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【レビュー】マッドネスハート2
※ネタバレなしのレビューのため、安心してお読みください。
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規模が広い会場で動き回りながらの体験型演劇は経験があったものの、少人数での公演は初めてで少しの不安もありながら会場を訪れた。
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会議室のような小さい部屋で中央にテーブル。おそらくこの机を囲み何かが行われるのだろう、と予想はついた。マーダーミステリーなどの経験がないためこの空間にまず馴染めるのか不安になった。
参加者は6名。推理は苦手なので、リードしてくれる方がいるのを願う。
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(私は2-3割しか入ってなかった)
まずは机に置いてある資料に目を通す。ドラマで見るような捜査資料でだんだんと「どんな犯人なんだろう」と物語に入っていく。
刑事の海堂(いけだゆうこ)と藤山(藤野友祐)と共に霊媒師(小駒ゆか)に指示を出しながら、犯人を探していく。
気になったのはキャストが全て出てきていること。この3人の中に犯人が?
それともシークレットのキャストがいるのだろうか。
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初めましての人もいたので人見知りをしていたら周りも同じで安心した。「これはチーム戦だから分担した方がいいかも」という刑事の助け舟に乗りつつあっという間の2時間をすごす。時計がなく時間を気にせずプレイできたのが嬉しかった。(時間を気にすると一気にプレッシャーを感じてしまう)
楽しみ方は人それぞれ。
体験型演劇の魅力はキャストと実際に話ができて舞台と客席の境界線がないところだと思う。(話ができない作品もあるらしい)
話をするたび、自分が物語を創るキャストになっている実感がどんどん湧いてくる。そして、全て一人でやらなくていいので、意味がわからなくても参加者の話を聞いていると理解が追いついてくる。
捜査をする作品ならではかもしれないが、文字情報が多いので読むのが苦手な人は楽しめるのだろうかと(私も含め)考えた。
やっているうちに気づいたけれど、私は思考するのがどうやら苦手らしく途中で「推理が好きな人に任せよう」と情報を整理し聞く側になっていた。
周りがスイスイ捜査してくれるので「なるほど!そういうことか!」と物語の流れを追うことに集中できた。
得意なことは得意な人に任せる。
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みんなで話し、協力する。
ここに体験型の醍醐味が詰まっている気がしてならない。友達と話すような距離感で、まるで私もキャストになったかのように接してもらえる。参加者の中には口調も刑事のように真似ている人もいて幼い頃によくやった「ごっこ遊び」を思い出した。私も自然と相手に合わせた話し方になっていて懐かしさを覚えた。
なりたい人になりきっている間、私は私であることを忘れられる。誰かになりきることで言える言葉がある。
そして、この作品は「個人戦ではなくみんなで物語を進める」と冒頭でお知らせがあった。嬉しいと思った瞬間があって、私がボソッと「〜じゃない?」と呟いた時に刑事が「それ、言ってみたらどうだ」とアシストしてくれた。言っていいんだ、この言葉が物語を進める鍵なんだ、と思えたのがすごく嬉しかった。
また、言葉に詰まった時も周りの参加者が「それ、もっと想いを届けて!」「別の言葉で言うと?」と私の言葉が出てくるのを待ってくれたことに優しさを感じた。
答えを言うのは簡単だけれど、あえて言わない選択は本当に難しい。
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終わった後の爽快感
推理モノは、何と言っても犯人がわかった時の達成感が生まれるのが強みだと思う。ここまでの過程が身を結んだという安堵もある。
一人ではできないことでも、誰かがいたからできる。誰かがいないと辿り着けない。
キャストも含め全員がスッキリして会場を後にしたことだろう。
自分が登場人物になる経験が気軽にできる、劇場と客席という分かれた世界では創れない物語がある。
再演の機会があればぜひ体験してほしい。
【公演情報について】
2023/8/5(土) →終了しました
Q&Aも書いてあったので、安心して楽しむことができました。
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