神田明神の節分祭で豆を撒いてきた話

インターネットを探してもあんまり情報がなかったので、1万5千円払って下々の者に豆を撒いて悦に浸る体験をしてきた話をしたいと思います。
最近のお金持ちは絵画や彫刻ではなく体験型アートを買って消えてしまう無形作品にお金を使うという究極の贅沢をしている、みたいな話を聞いたことがあるので私も体験を買う贅沢に身を投じました。

新年を迎えました。
今年の7月に24歳となる私は、このお正月に数えで25歳になりました。本厄です。年男・年女というものは12年に一度巡ってきますが、高校時代から温めてきた年男の過ごし方が一つありました。

節分で豆を撒く人になることです。

私の出身地である広島が誇る厳島(宮島)には世界遺産でもある厳島神社がありますが、その裏手に大聖院というお寺があります。
この大聖院では毎年節分会が開かれ、豆撒きが行われています。豆撒きのイベントとかに参加したことがあるとピンとくるかと思いますが、袋に入った福豆とか、餅とか、あと宮島なのでもみじ饅頭とかが少し高いところからお客さんに向かって投げ入れられるイベントです。場所によっては抽選で何かしらが当たる、お楽しみ要素があったりして、大聖院の場合、豆の袋の中にくじ券が入っていて、私の記憶が正しければ自転車とかもみじ饅頭引換券とかが当たります。
で、大体どこのイベントでもそんな豆の袋とか餅とかを投げる人は年男・年女なので、節分の大聖院に何度か家族と行っていた私は折角だしいつか豆を撒いてみたいなと思っていたのです。

今年がその時です。

⓪リサーチ

軽くネット検索をすると、都内でいくつかのお寺や神社が年男・年女を募集しています。どこも初穂料とか奉仕料という名前で参加費がかかります。

私が候補に入れたところは根津神社と神田明神。
根津神社は7000円、神田明神は15000円。
どこにするか結構悩んだんですが、豆を撒く側にも抽選があったり色々記念品があったりするようだったので、神田明神に15000円払うことにしました。根津神社の方にそれらがあるかどうかは知らないのですが、神田明神の安心できそうな大手感に引っ張られたのも事実です。

①申込

日中の空いている時間に神田明神の社務所に向かいます。
その前に念のため電話でまだ枠に空きがあるか確認していたのですが、どうやらかなりの数を受け入れてくれるらしく、受付締め切りということはほぼないそうです。
社務所に入ってテーブルベルを鳴らし、係の人に「節分の年男・年女の応募で来た」と伝えたら申込に対応してもらえました。
その場で住所と名前を書き、奉仕料1万5千円の支払を済ませました。
豆撒きはグループは毎に行われ、通常、グループ分けは町内会単位だそうなのですが、私は町内会には所属してないので住所で言えばここになるだろう、とグループの振り分けがなされました。
受けた説明としては、14時から節分祭が始まるということ、私のグループなら15時に明神会館に集合すればいいということ、このとき渡されたリボンが参加証になるので忘れないようにということ。

②当日、豆撒きまで

写真を頼んでいた(自分が豆を撒いている姿の写真は自分では撮ることができないので。多謝)人と合流し、14時半頃に神田明神に到着。
多くの人だかりが出来ていました。
これだけの人が豆を奪い合うのか、と思っていましたが見ると少し様子が違うよう。最初数回は芸能人枠らしく、アイドルの姿を収めるべくカメラを手にしていた人たちがまとまっていたようでした。
撒かれる豆を受け取る用の列は別にあり、撮影ゾーンと豆キャッチゾーンはロープで区別されていました。
ちなみに、豆キャッチゾーンの列は入れ替え制で、正面の門の先まで列は伸びていても、必ず豆キャッチのできそうな場所までは回ってくるようになっていました。

氏子総代や特別崇敬者や特別崇敬者やあとJALの方々とかの神田明神の公的なゲストが豆を撒き終わるまでで大体1時間、15時頃に一般の方々の豆撒きが始まります。
私は最後から3つ目のグループでしたが、15時を過ぎてから裃を着せてもらいに一度明神会館へ。大まかに身長毎で着用部屋が分かれています。まだまだグループの集合まではしばらく時間に余裕がありそうだったので、同行人と再合流し裃姿を撮影。時間を潰して頃合いを見てから再度明神会館へ。荷物やジャケットを預けることのできるクラークがあるのでそれを利用します。注意点は、少し並ぶことと、クラーク対応グループ表みたいな丸印の付いている紙の掲示があるのですが、それが途中から更新されていなかったことです。
係の人が「○○(グループ名)の方は集合をお願いします」と声を掛けているので、それに合わせて明神会館を出て右のところに集合します。

③祈祷、そして豆撒きへ

集合場所から移動、まず祈祷に向かいました。
といってもかなりシステマティックであり、ご神殿の床にテープで区画ができており、グループでそこに案内されるやいなや礼をするよう促され、前方で神職の方が幣を振ってそしてその先へ流される、という形でした。
その先、すなわち神田明神の場合は鳳凰殿の2階が豆撒きの場所です。控室の中に積まれている一升枡を1つ手に取り、待機。

そして合図ともに部屋の外、下にお客さんを望む手摺の前へ。

枡の中身を撒きます。「鬼は外、福は内」と声を出しながら撒きます。撒きます。割とすぐ終わります。

他の参加者の皆さんは袋にお菓子を入れて持参していて、もう少し長く撒いていました。町内会で買っているのか個人で買って持って行ってるのかは不明です。
撒き終わった方から奥へ、と促されるので退散です。
建物を出るところでお神酒をいただきました。

④豆撒き後。何の説明もないが実はここがミソ

ひとまず、会館に戻り裃を脱ぎます。その後どうすればいいのか何の指示もなかったので不安だったのですが、「裃を脱いで直会へお越しください」的な看板が地下への移動を促していました。
「直会」というのが自分対象なのかすら分からなかったのですが、枡を持った方が地下に潜っていくのが見えたので恐る恐る私も向かってみます。

流石に払った金額に対して枡一つ貰って終わりということはありませんでした。

お札とお土産、そして料理と飲み物がありました。
お札には名前が書いてあるので自分のものを持って帰ります。

どうせ個人参加なので一人寂しくささっと食べるもの食べて飲むもの飲んで帰ろうかとも思ったのですが、同じテーブルの方々に入れてもらえたので一緒に乾杯。歳を訊かれ、24歳と答えたら「5世代が集まった」と言われたので、きっと72歳の方までいたのでしょう。
このとき、「どこの町内会の方ですか?」と訊かれたので、やはり町内会単位の参加が普通のよう。単独参加というと少し感心したように頷かれました。

皿を平らげビールと日本酒を何杯か頂き、そろそろ満足したかなという頃に解散。但し、もう一つイベントが残っているのでご注意を。

⑤豆撒き参加者限定抽選会

会館1階で最後にくじ引きが待っています。参加証となるリボンと引き換えに抽選箱から一枚引きます。賞品にはお菓子から一升瓶、どうやらテレビなんかもあるようです。

はい。

はずれでした。ベビースター2つとお餅を頂きました。

⑥お土産開封

以下お土産ネタバレです。私が判断材料なくて困ったので情報をウェブの海に放流したいなと思ったので流します。見たくない人は見ないように。



ベビースターラーメンと餅はくじで。
お赤飯、お神酒、酒まんじゅう、福財布、お札、福豆、みかん2個、一升枡。

お赤飯の消費期限はすぐ(翌日)だから要注意!!!


というわけで1万5千円払って豆を撒く体験をしてきた話でした。
楽しかったです。2018年の思い出として一つ刻まれました。
今年は由無し事・由有り事を書いてウェブに放流していけたらと思っています。大抵は表現の話をしたいですね。


1万5千円払ったので投げ銭的にお小遣いくれたら嬉しいです。

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