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むずしい言葉や漢字が苦手な人へ

むずかしい言葉や漢字を得意そうにしてる人って、
「なんでそんなに言葉を知ってるの?」と聞くと
『知らない言葉を知るのが楽しいから』
とか言ってるよね。

そういう答えを聞くと、
「私はまわりの人と比べて、言葉とか漢字とか
覚えられない。だからあんまり楽しくない」

って思うから、
むずかしい言葉や漢字を好きになれないよね。
「覚えよう」って思わないよね。

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『知らない言葉を知るのが楽しいから』
って聞くとなんだかその人が、
『知らない言葉を知ったときに、喜びを感じるんだよね!』
なんて言ってるように聞こえるから、
「すごいなー。私には分からない喜びだなー。
やっぱり私には、言葉を覚えるのは向いてないんだなー」

って思うよね。

でもね、知らない言葉を知って、いちばん嬉しいのは、
その言葉を知ったときじゃないんだよ。

いちばん嬉しいのは、
『その言葉にもう1度、再会したとき』
なんだよ。

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たまたま覚えてた漢字の読みを
お母さんに褒められて嬉しかった。
もっと知りたい!

たまたま知ってた四字熟語を
小学校の自己紹介文に書いて先生に関心された。
もっと知りたい!

友達が何かを伝えようとしているけど、
「あれが…」とか「そういう感じのやつ…」とかばかりで、
まわりに伝わっていない。
代わりに私が説明したら、友達もまわりも喜んでた。
たくさん知ってて良かった!

たまたま言葉を知ってたから、小説や台本の文章で、
登場人物の気持ちをより細かく理解できて、
頭の中のイメージがハッキリして、
お芝居も上手になった。知ってて良かった!

でも、まだ分からない言葉がある。
もっと理解してあげたい…知りたい…!


++++++++++

こんなふうに、言葉が得意な人は、
たまたま褒められて、褒められるのが楽しいから、
学校で習うよりも先にむずかしい言葉を覚える。
それでまた褒められて、褒められたから思い出に残って、
それが今もずっと続いてるだけ。

スタートダッシュがたまたまちょっと早かっただけで、
たぶん特別に頭が良いのでも、記憶力が良いのでもない。

それと同じように、むずかしい言葉や漢字が苦手なあなたも、
たぶん特別に頭が悪いのでも、記憶力が悪いのでもない。


だから、知らない言葉に出会ったときは、
「覚えよう」なんて思わなくていいんだよ。

覚えようと思わずに、
「その言葉との再会を夢見て」欲しい。

「いつ使えるかな?」
「私のまわりで、この言葉を知ってる人はいるかな?」
「この言葉、聞いたことあるけど、どこで聞いたっけな?」
「今度はいつ会えるかな?」とか。

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言葉と再会したとき、忘れちゃってることもあると思う。
「なんだっけな…うーん、ごめんなさい。
思い出せない…。私、頭悪いから」
って言いたくなる気持ちは分かるけど、
事実はそうじゃない。

だって、特別に頭が悪いわけじゃないから。
2回や3回見かけただけの言葉は、
絶対に覚えられないんだから。

きっと、自分は頭が良いと思ってる人は
『2〜3回見かければ覚えられるよ』
って言うと思う。

でも違うから!!!!

そいつはただ、知らない言葉と出会ったときに
『こういうときに使えるな』
『どういう人がこの言葉を使うだろうか』
『あいつに自慢してやろう』
『祖父がむかし言ってたっけな』
『こういうの、クイズにしたら面白いだろうな』
『漢字オタクのあいつは知ってるかなあ』
『小さい子に説明するときはどうしようか』
『あのときの思い出、この言葉で言い表せられるかも』
『あの人に言ったら褒めてくれそう…』
って、頭の中でいろんな使い方を想像して、


『想像の中で何度も再会してる』だけだから!!!!


そうやって、新しく知った言葉を、
いつ使ってやろうかと機会を狙っている。
もし使えたら、楽しい。関心されたらもっと楽しい。
他人の言葉を深く理解できたら喜ばれるから、楽しい。

そんな喜びがクセになってるから、
「なんでそんなに言葉を知ってるの?」
と聞かれたときには
『知らない言葉を知るのが楽しい』
だなんて思って、答えちゃうんだよね。

++++++++++

ほら、そう言われたら、
むずかしい言葉や漢字が得意な人が、
特別に記憶力が良いわけじゃないって、分かるよね。
(というか、勉強全般に言えることだね)


現代にはネットがあって、誰でもすぐに辞書を引けるし、
知った言葉を通話でいつでも人に話せる。
日記帳開いて言葉の使い方を練習しなくても、
Twitterですぐに言葉を試せる。
すぐに褒めてもらえるし、
間違ってたら教えてくれる人もいる。

特に、「人に教える」という行為は、
いちばん自分の身になるから、
仮令(たとえ)、自分の知識で無くても、
人に教えるのを楽しんで欲しいな。
どこかのサイトの受け売りを教えるときは、
情報元も一緒に教えるのも忘れずにね。

そうやって、言葉を身につけて、
人の気持ちや、物語を理解するのが、
もっと楽しくなると良いよね。

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