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分かりやすい、天の南極ってなに!知れば知るほどワクワクする世界

  天の北極とか天の南極って何?


北半球には天の北極の位置に北極星があるので目印となります。
でも、南半球には天の南極の位置に見える星がない、つまり南極星はないのです。
ですから目印になるとすれば南十字星でしょう。

写真:南米チリ・アタカマ高地5000mのアルマ電波望遠鏡建設地の著者


ところで、天の北極とか天の南極って何でしょうか?
簡単に分かりやすく言うと、
私たち地球にいる人から見ると、夜空の星は天の北極と天の南極の位置を中心に回っているのです。
ですから、動かない場所なので目印には良いのです。

天の北極では星は時計の回る方向とは逆に、天の南極では星は時計の回る方向に回っている。



4つの天の南極のさがし方

北半球の場合は、天の北極の位置に北極星があるので便利です。
南半球では、天の南極の位置に目で見える星がないので天の南極の位置をさがさなければなりません。

天の南極のさがし方には、4つの方法があります。
一つ目は、南十字星を使う方法です。

次の写真で、南十字星の縦の赤い棒を南十字星の下側に4.5倍すると天の南極。

著者の講演会資料より


二つ目は、ケンタウルス座とみなみじゅうじせい座を使う方法です。

次の写真の通り、南十字星の縦の線をズーっと長く伸ばします。
それからケンタウルス座のα星とβ星間の中心から垂線を伸ばしていき南十字星からきた線と交わる点である交点が天の南極。

著者の講演会資料より


三つ目の天の南極をさがす方法は、大マゼランと小マゼランを使う方法です。

次の写真の通り、大マゼランと小マゼランを接続し底辺とした正三角形の頭の部分である頂点が天の南極の位置。
私たちから20万光年くらい離れている銀河を使って天の南極の位置を見つけるって凄いですね。これは目視観測としては、一番遠い天体の組み合わせだと思います。
こんな観測していると、自分の考えの小ささかげんに嫌になりますね(笑)!

本当に肉眼で、こんなに広い宇宙を使っての観測って、他にはないでしょう!

著者の講演会資料より


最後の四つ目は、明るい一等星2個を使う方法です。

次の写真の通り、この空近辺では大変に明るい、りゅうこつ座の一等星カノープスとエルダヌス座の一等星アケルナルを線で結び、ここを底辺とする正三角形の頂点が天の南極の位置。

著者の講演会資料より


どのみつけ方も特徴があって楽しいですが、あえてお勧めするとしたら、一つ目の南十字星を使ってのみつけ方です。
これは南半球の方々も使っている簡単な方法で、しかもこの中では正確です。
でも、折角・南半球に行く機会があったなら、やはり大小マゼランを使って20万光年の世界にふれるのも良いと思います。

著者の講演会資料より


是非、天の南極さがしを楽しんで頂きたいです。

写真:著者


今日のお話しどうだったでしょうか?
折角ですので、ご家族やお友達に説明してあげてください。

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