えず

大変な時代でした。

台風や竜巻などの自然災害も起き、

天皇をはじめ、神職、住職、全員が

ひたすら祈りました。


が、いくら祈っても何の効果もなく

私たち人間はどんな仕組みの中から

今生生まれてきたのか?

その答えもわからないまま

享年62歳で鴨長明は筆を置いています。

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