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初めての歌舞伎と10回目の歌舞伎

昨年の春ごろに初めて歌舞伎を観て興味を持ち始めた初心者だけど、8月で10回目の観劇となったので記念の文章を残しておこうと思う。

興味をもったきっかけ

もともと劇団★新感線が好きで、たまたま客演として出演されていた10代目幸四郎さん(出演していた時は染五郎さん)に目を奪われた…というのがきっかけ。何を観てそう思ったのか忘れてしまったけど、(他の方には失礼ですが)ひとりだけ何もかも素晴らしくて、この方の本業の歌舞伎とはなんぞやー!となったのです。

最近は出演されていないですが、劇団★新感線に出演されていた幸四郎さんは本当にかっこよかったので、機会があったらぜひゲキ×シネで観てみてください。どれもおすすめですが、「朧の森に棲む鬼」「髑髏城の七人〜アオドクロ」が特に大好きです。

また劇団新感線の幸四郎さんが観てみたい!

あとは歌舞伎座に手頃な値段の席があると知ったこと。確かに値段が高い席があり、席の質と値段は比例するので、お金持ちの趣味だなとはつくづく思うけど、お金をかけなくても十分に楽しめることが分かったのが大きい。

観る演目を決める基準

毎月昼夜公演を観るわけにいかないので、観る演目は出演者と演目で決めている。素人なので演目の細かいことは分からないので、お知らせがきたところで演目の内容を調べて面白そうとか有名な作品とか、そういう感じで決めてる。

と書きつつ…基本的には、出演者>>>演目です。10代目幸四郎さん、8代目染五郎さん親子がとにかく見たいので、この2人が出演するとなったら演目は関係なく観る!特に染五郎さんは、そこまで頻繁に出演されないので出る演目は(個人的に)貴重なので必ず観るようにしている。

2017年4月 初めての歌舞伎

四月大歌舞伎 昼の部3階B席
・醍醐の花見(だいごのはなみ)
・伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)
・一谷嫩軍記 熊谷陣屋(いちのたにふたばぐんき くまがいじんや)

1人で観に行きました。すごい緊張しました(笑)。どうふるまえばいいんだろう~素人まる出しなんじゃないか~(実際そうなんだけど)などなど、不要な緊張をしていた。今思うと笑い話だけど、変な行動してると白い目で見られるんじゃないかとそわそわ…。今では、歌舞伎座に来られている方の大半は自分の楽しみで忙しいので、他のお客さんなんて気にしていないということが分かるので、そんなに心配しなくて良かったなと思う。でも、初心者じゃないと感じられないことなので良い思い出!

肝心の内容に関しては細かいことはほとんど覚えていない。

覚えていることといえば…

①醍醐の花見
3階B席からだと舞台上部が見切れて、鐘?に乗った役者さんが見えなかった。

②伊勢音頭恋寝刃
幸四郎さん(当時は染五郎さん)は、ダメな若旦那役がすごく似合う。若旦那風の着物が素敵だった。立ち振る舞いが優雅で惚れ惚れする。

③一谷嫩軍記 熊谷陣屋
初めて「みえ」と「大向こう」を体験。歌舞伎に来たことを実感する。舞台上でずっと座ったままの役者さんが微動だにしないことに感心する。

という…浅い感想しかなかったけど、とにかく楽しかったことだけは鮮明に覚えている。

・幸四郎さん(当時は染五郎さん)が歌舞伎の舞台でも、とっても素敵だったこと。

・眠くならない!
飽きて眠くなるかと思ったけど、観ていて飽きない…とにかく飽きない。不思議!

・衣装が豪華でわくわくする。
衣装が豪華絢爛で凝っていて、最高!!舞台装置や小物も凝っていて、細かく作り込まれているものが好きな身としては、見どころがたくさんで目が足らない。

・歌舞伎座場内がとっても楽しい。
歌舞伎座のなかは、お土産屋さんや食事処、売店とか色々あるんです。幕間はお弁当を食べたり、お土産屋さんで人形焼き買ったり、アイスア食べたり(食べ物ばっかり(笑))、お祭りに来た気分で楽しめる。ちなみにビールとかワインも売ってるので飲酒も休憩時間ならOKなよう。
個人的に今まで行ったことがある劇場で歌舞伎座が一番楽しい!

舞台とあまり関係のないところだけど、歌舞伎を観に行くこと自体が楽しめる、歌舞伎座を楽しめる、素晴らしい空間だなと思う。

安くピンポイントで観るなら幕見という方法もありますが、やはり歌舞伎座の中に入りたいので、観たい演目があるときはチケットを取って入るようにしている。

2017年8月 10回目の歌舞伎

八月納涼歌舞伎 第一部 3階A席
・花魁草(おいらんそう)
・龍虎(りゅうこ)
・心中月夜星野屋(しんじゅうつきよのほしのや)

8月の納涼歌舞伎がちょうど10回目の観劇となった。

8月の納涼歌舞伎は時間が短く値段もいつもより安いので、お手頃価格の席は発売日初日にほぼ売れてしまう。特に幸四郎さんと猿之助さんプロデュースの東海道中は歌舞伎会では既に購入できなかった…残念。それでも何とか一部と三部はチケットが取れたのでラッキーです。8月の前半に1部を観に行ったのですが、それが10回目の観劇となった。

・花魁草(おいらんそう)
久しぶりに上演される演目だそうです。年上の女性と年下の男性のピュアな愛情物語。セリフもストーリーも分かりやすくて、とても見やすかった。ラストは健気な女性の愛にうるうるっときました。

・龍虎(りゅうこ)
幸四郎さんと染五郎さん親子による龍と虎の舞です。第1部はこれが楽しみで、直前の幕間から緊張していた(笑)。幸四郎さんが龍、染五郎さんが虎です。
ちなみに生で毛ぶりを観るのは、これが初めて。
染五郎さんしかほとんど観ていなかったですが、120%いや200%の力を出し切って演じているのが伝わってきた。虎の気迫があるかと言われると、まだにゃんこな感じもしますが(素人が偉そうに…(笑))、大技を演じた後でもクールな表情でしんどさを見せないところは素晴らしい!普通はあそこまで動いたらゼーハーなるだろうにと思うのだけど!本当にお疲れ様でした!!また何年後かに再演してほしいです。

・心中月夜星野屋(しんじゅうつきよのほしのや)
中車、七之助、獅童…人気俳優が共演するコメディタッチの演目。これも花魁草同様にセリフが分かりやすく素直に楽しめる内容。
獅童さんの女形は初めて観ましたが、貫禄があって役とぴったり合っていたように思う。七之助さんは安定の美しさ。女性の色気が感じられてとても素敵な女形でした。個人的には七之助さんの立役がもっと観たいなぁ…と密かに思っています。

10回歌舞伎を観てみて…

素人感想ですが、初めて観たときよりは役者さんの個性や、演目が作られた背景等に注目できる余裕が出てきた。 現代の舞台でよく使われている装置や手法のベースが歌舞伎だったということもあるようで、とても奥が深くて面白い芸術だなと思います。

今後も好きな役者さんが出演する演目を中心に観ていこうかなと思っています。 あとは同じ演目でも役者さんでどう変わるのかが分かるようになりたいなと思う!

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