日本の所得税は高いのか『その3』
日本の所得税は高いのか『その1』『その2』で所得税と住民税を解説してきました。日本の平均年収ぐらいの420万円で見た場合、所得税の税率は5%住民税の税率が10%で税金がかかっているということがわかりましたが、所得税は思ったより高くない、住民税って所得税よりも高いの!っていう感想をもった方も多いと思います。
でもなんか自分の手取りってもっと少ないイメージなんだけどっていう感覚ですよね。会社員の給料から引かれているのは所得税と住民税以外に社会保険として「厚生年金」と「健康保険」が給与天引きとして引かれています。「厚生年金」と「健康保険」がどういったものかご存知の方も多いのでまた別の機会に解説するとして、「厚生年金」と「健康保険」は年収420万円だとどれくらい引かれるのでしょうか。
「厚生年金」は給与の額によって以下の表に従って負担する金額が決まっています。実は平成29年9月まで毎年少しずつ負担率があがっていったので毎年厚生年金の負担額が重く感じていた印象があったと思います。年収420万円を12ヶ月で割って月収35万円の給与を会社からもらっていたとすると「厚生年金」の負担額は毎月32,940円で年間にすると395,280円となります。所得税と住民税を足した金額よりも大きいです。
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-gaku/gakuhyo/20170822.files/1.pdf
「健康保険」も「厚生年金」同様に給与の額によって以下の表に従って金額が決まっています。平成31年4月分からの健康保険の負担額は、厚生年金同様に月収35万円の給与を会社からもらっていたとすると「健康保険」の負担額は40才未満の場合で毎月17,820円で年間にすると213,840円となり40才から64才の場合で介護保険も加わるため毎月20,934円で年間にすると251,208円となります。
「厚生年金」と「健康保険」足すと日本の平均的な年収の人で年間約60万円負担しているのです。所得税が約9万円、住民税が約19万円ですので数倍の負担に相当します。
日本の平均年収の会社員の手取りの少なさの要因は所得税ではなく社会保険であるということが言えます。日本の所得税は高いというなんとなくのイメージがあったと思いますが平均的な収入の会社員にとって給与から引かれるもので所得税は最も負担が小さく、厚生年金が最も負担が高いです。
額面年収420万円 − 社会保険60万円 − 所得税9万円 − 住民税19万円 = 手取り332万円となります。 毎月35万円の月収の会社員は毎月使えるお金は約27万円となります。ん・・・・・・これに消費税があがって・・・・。
税金の無駄使いということをよくニュースで聞きますが、多くの人にとって本来最も支払っている「厚生年金」つまり将来の年金について知識を増やして学んでいく必要があるといえるのではないでしょうか。
さて所得税は累進課税となっていますので、日本の平均収入420万円で見た場合は税率が思ったほど高くなく、むしろ低いくらいだったのですが、日本の所得税は累進課税なので年収が高い人にとっては高く感じるのでしょう。では年収1000万円あるとどれくらい所得税を払っていて手取りはどれくらいあるのでしょうか。
つづく
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