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4月8日は花まつり

世の中、コロナウィルス関連のことで大変なことになっていますね。外出そのものができなくなるという、ストレスMAXな感じですが、罹患すると本当にヤバいですし、感染力が強いですし、これも仕方ない状態だと思います。1日も早く終息して欲しいです。

そんな中ですが、昨日の4月8日は花まつりの日でした。

花まつりというのは、お釈迦さまの誕生日に、「誕生釈迦仏」を祀って、みんなで甘茶をかけてお祝いする、というものです。正式には「灌仏会」と言います。日本には一言で仏教といっても数多くの宗派がありますが、この日ばかりは、ほとんどのお寺でも甘茶かけをしていると思います(日蓮宗以外で、という記述も見られますが、そうでもないようです)。

この「誕生釈迦仏」、僕らは敬愛を込めて「シャカタン」と呼んでいますが、これを祀る小さなお堂(花御堂)が作られ、屋根にはたくさんの花を飾ります。花まつりと言われるようになったのは近代のことのようで、花のたくさん咲く時期、ということからのようです。

シャカタンは平らな洗面器みたいな金属の器(浴仏桶、灌仏桶)の真ん中に立てられ、桶は甘茶で浸されます。その甘茶を柄杓ですくってシャカタンの頭からかける、というのが定番です。

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なぜ甘茶を頭からかけるのか?お釈迦さまは母親のマヤ夫人の、なんと脇腹から生まれたといいますが、すぐに立って、東西南北に7歩ずつ歩いて後、右手で天を指さし、左手で地を指さして、「天上天下唯我独尊」と言ったと伝わります。

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その時に天から龍が甘露を釈迦の頭に降り注いだ、といい、それを再現しているようです。花御堂は釈迦の生まれたルンビニーの林を表している、とも言います。

古代インドや古代中国でも、日本では推古天皇の時代という古代から行われ、今もほとんどのお寺で行われているということは、シャカタンがたくさん世の中にある、ということでもあります。

最も有名なのは東大寺のシャカタン。こちらは奈良時代のもので、なんと国宝です。東大寺らしく、シャカタンにしてはビッグサイズ。今は実際に使われることはなく、これを模したものが使われています。東大寺ミュージアムで見ることができますし、東大寺に関わる各地の特別展にもよく登場します。

シャカタンはお寺によって表現や造形が様々です。自分的には、鎌倉・東慶寺のシャカタンがNo.1です。非常にカワイイです。

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右手の指が残念ながら折れてしまっているようでうすが、右腕の上げ方が何とも言えず子どもっぽい。顔の表情もかわいいですね。大きさが違う仏足石の上に立っているミスマッチな姿もたまりません。

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シャカタンのよくあるパターンとしては、右手上、左手下は絶対として、裸もしくは薄い布、というのがありますが、あと「螺髪」があるものが多いです。先述の東大寺の国宝シャカタンも螺髪があります。しかし考えてみて下さい。生まれ落ちたばかりの子が、なぜチリチリパーマなの?って感じですよね。釈迦の螺髪は苦行の末にそうなったというものです。まぁ生まれる子は大変な苦労の上に外界に出てくるので、修行といえば修行ですが。。。笑 にしても生まれてすぐチリチリパーマはおかしい。見慣れちゃってますけどね。 

そういう意味では、東慶寺のシャカタンはかわいい上に、頭はツルツルで、リアルに赤ちゃんです。お隣の浄智寺のシャカタンはツルツルな上に全裸なのでもっと徹底していますねー。

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来年にはコロナも収まっていると期待しつつ、皆さんもぜひ各地のオリジナリティ溢れるシャカタンを訪ねてみませんか?


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