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 【One Room ⇔ dramaS -落下する記憶-】公演前日〜体験日。3日間の記録。

公演前日。通し稽古。最後になるかもしれない役。今まで2役を経験したけど、観劇日のキャストとは別キャスト。全てが新鮮。稽古と本番は違うし、本番で初めて会うキャストもいる。

同じキャストでも、受ける感情と影響は全く異なる。


そしてまた、同じシーンで泣いている。




初日、2022/5/7

仕事終わりに全力でダッシュし会場へ向かう。
会場の飾り付けを行うキャストと共に、準備をする。

舞台ってこうやってできあがっていくんだ...

通し稽古のような感覚。まだ本番だと信じられない。
キャストとして関わらない作品だけど、一緒に作ってる。そんな感じがする。おもしろい。(interesting!!)


どんな人が来るんだろう。
どんな物語になるんだろう??
何を感じるんだろう。


19:30。関係者になるお客様が次々と到着。
楽しみが溢れている人も、雰囲気が読めない人もいる。
話してくれるかなぁ、楽しんでくれるといいなぁと思いながら席に着くのを見守る。

10人の関係者が揃う頃には、キャストと関係者での会話が始まっていた。


一息つき、会場を見回した瞬間。

涙が溢れた。


...え???  まだ何も始まっていないのに?

自分で自分の体の反応に驚く。感動していた
初日、本番、関わるはずのなかった日々。
見取り稽古ができた感謝。稽古に連れていってもらった日。

さぁ、稽古で何度も見た風景が今日はどうなるだろう。
聞き慣れるはずのなかった、聞き慣れたOPが流れてくる。

稽古のときは誰が話しているのか聞こえた内容も、15名が揃うとあっという間にかき消される。

関係者に必要な情報を渡しながら、会話を楽しみ、公演時間も調整するキャストの凄さ。
お客様も「俳優なの??」と思うほどの素晴らしい会話と決断。

即興って凄い。誰でもできる。


サポートする側はすごく大変なんだけど、それも含めて面白い。(実感中)

終演後。キャストが「この関係者とこんな会話したんだよ!! こんなことがあってさぁ、素晴らしかった...」と関係者と紡いだ時間をキラキラとした目で語る。
子どもみたいで、お客様と俳優で作る醍醐味がそこにあった。

次の構想も聞けた。まだまだ可能性があるし、探究できる。次はどんな形で関われるだろうか。
いつかキャストとして必ず出たい。俳優の経験をもっと積みたくなった。

人と向き合う喜びを、感動を、感情の変化を経験したい。

5/9 体験。パーティの「関係者」になる


夜ご飯をそそくさとすませて早めに会場へ。
稽古で、通しで、本番を見てついに私もこの世界へ入れる。ワクワクが止まらない。



※ここからネタバレです!!!!




後悔しない方だけ読んでください。
キャストの方々にも届けたかったので書いてしまいました。

【松久アキラ】の視点。
同じ回にいた方、同じ役を演じた方にも届くといいなぁ。





初めましての池田レゴさん!!! 
ガッツリ絡む松久アキラ役を願う。

関係者は来場してキャストを割り振られる。


「それではあなたは今から...」

こい、こい、こい!!!

松久アキラさん です!」

きたー!!!!   想いが通じた!!!


松久秀太郎の子ども。男性でも女性でも通じる名前にしているのはどの役でも同じ。

松久の視線を感じたような気がする。通しで何度も見た席、でもそこは明らかに「パーティ会場」だった。
本番の力ってすごい。演劇は生き物。

耳では何度も聞いた言葉を実感する。





設定を改めて読む。大学生ね、サユリに憧れてて写真が好き。写真は見せて、と言われるまで見せないから隠しておこう。
父の偵察に来てるのね。ふむふむ。復習。改めて読み、池田レゴさんを観察する。


怖さと嬉しさで目を合わせられない。バッチリ捉えられてる気がする!!!!


どんな会話から始まるんだろう。
通しではWキャストの小島さんと経験したけど全く違うんだろうな。

すでに会話は始まっている。他の関係者との会話を聞いていて、父が近づいてくるのに気づけず。
(視界に入っていただきました、ありがとうございます!!)


バチ、と目が合う。見えない火花が散った、気がした。

何でここにいるんだ」

ステータスが決められた。私は下だ。

おぉぉ、怖い... エネルギーが伝わってくる。ゼロ距離の威力。
マスクしていてこの迫力、、なんてすごい威力なんだ...


全力で生きると腹をくくる。


アキラの書いていない情報が落とされる。
おぉ、こう攻めてくるんだね...


「見せなさい」

名札と渡されたアイテム、写真を見せる。


すっごくイラッとした感情が芽生えたから、上目遣いで見てたら「なんだその目は」といちゃもんつけられたから、さらに怒り倍増。

うますぎる。おいしい役だ。このピリピリした空気が私たちだけに生まれている。
あぁ、良き。このイライラはいつまで続くのかなぁ。

これからどうなるんだろう。最後、どうなってしまうんだろう。

サユリさんが挨拶に来てくれて、アイテムの写真を褒めてくれた。
これ、布石かなぁ。

松久が奥で二見さんと話してる。通しで見てたから料亭の人っていうのは知ってるんだけど、それ以外にも設定あるよねぇ。

物語の中でわかるのかなぁ。



父、ハナさんと話してる。え、なんかイヤリング触ってるけど何なの???
気があるの?????
ハナさんもまんざらでもなさそう。
主婦って言ってたよね??
あとで探ろう。これ、予想外すぎる。



関係者の紹介が始まる。案の定、私の紹介は気まずい感じ。学歴高いんだよねぇ。

サユリさんが来てくれた。
「私と松久さんの関係...なんか疑ってる??」
疑ってるも何も、サユリさんは潔白でしょう!!
ハナとの関係を疑ってます!!!!

でも、イヤリング触ってるの見なかったら違う回答になったかもな、なんて。


席を移動した時にたまたま隣にいた四条さんに写真の話をしてみる。



「趣味で一眼やってるんですけど、最近ポラロイドにも興味あって〜、亀ちゃんの持ってるカメラ、あれ20万くらいするんじゃないかなって」

四条さん
「えー!そうなんですね、カメラ詳しいですね!」

流れで桃井くんとスリーショット。
亀ちゃんに撮ってもらう📸
ジャンケンしたけど、どのみち四条さんに写真はあげるつもりだった。私はもう充分にこの世界を楽しませてもらってる。
喜んでくれてるといいな。


五味さん(ハナの友人)ハナさんと3人でおしゃべり。
「松久さんとは飲み友っていうか〜」

冒頭のことは聞きたい、が聞けないのでそれとなく探る。写真をどう思っているのか、私のことは?

「松久さんて不器用だからさ〜、うまく言えないんだよ。そういえば誕生日プレゼントの話! 3日でわかる数学の本あげたんだって?しばらく口聞かなかったらしいね〜。ないよね、誕生日にそれはないわ、って言っといたよ」

おもしろすぎる。

「そうなんですよー!! ほんと、ひどいですよね!!!」

五味さんも大爆笑。 普通にお茶会してるみたい。

ハナさん
「そいやさ、今度うちのスナックで一緒にお酒飲みなよ。お酒入ったら話せるかもしれないじゃん? ゆうたろう(五味さん)も来なよ」


「確かに、男性いたら話しやすくなるかもしれないですね!」

カオスすぎる!!! おもしろすぎる!!!




自然と会話ブースが2つに分けられる。
私が座ってた席は父が使うスペースらしい。
「さぁ、皆さん」と関係者を誘導しながら、私には無言で「あっちに行きなさい」とジェスチャーのみで指示。

ムカつくー!!!
ビンタしてやりたい!!!

天才か、、こっちのイライラをさらに高めてくれるじゃないか!!!!!



名刺アイテムを持つ関係者たちによる名刺大交換会。


4枚もゲット!!


「そういえばアキラちゃん、写真撮ってるんだよね?」

サユリさんの一言で写真を見せると「おぉー」と感嘆が漏れる。
そして呼ばれる。父がいる方へ。
これからだ...
怖さと共に席に着く。
サユリさんに言われ、写真を見せると同じく関係者からも感嘆が。

父は後ろにいたので忘れてた。「いやいや皆さん...」
どん底。落とされる。
黙りこくる私を目の前にいる九重さんがたまりかね、「でもお子さんには支援をしないんですか?」と父へ聞く。
(九重さん、声がけに救われました!!と感謝の意を伝える。思わず泣いちゃったよ、俳優さんですか?と聞かれた。私も影響与えてたのね!!!! ありがとう、九重さん大好きです😌)

「学生の本分は勉強ですからね」
はーーー、このイライラ持ったままラストを迎えるの??


写真撮る理由を聞かれる。

「...人生をかけたいって思ってるよ!!」
絞り出す。父は影響受けるか?

「そんな理由か」
影響されないんかーい!ですよね。
でも、亀ちゃんの目線が険しい。あれ、嫉妬されてるの??
(実際してた、と終演後に大盛り上がり!!)

「亀ちゃん、君はどうだ?」
模範解答の亀ちゃん。満足げな父。

これ... 私はどうなっちゃうの?




ラストに差しかかっても父の目が見れない。
「クソ親父!!!」
ハナさんが代弁する、しかも2回も。

私が言いたかったこと言えない...

「お前は、私が間違ってると思うか?」

一度曖昧にしたら、追い討ちをかけられた。覚えてないのが悔しい。


「少なくとも、今回は間違ってると思うけどね!!」


ステータスが逆転する。顔を背け、座る父。
す、、すごい...

エンディングまで完璧。隣に座った父の顔を忘れられない。きっとこれから私たちは再生していく。
ハグしたかった。


終演後に二見役の方から個人的ネタバレ!!!
おおおお!!!!
だから二見と話す父の雰囲気が違ったのか...
劇中では語られない真実。伏線がすごい。


体験を終えて

素晴らしい感情の旅をさせてもらった。
本当にありがたいこと。
いつかぶつかる日が来るかもしれない怖さ。

でも、ちゃんと話せば伝わるのかもしれない。
信念があってこの街にいるんだと。
無謀だけどやるしかないんだと。

ここでの経験がインプロの学びにつながりました。ステータスで遊び、相手を変化させる面白さと影響を受ける自分の楽しさ。

またきっとすぐに会える。その時は何をしているんだろう。
明日が千穐楽。
スペースで沢山の話が聞けるといいな。

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