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𝚂𝚘𝚞𝚟𝚎𝚗𝚒𝚛.

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旅の記憶 Ⅰ( Apr.2022~ )
『 旅の記憶 』の バックナンバーです。生まれた街を離れるまでの、小さな旅の記憶(1冊目)
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#海

Prologue.│ はじまりの海

Apr.2022 素敵なホテルでランチをするより、美しい建物や自然の綺麗な場所でおいしい料理を食べるのが好き。 親友の「ホテルビュッフェに行きたい」という言葉にはそこまで乗り気でなかったけど、いつのまにか「海辺でランチしたい」に変わっていたので願ったり叶ったり。ドライブしながら久しぶりに逗子へ 神奈川の海といえば江ノ島だけれど、正直あまり綺麗ではない。でも葉山の海は、青くて好きだ。鎌倉もいい。 数年前に旅行した奄美大島や加計呂麻島は信じられないくらい水が澄んでいるけれ

行き先は、いつも海だった。

May 2022 直島に旅立つ すこし前。 図書館で『海獣の子供』という漫画を読んで、 水族館に行きたくなった。 昔から水族館が好きだった。その理由は、きっと海や湖という、" 水への憧れ " から きているのだと思う。 奄美大島のペンションに滞在したとき、宿のおとうさんが船を出してくれて、自分では行けない、遥か沖の秘密の場所を教えてくれた。だれも知らない、シュノーケリングの海。 そのときに 出会った海のなかを超えるような風景に、わたしは未だ、出会っていない。

小さな旅の終わりと、はじまり。

May 2022 島へ発つ前に、実家に立ち寄った。 束の間といえど、これまでの休暇で一番 長い時間を過ごすことができた 母は変わらずに、祖母は少し忘れっぽくなったが それでもやっぱり、此処がいちばん安心する 祖父の遺影のとなりには、メレンゲ細工の犬を飾った