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深い闇の底にある石

心地よい暗さと何も見えない暗さ。

そのどちらを選ぶ?と言われたら、あなたはどちらを選ぶだろうか。

ちなみに今の私は後者である。

何もしていないのに誰かに中傷されたり、大きい不幸に出遭う時、人はとても深い闇に落ちていってしまう事がある。そういう時、人は心の病になったり、自ら命を落としてしまう。

今の私が望んでいるのは、そちらの深い闇ではなく、深海のような暗い闇の中だ。その中に落ちている石を拾いたい。

深海はとても暗い闇で構成されている。先ず人が辿りつけないようなところにある深海。だが、それでも生物は棲んでいる。そんな深海に沈んでいる石を拾いに行きたいのだ。

もちろん石は比喩である。もう忘れてしまった記憶。それは楽しい事だったり、辛い事だったりする記憶。それを私はわざわざ拾いに行きたいのだ。

楽しい思い出の隣には必ず辛い思い出が一緒にいる。

それでも、私はその石を拾いたいのだ。たとえその暗い闇の底で苦労した結果、運悪く辛い思い出しか拾えなかったとしても、それでもいい。それもまた私の思い出であり、私の生きてきた履歴でもある。

私は、私が生きてきた証明が欲しいのだ。


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