見出し画像

深読みの朝「フレンチ・トースト

朝食にフレンチトースト。それで思い出すのは1979年に上映された「クレイマー、クレイマー」。深読みがいろいろと出来るこの作品ですが、父子で過ごす最初と最後の日の朝、フレンチトーストを焼いているシーンを象徴的に入れてきています。なぜここでフレンチトーストなのでしょうか。映画では小道具や料理がメタファーを含ませてくるのが常套手段です。なのでちょっと調べてみましょう。
以下Wikipediaより引用。

フレンチ・トーストはフランス語でパン・ペルデュ、すなわち「失われたパン」(フランス語: pain perdu)と呼ばれる。ミルクや卵に漬けることで硬くなったパン(失われたパン)を「生き返らせる」ものであることがその理由である。

…この作品も色々とセリフや小道具で深読みの出来る作品ですが、最大のキーアイテムは「フレンチトースト」です。
最初はろくに焼けもしなかったフレンチトーストを最後はリズム良く綺麗に焼き上げる。それでもこのフレンチトーストを焼く作業、つまり2人で過ごす朝は最後になる事は決まっています。焼き上がったあと、2人は抱き合い最後の朝を閉めようとします。
喪失と復活の連鎖を象徴しているとでも言えばいいのでしょうか。映画の最後、2人というより親子3人がどうなるのかをぼやかしていますが、見えない結末は観ている観客の心次第なんでしょうね。そう思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?