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薪ストーブのパン★Bread made by woodstove★

アメリカで猛烈な寒波のニュースを聞きながら、マイナス50℃ってどんな状態なのか、現実的な想像がつかない。一方のオーストラリアでは猛暑で49.3℃を記録したらしいけど、こっちも想像がつかない。モスクワで飛行機を降りた瞬間の寒さなどを思い出したりしながら、想像だけではわからないことが多いよなあと思う。百聞は一見にしかず。体感は体にも記憶に残り、わかった、も、わからない、も、両方を教えてくれる。

最近よく薪ストーブが話題にのぼってちょっとドキドキしている。もしや近々、我が家にやってくるのかも?!と思いたくなるくらいにいろんな情報を聞いたので、そんな機会が来たならさっさとオーブン付きの薪ストーブを買うことに決めた。薪ストーブって手間はかかるけど優秀だ。オーブン付きならいろんなものが作れるし、想像するだけで楽しい。ジョージアでもオーブン付き薪ストーブが働いていたので親近感がある(笑)

ということで、私がジョージアで見たオーブン付き薪ストーブの話。それを見たのは、ジョージアの首都トビリシから第二の都市と言われるクタイシへの移動中、バスが停まったドライブインにあった食堂の厨房で。

★魅力的な人がたくさん働いていて、明るいキッチンだった★

ミニバスは長距離を移動するのだけど、日本のバスと違って決まった時間もないし、どこかに停車してもどのくらいいるのか、何をするのかわからないことも多かった。だからいつもドキドキしながらとにかく降りて、見られるだけのものを覗いていた。この時はなんだかちょっとのんびりしていて、はなちゃんが食堂があるみたいだから見てきますと歩いていったので、じゃあ私はこっち、と窓からのぞいたら、こんなふうにパン生地を触っていたのだけど、はなちゃんが見に行った食堂の厨房だった(笑)

このお姉さんは大きな生地から一枚分ずつ切り取って、丸い形に仕上げていいるところ。きれいに発酵した生地。なめらかで美味しそうで、手際が良くて素敵なので写真を撮っていい?と聞いたら快諾してくれた。そうしたら、横からニコニコおばさんが出てきて、焼き上がったばかりの丸いパンを見せながら3本の指をつき出した。このパンは3ラリらしい。『焼きたてよ、おいしいわよ』アツアツのパンを見せながらこんなふうに言われたならば、買わずにいられない。しかも3ラリ。100円もしない。安い。

ということで、はなちゃんと私で一枚購入。間にチーズを挟んだ薄いパンだけど、直径30㎝くらいあったので、一人で食べようと思うとけっこうなボリュームである。

★パンの全体像を取り忘れて。こちらはバスのシートで食べる直前の図★

厨房には6人くらいの女性がいた。この付近に住んでいる人が働きに来ているのだと思うけれど、座って電話している人もいれば忙しく動いている人もいて、それぞれ個性的な感じがしていいな、と思った。活気があって明るくて、独特なマイペース感がある。トビリシで行ったおいしいレストランの厨房と雰囲気が似ていた。美味しいものが出てくる雰囲気が満々だ。

★中はけっこう広い。左手に食堂がある★

私が覗き込んだ窓はけっこう大きくて開けっ放しだったから、食堂には入らずに、ここから手渡しで買っていく人も少なくなのかもしれない。厨房の中が見渡せて面白い。写真の手前に見えているのは、このパンを焼くためのオーブン。薪が積んであるんだけど、上に煙突が伸びている。これこれ、これだ。オーブン付きの薪ストーブ。

★使いこまれた道具はいつ、どこで見ても面白い★

積んである金物の丸い皿はパンを焼くための型で、これに生地を伸ばす。二次発酵はしなくて、成形したらそのまま焼いていたと思う。焼き時間も短かい。オーブンに入れて蓋をして待って出した!と思ったら焼きたてをビニール袋に入れて渡してくれた(街のケーキ屋さんみたいなところで買ったケーキもビニール袋に入れて渡されたけど、なんの問題もなかった。箱と違って中で動きようもないので、逆に手軽でいいなあと思った)。

ちなみにこのパンは生地の間にたっぷりチーズが挟んである。チーズはフレッシュな感じの伸びないもので、シンプルな塩味。イメージとしてはパン生地を使った大きくて薄いお焼きみたいな感じと言ったらいいのかな。なのだけど、発酵した生地なのでふんわりもちっとしていて、しっかりパンの味がする。トビリシでも同じタイプの同じく焼きたてを買って食べた。手軽でボリュームがあって、冷めたら冷めたでおいしい。トビリシのは少し塩味が強めに感じたけれど、ここのはちょうどよかった。小麦の味も香りもちゃんとあってチーズもおいしい。これにワインがあったらそれでもう充分。無いものねだりするわけじゃないけど、日本にはあまりないから、こういう手軽さと安心感は本当に贅沢だと思う。

★ドライブイン?の全貌。真ん中のエメラルド色の建物が食堂★

今回はあまり地方に行く時間もなく、ゆっくりした滞在ができなかったこともあって、このドライブインや移動中の風景がかなり印象に残っている私。どこにでもある普通の食堂なのかもしれないけれど、壁や床のタイルの感じも面白いかったし、食堂でごはんを食べてみたいし、ここは機会があったらまた行ってみたい場所のひとつ。といっても、ここがどこだったのか地名もお店の名前も分からないのだけど。

うちにオーブン付き薪ストーブが来た日には、こんな感じでパンを焼いてみみることにしよう。意外と簡単に焼ける手作りパン。オーブン付き薪ストーブがあったら鬼に金棒な気がするし。

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