ポーカーの社長の雑感 2022年末

どうも、そうじろうです。

ポーカーのコンテンツ事業としては国内最大手の3Million Poker Club(3MPC)とポーカー情報マガジンZoomaga(Zoomaga)を運営する会社の社長をしています。

2022年も終わるため、徒然なるままに雑感でも書き留めていきます。

ところで関係ないのだけれど、ポーカーのテーブルでは"社長"というと大金を持ってきたカモのことを指す隠語があり、何とも失礼な話である。
それを含めてポーカーの社長をしていますなんて自己紹介をよくしている。

これは一種の揶揄で、「ポーカーが強いのに」なんて枕詞があって成立するシャレなのだけれど、とはいうものの、最近はポーカーが強い・ポーカープロみたいな肩書でぼくが前に出ていくのも少し違和感もあった。

どちらかというと事業主サイドであって、既にプレーヤーという感じでもないのだが、まぁ他に言い方が無いし”突っ込みどころが少ない”という点におけるポーカーの強さは、今でも損なわれていないのでとりあえずそのままにしている。

ポーカーの強さという点では色々要素はあるけれど、うちの社員にTellとKuzという2人がポーカーのコーチとしていて、彼らとポーカーをするとやっぱり上手いな、というかやりにくさを感じる。

2022年の下半期はマサキングの力を借りて「The Ring」という長丁場のリングゲーム企画(お金を賭けない昔のハイステークスキャッシュポーカーのようなレギュラー企画)を行ったが、それの前半戦は本当にきつかった。
収録ということも踏まえて色々余計なことを考えていたと思う。とりあえず自分の今まで築いたポーカー観を一度崩して作り替えないといけないほどには焦燥していた。

Kuzに自分のプレイがどうだったか、久しぶりに人にアドバイスを求めるくらいには毎週憂鬱だった。

マサキングチャンネル程の影響力や演出の中、収録をされながらポーカーを最適に打つというのは、想像するより遥かに難しい。
そんな崖っぷちの中で下のプレイを出したときは流石に震えた。

全部見るとかなりの長編だが、是非全てを通して、1から順番に見てもらえるとより楽しさや緊張が伝わると思う。
一緒に共演してくれたりゅうたろう君とZakiさんもいい味を出してくれて、非常にいい企画だった。

ん-、書こうと思ってた話がそれてしまった。笑
まぁ1年を振り返るにあたってはマサキングチャンネルは外せない、とにかく彼と常に会ってるような1年だった。

今年の年末年始は去年と違ってのんびりしているので、とりあえず今のところは満喫している。

去年はというと大晦日正月から随分とバタバタしていた。3MPCの代表として正式にアナウンスされたのは2022年の2月だが、昨日の今日でトントンとそれに至ったわけでもなく事業や財務、人員の整理等に追われていた。

そもそも何でこんなことになったかというと、巻き込まれ事故と言う他は無く、全てを計算していたわけではないのだが、まぁ人生の転換点とはいつだって偶然起こったきっかけから始まるものだ。

元々Zoomagaのリソースと統合する構想自体は早い段階からあり、今3MPCの掲示板として使っているDiscordもZoomagaで最初作ったものを一部作り替えている。作成段階での構想は下図で今でも大方針は変わっていない。

事業を引き取るにあたっては、そのタイミングで既にマサキングは立派なスタジオを作り始めていて、是非スタジオとチャンネルを使ってくれという話をしてくれていたことも後押しとして大きかった。

2022年はそういうわけで、マサキングチャンネルと一緒に大きくなってきたのだが、最近は彼の影響力がポーカー界ではないところまで及んできているので我々も置いてかれないように力を伸ばしていかないといけないと思っている。
事業としては多少ポーカーの界隈で知名度が上がっただけの、まだまだこれからのものである。

2022年、チャンネル主のマサキングを除けばぼくは日本で一番ポーカーのプレイを見られた人だと思うのだけれど、演者としてポーカーをやるとポーカーというゲームのエンタメとしての難しさを痛感する。ゲームの魅せ方としての観点で。

ポーカーというゲームは興味深いという意味で面白くはあるのだけれど、少なくとも万人受けするゲームではない。
よく比較されるゲームとして麻雀があり、Mリーグみたいなものをポーカーでも作ればいいじゃん!みたいな話は幾度となくぼくの耳に入ってくるが、ポーカー事業の当事者としては相当工夫が必要だと感じる。

ぼくは麻雀は点数計算すらできないド素人なのだけれどMリーグは見てて面白い。ポーカーはありていに言えば「見てて面白くない」のだ。

詰まるところスポットライトの当たる時間で、麻雀は降りてても役が出来なくとも常に4人ともテーブルの主人公でいられるけれど、ポーカーはそうはいかない。ちゃんとプレイすると降りている暇な時間が多すぎるし、動きや展開も少ない。
麻雀は一手一手ツモるたびに冷や冷やするシーンなどが作れるが、ポーカーは所詮フロップターンリバーの3シーンだけで、画面が動かなさすぎる。

そもそもの展開が少ないから演出として無理な展開を作ろうとすると、ポーカーは突っ込み所が多くなりすぎてしまう。
麻雀は強引に役を作りに行くのもそれはそれでキャラとして成立しそうだけど、ポーカーで常に役を追ってプリフロ参加してしまうのは、あまりにもマイナスだし突っ込み所が多くなりすぎてしまう。

その点でぴょこたんはプレーヤーとしても演者としてもいいバランスですごいと思う。ただあの感じを他の人に求めるのは酷というもの。

退屈にならない、かといってトンチンカン過ぎない見るに耐えるポーカーの配信を長期的に続けるというのは非常に難しいのだ。

また最近は世界のヨコサワを始めポーカーというゲームを見聞きする機会が増え日本でも流行りつつあるが、一時のブームは一旦落ち着きだしているというのが感想である。

やっぱり実際にやってみると華やかに見えるゲームから大分印象が違い、正直かなり忍耐がいるし、おまけに友達と遊びにきてもトーナメントだとテーブルもバラバラ終わる時間もバラバラだし、世の中にはもっと即物的で友人とシェアができて、楽しいゲームは沢山あるのだから。

それでも勿論ポーカーの良さはあって、しかしながらこれ以上の大きな流れを作るのにはやはりメディアの巻き込みは不可欠だと思う。
これまではプレーヤー発の発信が多かったが、そういう目線ではない見方が必要だなと感じる。

昨今インフルエンサーが集うポーカー会のEGPが着々と地盤を固めており、そこの会に呼んで頂いたり、代表とも何度か打ち合わせをしているが2023年に向けて共に動きが起こせたらと思っている。

「ポーカー関係ないトークイベントに人が呼べるようなポーカープロをプロデュースする。」
いやそんなんあり得ないだろ、、なんて思ってしまうが、行き着く先の過程ではそういった段階も通るよう見据えていかなければいけないのだという。
常人が鼻で笑うくらい先を見ていくということで、まぁ自分がそうなるのは想像できないが。笑

コンテンツ面、ポーカーの実際の楽しみ方みたいなところは、ポーカーというゲームを体験させてみるのも大事だが、それよりはポーカーというツールを通じた体験価値の多様化が必要だと感じているし、我々もただポーカーを教えるだけでなくそこへ舵を切っている。

例えば試合観戦する楽しみ方でいえば、「The Ring」は一個の大きな新しい試みだった。野球中継のように気付けばやってて、食らいついて見るわけじゃないけどご飯食べながらヤイヤイ言う、みたいな。

他にも、世の中におけるエンタメ・観戦で流行っているものは格闘技を除けば殆どがチーム競技であり(勿論Mリーグも例にもれず)、ポーカーという個人ゲームにそういった概念をどう取り入れていくのかは検討が必要だけど、チームという要素は今後取り組んでいきたい1つである。観戦にはチームの悲喜こもごもが必要なのだ。

2022年末に2発お試し的に3MPCでオフ会を既に開いており、今後も継続的にやっていく予定だが、ただのゲストではなく現場力みたいなところは組織として少しずつ鍛えていきたいし、そういった先に主体的に取り組みを起こせる組織としてムーヴメントを起こせたらと思っている。

何事も段階を追って。
2022年を踏まえて2023年はどんな年になるのか。

色んな情勢が揺蕩っている中で、それこそバランスを取りながら最後は納得のいくAllinができればいいなと思う。

それでは良い年を。







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