2人暮らしの話。


ヒモを飼うことになった話。
(字面がすごく悪い、正確には彼氏が仕事を辞めた話)

私の彼氏はとんでもない社畜だった。
日付を超えて帰れればまだ良い方で、次の日の昼〜夕方に帰宅することもザラなくらいの厳しさだった。
しかも週6勤務。どうなってるんだ労基は。

自称メンタル鬼強の彼氏が精神的に参ってる姿は見たことはなかったけど、でもこんな勤労状態じゃいつ病んでもおかしくないなという危機感はあった。親しい友人の中に、仕事のせいで精神を病んでしまった人がたくさん居るし、なんでもなさそうな人がある日突然おかしくなってしまうことがあることも知っていたから。

会うたびに、「養ってあげるからいつでもうちにおいでね〜〜〜」って話を冗談でしていた。

4月の初め、彼氏と電話で話していて、
「本当に無職になってもいいの?お世話になっていいの?」と聞かれた。
私は「もちろん」と答えた、と思う。
このとき正直本当に辞めるとは思っていなかったけど、でもうちで一緒に暮らすならそれはそれで楽しいよな〜と楽観的に考えていた。

その後も2人で何度も話して、どうやら本気で辞める気でいることが分かった。
そしてざっくり言うと、GW明けから彼氏は仕事をボイコットし始めて、うちに完全に住みつき始めた。
(ボイコットせざるを得なかったこと、うちに住みつき始めた理由は色々あるのだけど、長くなるしプライベートなことでもあるので省きます)

なあなあで始まった2人暮らし、正直言えば不安がないわけじゃなかった。
私の部屋は一人暮らし用の1Kで、いくら好きな相手でも狭い部屋で四六時中一緒に居たら、流石に嫌になってしまわないかな。お互いにプライベートの時間が欲しくなるんじゃないかなと考えた。
でも同時に、そんなのどうとでもなると思った。
いくらでも回避できると思った。
嫌になりそうなら、その前に引っ越せばいい。
それくらいの経済力も行動力もあるつもりだから。

2人で住むには狭い部屋で一緒に住み始めて、ひと月経った。
結果から言うと、今のところ何も嫌になっておらず、むしろかなり楽しい。
私が仕事に行っている間に家事をほとんどやってくれるのが本当に助かるし、日中はお互い別々に過ごしているから、ずっと一緒に居すぎて疲れることも今のところはない。
平日夜、家に帰ると「おかえり〜」と言ってご飯を作って待っていてくれる。
夜ご飯を食べながらアニメやホラー実況なんかを一緒に観て、眠くなったら寝る。

なんだこれ、最高の生活じゃないか。

もともと、年末年始などの長い休みに4-5日一緒に過ごすことはあって、その時だって全然嫌じゃなかったし、今の生活はその延長線上にあるという感じがする。今までと違うのは、休み明けに寂しさを感じつつもそれぞれの自宅に帰るということが無くなったこと。

下北沢で無職のヒモを飼う、字面は最悪だけど、でもなんかいいじゃん、という気持ち。
友達全員に胸を張って言える話ではないけど、でも長い人生の中でそういう時期があっても面白いのかなと思う。だめかもしれないけど、でもこれは私が好きなタイプのワクワク感。
後から思い出して、「そんな時期もあったね〜」「なんだかんだ楽しかったよね〜」と言い合える思い出になればいいな。

この生活はいつまでも続く訳じゃないんだろうなと思うから言えることでもある。彼氏はいつまでも人の世話になっているタイプじゃないから。多分。
彼氏のそういうところは信じている。
信じている上で、今はとにかくのんびり休んでほしいなという気持ち。社畜生活で失った時間、プライベートの時間を今からでも取り戻してほしいと思う。

人生なにがあるか本当に分からないけど、なんだか楽しくなってきた。
また何かあれば書こうと思う。

おしまい。




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