相続税税務調査の話 共有不動産③

税務調査官は持ち帰って他の調査項目とあわせて共有不動産の家賃の帰属を検討したようですが、二カ月くらいたって、この論点について、長男の預金の金額の中には父親の預金とすべきものが含まれているのではという回答だけが返ってきたのみでした。

二カ月近くたってそれだけかいと思いながら、なんとも抽象的な税務署の回答で、こういうケースでは割とふっかけてくることもあるので毅然とした態度で「そうであればいくら含まれているのか論拠を持って示して頂ければ確認します」と応対したところ、その後税務署は、この不動産収支の帰属の精査に途方もない時間と労力をかけても落としどころが見えてこないことを理解したのだと思いますが、この件についてはその後全く触れてきませんでした。

結局、税務調査の修正事項は軽微な修正だけで修正申告して終わりました。

親子間で収益不動産の共有は時々見受けられます。この時の家賃の精算は、親子だからといってなあなあにせず、きちんとしておかないと相続の時に非常に大変になることがよく分かりましたので生前からしっかり管理しておくことと、このように収受された預金の帰属に疑義がある場合、税務署もこのような唯一の答えの出ない曖昧なところでは、強硬に修正を求めてくることはないんだなと税理士として経験となった事案でした。






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